2016年に海外で発売されるや「ベスト・スタンダード・バイク」等の称号をほしいままにしたZ900。若干特殊な嗜好を示すことが多いといえる国内のユーザー層とは異なり、あくまで普段使いのバイクに対する実用度の尺度には段違いの厳しさの目が光る海外ユーザーからの評価を得ての“ベスト”は伊達じゃない。
搭載するのは水冷4ストローク並列4気筒、948㎝3“Sugomi”パフォーマンスを発揮するエンジンで、Z1000をベースに開発され、92kW(125PS)の最高出力を発揮。この“Sugomi”エンジンを新設計のトレリスフレームに搭載。高張力鋼を用いるとともに曲げ部分の角度を極力小さくすることでパイプにかかるストレスを分散、フレーム単体重量で13.5kgの軽さに収めているという。組み合わされるのは、φ41㎜倒立フロントフォークにアルミ製スイングアーム、ホリゾンタルバックリンクリアサスペンションなど。アシスト&スリッパークラッチ、視認性に優れた多機能インストルメントパネルなども採用されている。
このZ900、2018年3月の国内デビューからわずか6か月でニューグラフィック&ニューカラーに変身されている。軽量トレリスフレームに水冷並列4気筒948ccエンジンを搭載してパワーとハンドリングを妥協なく追求したスーパーネイキッドとしてのメカニズム本体は変わらず。新色は「メタリックフラットスパークブラック×メタリックスパークブラック」と「メタリックムーンダストグレー×エボニー」の2色。
2020年1月には、カラー&グラフィックの変更だけでなく、ビッグマイナーチェンジといえる大幅な変更が行われた。まずはエンジン。従来モデルと同等の出力とエンジンフィーリングを維持しながら、よりクリーンな排出ガスとエキサイティングなエキゾーストサウンドを実現している。当然のことながらEuro5規制適合だ。よりスムーズな加減速を実現するためのクラッチダンパースプリングの採用とFIのリセッティングも行われた。
続いて車体周りでは、ハンドリング性能を維持しながら、スイングアームピボット部の強度を高めることで耐久性を向上させたフレームに発展。このフレームに合わせて前後サスのセッティングも変更されている。また、タイヤも軽快なハンドリングを目指してダンロップ社の最新モデル“SPORTMAX Roadsport 2”が採用されている。
「SUGOMI」デザイン周りでも変更が行われており、フロントフェイスのイメージが変わった。エッジ部をシャープにした新しいヘッドライトデザインで「SUGOMI」を強調。また、全灯がLED化。新型4.3インチフルデジタル液晶スクリーンによるインストゥルメントパネルへと発展。最新のKTRC (Kawasaki Traction Control)も当然採用だ。
2021年1月には、ニューカラー「メタリックスパークブラック×メタリックフラットスパークブラック」が登場したが、2021年11月にもニューカラー「パールロボティックホワイト×メタリックマットグラフェンスチールグレー」の登場。今回もカラー&グラフィックの変更のみ。
海外では相変わらずのスーパーネイキッドとしてのZ900人気、一方国内ではネオレトロとしてのZ900RS人気、このモデルのどこに惹かれているのかが興味深いところ。
★KAWASAKI ニュースリリースより (2022年10月14日)
Z900 発売のご案内
- モデル情報
- 車名(通称名) Z900
- マーケットコード ZR900FPFBN
- 型式 8BL-ZR900B
- 発売予定日 2022年11月15日
- 型式指定・認定番号 19817
- メーカー希望小売価格 1,1666,000円
- (本体価格1,060,000円、消費税106,000円)
- ※カワサキケア含む
- カラー(カラーコード)メタリックファントムシルバー×メタリックカーボングレー(SL1)
- 販売店 カワサキ プラザ
- ※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
- ※価格には保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う諸費用は含まれません。
- ※当モデルはABS装着車です。
- ※当モデルはETC2.0車載器キット標準装備車です。
- ※メーカー希望小売価格は参考価格です。
- ※当モデルは「カワサキケアモデル」です。
- 【Z900】
コンセプトである「エキサイティング&イージー」な走りとスーパーネイキッドZシリーズが持つアグレッシブな「Sugomi」デザインを合わせ持つZ900。鋭いスロットルレスポンスで力強く吹け上がる並列4気筒エンジンにKTRCとパワーモードを組み合わせたインテグレーテッドライディングモード、TFTカラー液晶メーター、スマートフォン接続機能、全灯LEDといった多数の先進装備を採用することにより、リニアに反応するエンジン特性と優れた操作性を発揮します。最大級の操る悦びをもたらすこのモデルは、ワインディングを駆け抜けるときに最もその真価を発揮します。
- ■主な変更点
- ・カラー&グラフィックの変更
- ■カワサキケアモデルとは
- ・安心・安全なモーターサイクルライフをサポートするため、1ヶ月目点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換(オイルフィルター含む)を無償でお受けいただけるモデルです。
- ・https://www.kawasaki-motors.com/after-service/kawasakicare/
主要諸元
車名型式 | 8BL-ZR900B | |
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Z900(ZR900FPFBN) | ||
発売日 | 2022年11月15日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.070×0.825×1.080 | |
軸距(m) | 1.455 | |
最低地上高(m) | 0.145 | |
シート高(m) | 0.800 | |
車両重量(kg) | 213 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 24.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
18.0(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 2.9 | |
エンジン型式 | – | |
水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 948 | |
内径×行程(mm) | 73.4×56.0 | |
圧縮比 | 11.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 92[125]/9,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 98[10.0]/7,700 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフスターター | |
点火方式 | バッテリー&コイル(トランジスタ点火) | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 4.0 | |
燃料タンク容量(L) | 17 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.692 |
2速 | 2.058 | |
3速 | 1.650 | |
4速 | 1.409 | |
5速 | 1.222 | |
6速 | 1.034 | |
減速比1次/2次 | 1.627/2.933 | |
キャスター(度) | 24.9° | |
トレール(mm) | 110 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 180/55ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | φ300mm油圧式デュアルディスク |
後 | φ250mm油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(インナーチューブ径41㎜) |
後 | スイングアーム式(ホリゾンタルバックリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。