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新車プロファイル2023
2023年に発売された新車の情報ページです

YAMAHA フロント2輪のLMWモデル、TRICITY125/155 ABSが新フレーム化などモデルチェンジ

フロント2輪のLMWモデル、TRICITY125/155 ABSが新フレーム化などモデルチェンジ




YAMAHA TRICITY 125/155 ABS 車両解説

 2013年の東京モーターショーでジャパンプレミアされ、大きな関心を集めた125ccオートマチックコミューター「トリシティ MW125」。翌2014年4月からは、実際にタイ市場で市販が開始され「ショーのためのコンセプトモデルではなかったのか!」と驚かれた方も多かったのでは。そのトリシティ MW125が国内でも発売開始されたのは2014年9月10日で、その時点での販売価格は356,400円。本体価格で33万円というプライスは、話題性、メカニズム、そして所有する満足度などからすると、かなりのお買い得なプライス設定だった。

 トリシティ MW125の最大の特徴といえるヤマハ独自の「LMW」(Leaning Multi Wheel)メカニズムは、旋回時にフロント二輪を車体と同調させて傾斜(Leaning)させるもので、軽快でスポーティなバイクのハンドリングに、「より安心感を与える」メカニズムと説明されていた。フロントのロアーフォークブリッジ近くに配置されたハンガー状のアームがリーン機能を実現する2本の“パラレログラムリンク”と呼ばれるもの。そして左右のフロントホイールは、それぞれ片持ち式のテレスコピックサスで独立して懸架されている(フォークは片側2本ずつの計4本)。これらのメカニズムにより、リーンを実現する機能と、サスペンションの機能をそれぞれ独立させ、スムーズな動作と現実的なバンク角、ハンドル切れ角を確保している。

 2015年4月にはABSを標準装備したタイプを追加ラインアップ。2015年12月には発売から1年経過ということで気分一新、“エレガント&スマート”をキーワードとした「マットブルーメタリック3(マットブルー)」の新色を追加している。

 2016年3月1日には、トリシティ 125/トリシティ 125 ABSに、新たにトップケースとナックルバイザー等を標準装着し実用性と利便性を高めたトリシティ 125“快適セレクション”もリリースされている。LMWの更なる普及を目指してユーザーの実用性と利便性を高めた新たな選択肢を追加した、と発表されていた。

 トリシティの利便性を高めるため、余裕の走りを裏付ける155㏄エンジンを搭載した“軽二輪”バージョンが登場するのは2017年1月。高速道路の利用も可能となり、LMWの活躍のフィールドはさらに大幅に広がったといえる。

“軽二輪”バージョンのトリシティ 155 ABSに搭載された「VVA」(Variable Valve Actuation:可変バルブシステム)採用の新型“BLUE CORE”エンジンは、155㏄から11kW(15PS)/8,000rpmの最高出力と、14N・m(1.4kgf・m)/6,000rpmの最大トルクを発生。またフレームもこの“ハイパワー・エンジン”を搭載するにあたって再設計され、剛性バランスの向上や足元スペースの拡大なども行われた。

 ちなみにこのトリシティ 155 ABSは、ヤマハの成長戦略のひとつ“広がるモビリティの世界”を推進するLMWの第2弾でもあった。

 2019年3月には“原付二種”版のトリシティ 125がカラーチェンジを行ったのに合わせて、こちら“軽二輪”版のトリシティ 155もカラーチェンジ、と同時に従来モデル比でシート高が約15mm低く、フィット感に優れたシートが新たに採用された。

 2020年5月、「ビビッドパープリッシュブルーメタリック1」カラーに換えて、スポーティな印象の「ブルーイッシュグレーソリッド4」を追加。ホイールにブルーのアクセントを配してフロント2輪を強調しつつ、軽快に街中を駆け回るアクティブなイメージのカラーリングとしている。その他の現行カラー「ホワイトメタリック6」と「マットグレーメタリック3」カラーは継続販売だった。

 今回はモデルチェンジということで新フレームも導入された。主な特徴としては、
1)平成32年排出ガス規制適合の水冷・4ストローク・SOHC・単気筒・4バルブ・124cm3/155cm3新“BLUE CORE”エンジン
2)静粛かつ振動の少ないエンジン始動をもたらす「Smart Motor Generator」
3) 低燃費に貢献する「Stop & Start System」
4)同心円を描き滑らかな旋回を可能とする「LMWアッカーマン・ジオメトリ※4」や新フレーム、ロングホイールベース化などによる上質な乗り心地
5)スマートキーシステムの搭載や着信通知/燃費管理が可能なスマートフォン専用アプリへの対応など、利便性を高める機能の充実面を中心に変更が行われた。
 

