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全日本RR激熱の予感、注目のチームが体制発表

「MATSUBA RACING PROJECT&RS-ITO」

(Kawasaki Ninja ZX-10R)


 全日本ロードレース選手権参戦チームの体制発表が続いている。まず、全日本ロードレース選手権ST1000クラスに「MATSUBA RACING PROJECT&RS-ITO」がフルエントリーする。

 昨年から引き続き中村竜也(22)が参戦、新たに中村修一郎(24)を迎えた2台体制で、昨年は中村竜也がST1000ランキング14位。中村修一郎の全日本フル参戦は4年ぶりとなる。


 中村竜也は「昨年、初めてST1000に挑戦させて頂きました。1000の難しさを知りながら、学ばせてもらいました。転倒が多く、チームに迷惑をかけてしまったことを反省しています。なかなか結果につなげることが出来ませんでした。今年はトップ10を目標に、常に上位を目指します。チームメイトになった修一郎選手とは、昨年の鈴鹿8耐でチームメイトになる予定でした。実際に参戦は出来ませんでしたが、切磋琢磨しながら、お互いに成長出来るようにと考えています」と言う。

 中村修一郎は「4年ぶりに全日本フル参戦するチャンスを頂きました。ずっと、戻りたいと思っていたので、今はノリノリ、ウキウキと、気持ちが高ぶっています。やる気がもりもりと湧き上がっています。竜也選手とカワサキ勢上位を目指して行きます。その目標は簡単ではなく、厚い壁だと思いますが、チームの皆さんの力を得て乗り越えて行きたいです。チームに受け入れてもらえた感謝を結果で残せるようにがんばりますので、期待していて下さい」と意気込む。

 カワサキワークスで活躍した井筒仁康がアドバイザーを引き続き務める。井筒は「2年目の中村竜也選手には決勝での成長を期待したい。新しく入った中村修一郎選手は取り組みを見ながら、ふたりにとって良いアドバイスができるようにしたい」と言う。

 チームアドバイザーの伊藤一成は「昨年は一発タイムを狙って転倒してしまうレースも多かったので、安定してポイントを得て結果にこだわるレースを期待する」と語った。

 黒川治監督は「若手育成がテーマなのは変らない。3年計画で始まったチームにとって、今季が最終年度となり結果を求めて行きたい」と語った。

 今季のST1000クラスは、エントリー台数の増加が見込まれ、例年以上の激戦となると見られている。その中でカワサキの存在感を示しつつ、成長の跡を残せるか注目が集まる。



「Astemo Honda Dream SI Racing」

(Honda CBR1000RR-R)


 全日本ロードレース選手権に参戦する「Astemo Honda Dream SI Racing」は、最高峰クラスJSB1000クラスに作本輝介に加え、英国スーパーバイク選手権(BSB)に2年間参戦した水野涼が加わる。ST1000クラスは昨年のチャンピオン渡辺一馬が引き続き参戦する。ST600クラスにはブラパ・ワンムーン(タイ)が初参戦する。

 また、アジアロードレース選手権(ARRC)ASB1000クラスには「Astemo SI Racing with Thai Honda」としてパサウィット・ティティワララック(タイ)が参戦する。

 伊藤真一監督は「チーム結成4年目となり、JSB1000では初のタイトル獲得、ST1000はV3達成を目指す。アジアではトップ争いが出来るチームに成長したい」と語った。

 動向が注目されていた水野は「開幕から優勝争いを繰り広げ、チャンピオンを目指す」と意気込む。BSBで培った経験を、どう生かすか注目が集まる。

 アステモのアジアと日本をつなぐ活動は今季も継続される。昨年は作本がARRCと全日本のダブルエントリーを発表していたが実現していない。だが可能性は残り、その活動には注目が集まっている。

 


「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」

(YAMAHA YZF‐R1)


 「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」として引き続きJSB1000クラスに中須賀克行と岡本裕生が2台体制で参戦する。中須賀は2021年に10戦、2022年は13勝とJSB1000クラスで全戦全勝を飾る圧倒的強さを示しタイトルを獲得しており、今季は12回目のチャンピオンを目指す。

 岡本は昨年からチーム加入、初のJSB1000ながらトップ争いを見せた。後半の転倒でノーポイントが2戦あったにも関わらずランキング3位を獲得、中須賀を脅かすライダーとしての活躍が期待されている。

 ST1000クラスには「Team GYTR」から前田恵助、「DOGFIGHT RACING」から豊島怜、ST600クラスには「AKENO SPEED」から井手翔太と伊達悠太、「ITO RACING BORG CUSTOM」から松岡玲と中山耀介、「Nippon Pioneer Garage L8 RT」から菅原陸、「Garage L8 Racing Team」から佐藤穣が参戦する。

 昨年ST1000クラスランキング5位の南本宗一郎は、アジアロードレース(ARRC)SS600クラスに「YAMAHA GEN BLU RACING TEAM ASEAN」からフル参戦することがわかった。

 レース普及や若手ライダーの育成を目的としているbLU cRU(ブルークルー)活動として、MFJ CUP JP250でランキング最上位を獲得したヤマハユーザーを翌年、Yamaha Motor Europe N.V.から「R3 bLU cRU European Championship」に派遣。世界で戦える日本人トップライダー育成を目指すことも示された。ホンダのアジアタレントカップのように、ヤマハから世界へのチャンスを示すものとして大きな注目を集めそうだ。


 まだ体制発表していないチームもあり、新たなライダーが加わる可能性があるが、大きな関心事だった水野の動向がはっきりしたことで、ファンは安心することになった。同じくBSBを戦っていた高橋巧の参戦がまだ、リリースされていない。だが、全日本参戦濃厚との情報があり、その発表が待たれている。

(文:佐藤洋美)







2023/02/13掲載