TRICITY125.「ダークグレーイッシュブルーソリッドB」。
TRICITY155 ABS。「マットイエローイッシュグレーソリッド」。

 

★YAMAHA ニュースリリースより (2023年2月10日)

フロント2輪の「TRICITY125/155」をモデルチェンジして発売
~足回りの変更でより上質な乗り心地を実現、専用アプリで”つながる”機能搭載~~

 
 ヤマハ発動機株式会社は、フロント2輪のLMW※1モデル「TRICITY(トリシティ)125※2」および「TRICITY155 ABS」をモデルチェンジし、2月28日(TRICITY125)、4月14日(TRICITY155 ABS)にそれぞれ発売します。

 主な特徴は、
1)平成32年排出ガス規制適合の水冷・4ストローク・SOHC・単気筒・4バルブ・124cm3/155cm3新”BLUE CORE※3″エンジン 2)
静粛かつ振動の少ないエンジン始動をもたらす「Smart Motor Generator」、
3)低燃費に貢献する「Stop & Start System」
4)同心円を描き滑らかな旋回を可能とする「LMWアッカーマン・ジオメトリ※4」や新フレーム、ロングホイールベース化などによる上質な乗り心地
5)スマートキーシステムの搭載や着信通知/燃費管理が可能なスマートフォン専用アプリへの対応など、利便性を高める機能の充実。

 「TRICITY125」「TRICITY155 ABS」は、LMWテクノロジー※5による安定感のあるコーナリングと上質なクルージング性能を兼ね備え、なかでも「TRICITY155 ABS」は、高速道路も走行可能なことから、通勤・通学だけでなく週末のツーリングまで幅広いシチュエーションで、ライディングの楽しさを味わえます。

※1. LMW=Leaning Multi Wheel。モーターサイクルのようにリーン(傾斜)して旋回する3輪以上の車両の総称。商標登録第5646157号。
※2. TRICITY125は本モデルよりUBS(Unified Brake System)モデルのみの設定。
※3. BLUE CORE:ヤマハ発動機株式会社は、”走りの楽しさ”と”燃費・環境性能”の両立を高次元で具現化するエンジン設計思想として、2014年より”BLUE CORE(ブルーコア)” を掲げています。この思想は高効率燃焼、高い冷却性、ロス低減の3点にフォーカスして性能実現を図るもので、「TRICITY125」「TRICITY155 ABS」のエンジンもこの”BLUE CORE”思想に基づき開発しました。商標登録第5676267号。
※4. LMWアッカーマン・ジオメトリ: 操舵軸(ナックルエンド)とリーン軸をずらすオフセットジョイントを装備することで、リーンし、なおかつ内外輪差が生まれるフロント2輪が、常に旋回方向を向く設計を成立させるヤマハ独自の構造のこと。
※5. LMWテクノロジー:平行な上下2本のアームで構成するパラレログラムリンクのあるサスペンションと操舵機構で軽快感と安定感を両立する技術。
 なお、製造はタイのグループ会社TYM(Thai Yamaha Motor Co., Ltd.)で行います。

<名称>
「TRICITY 125」
 
<発売日>
2020年2月28日
 
<メーカー希望小売価格>
495,000円(本体価格450,000円/消費税45,000円)
<カラー>
ダークグレーイッシュブルーソリッドB(グレーイッシュブルー/新色)
ホワイトメタリック6(ホワイト/新色)
マットグレーメタリック3(マットグレー/新色
<販売計画>
1,500台(年間、国内) 
<名称>
「TRICITY 155 ABS」
 
<発売日>
2020年4月14日
 
<メーカー希望小売価格>
566,500円(本体価格515,000円/消費税51,500円)
<カラー>
マットイエローイッシュグレーソリッド I(マットベージュ/新色)
ホワイトメタリック6(ホワイト/新色)
マットグレーメタリック3(マットグレー/新色)
<販売計画>
1,500台(年間、国内) 
 
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれない。
<販売計画>
1,500台(年間、国内)
【TRICITY125 /TRICITY155 ABSの新たな特徴】
1)平成32年排出ガス規制適合の新「BLUE CORE」エンジン
高燃焼効率、ロス低減、冷却性の3点を照準に開発し、走りの楽しさと燃費・環境性能を両立させる”BLUE CORE”エンジンを平成32年排出ガス規制に適合させて搭載。新作シリンダーヘッドを採用し、コンパクトな燃焼室を形成することで、従来の10.5:1から11.6:1(TRICITY155のみ)へと圧縮比を高め、高効率燃焼を実現しています。吸気バルブは 20.5mm径へと拡大し、良好な吸気効率を確保。シリンダーヘッドは、冷却経路を最適化し信頼性の向上を図っています。
2)静粛かつ振動の少ないエンジン始動をもたらす「Smart Motor Generator」

エンジンには、「Smart Motor Generator」を採用しました。始動時はスターターモーターとして機能し、走行時はジェネレーターとして働きます。従来のスターターモーターと減速ギアが不要となり、軽量・コンパクト化と静かなエンジン始動を実現しています。
3)低燃費に貢献する 「Stop & Start System」
信号待ちなどで停車すると自動的にアイドリングを停止して燃料消費を抑え、再発進時には静かな始動で発進できる「Stop & Start System」を採用しました。アイドリング停止後の再発進は、スロットルグリップを回すことで、瞬時にエンジンが掛かり滑らかに発進できます。
4)快適な乗り味を支えるステアリング機構「LMWアッカーマン・ジオメトリ」
大型スポーツタイプのLMWモデル「NIKEN」や「TRICITY300」で実績のある”LMWアッカーマン・ジオメトリ”を新たに専用設計し採用しました。フロントサスペンション周りとのバランスを最適化し、自然な操縦性と接地感を実現、快適で質感ある乗り心地をもたらしています。押し歩きもスムーズです。
5)新エンジンの性能を効率よく引き出し、快適な乗り味に磨きをかける新フレームに
上質感のある乗り心地を生み出す新作リアサスペンション
強度・剛性バランスを最適化した新フレームは、縦剛性、ねじり剛性を強化しつつ、適度な”しなり”を確保。エンジン搭載位置などのバランスを整え、上質感があり自然なハンドリング、優れた直進安定性、乗り心地を支えます。また1,350 ㎜から1,410㎜へホイールベースを延長したことにあわせて、リアサスペンションは、ショックアブソーバーの全長を延長。バネレート及び減衰力を最適化することで、上質感があり落ち着いた走行性をもたらしています。
6)着信通知や燃費管理が可能なスマートフォン用専用アプリ対応
 本モデルは、専用アプリ「YAMAHA Motorcycle Connect(略:Y-Connect)」をインストールしたスマートフォンとペアリングが可能です。ペアリングにより次のような機能が拡充します。
(1)車両メーターへのスマートフォン通知の表示
・電話やメールの着信、スマートフォンのバッテリー残量などを表示
(2)スマートフォン画面のサブメーター利用
・エンジン回転数、スロットル開度、エコ運転状況などを表示
(3)オイル・バッテリーのメンテナンス推奨時期のお知らせ
(4)燃費管理
(5)車両の最終駐車位置確認
7)スマートキーや新デザインメーターパネルなど便利な機能充実
キーを差し込むなどの手間もなく、ノブ操作だけでエンジン始動が可能な「スマートキー」、前述のスマホ連携機能を反映し、「着信」「SNS/メールの受信」「スマ―トフォンのバッテリー状況」などの情報を車両のメーター上で確認できる「新デザインのメーターパネル」、フットスペースの前後長を約20mm延長した「フットボードスペース」、操作しやすい「タンデムフットレスト」、照射範囲を拡大した「ヘッドランプ」など、日常使いに便利な機能を充実しています。

主要諸元

車名型式 8BJ-SEK1J〈8BK-SG81J〉
TRICITY125〈TRICITY155 ABS〉
発売日 2023年2月28日〈4月14日〉
全長×全幅×全高(m) 1.995×0.750X1.1215
軸距(m) 1.410
最低地上高(m) 0.165
シート高(m) 0.770
車両重量(kg) 168〈172〉
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※1 45.5〈43.6〉(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2
44.9〈42.1〉(WMTCモード値 クラス1〈クラス2〉、1名乗車時)※3
登坂能力(tanθ)
最小回転半径(m)
エンジン型式 E34AE〈G3T3E〉
水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ
総排気量(cm3) 124〈155〉
内径×行程(mm) 52.0×58.7〈58.0×58.7〉
圧縮比 11.2〈11.6〉
最高出力(kW[PS]/rpm) 9.0[12]/8,000〈11[15]/8,000〉
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 11[1.1]/6,000〈14[1.4]/6,500〉
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 T.C.I.(トランジスタ式)
潤滑油方式 ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 1.0
燃料タンク容量(L) 7.2
クラッチ形式 乾式、遠心、シュー
変速機形式 Vベルト式無段変速
変速比 無段変速 2.386~0.748〈2.341~0.736〉
キャスター(度) 20°00′
トレール(mm) 68
タイヤサイズ 90/80-14M/C 43P
130/70-13M/C 57P
ブレーキ形式 油圧式ディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
ユニットスイング
フレーム形式 アンダーボーン

■製造事業者:Thai Yamaha Motor Co., Ltd.
■製造国:タイ
■輸入事業者:ヤマハ発動機株式会社
※1 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。





2023/02/10掲載