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エンタメ

バイクと出会って半世紀。子供の頃、バイクのカタログ集めに夢中になった山形の少年は、学校を卒業すると念願だったホンダに入社。1994年からは二輪広報を担当し、2020年定年退職するまで四半世紀、一貫して広報活動に従事した。バイクブームのあの時代からの裏も表も知り尽くした高山さんの視点でふりかえる、バイク温故知新の四方山話。それが「バイク・承前啓後(しょうぜんけいご)」。




第3回カフェカブパーティーin北海道に参加 =雨また雨の1500キロ=

 7月17日(日)、北海道洞爺湖町の「有珠山噴火記念公園」で第3回カフェカブパーティーin北海道が3年ぶりに開催されました。
 今回は、エントラント兼お手伝いスタッフとしてスーパーカブ110で駆けつけました。
 往路は、約40年ぶりとなる北海道までのフェリー旅です。茨城県の大洗から乗船したかったのですが、1か月前にすでに満席。仙台発苫小牧行のフェリーを予約し、復路は青函フェリーを利用して青森から陸路を走る6泊7日のツーリングとなりました。
 5月のカフェカブパーティーin関西は、往復快晴に恵まれたツーリングでしたが、今回はほとんど期待できない長期予報でした。雨男になる決意をして、1日目は福島県郡山市まで230キロを走る余裕のルートです。幸運にも昼過ぎまではドライコンディションでしたが、残り100キロは土砂降りでした。
 2日目も130キロ程度を走る余裕の移動です。仙台港には土砂降りの中到着。悪天候の中、続々とバイク乗りが集まりその数約30台。ほとんどが大排気量バイクで原付は私のスーパーカブ110だけでした。

太平洋フェリー
仙台港フェリーターミナルで、太平洋フェリー「きたかみ」に乗船する直前に雨は止んでくれました。

 デッキでのんびり夏の陽を浴びるような優雅な旅とは真逆で、フェリーは荒天のために揺れが続き15時間の船旅のほとんどを寝て過ごしていました。
 3日目は無事に苫小牧港に到着。フェリーを降りて陸地に足をつけた時の感覚は、何10年経っても感慨深いものがあります。北海道も雨模様で、しかも肌寒い天候です。太平洋を左手に見ながら、洞爺湖を目指し淡々と130キロを走り、14時にカフェカブパーティーの会場に到着。運営スタッフで私が一番乗りでした。

会場
洞爺湖を望む会場で、メインステージを組立中。私も邪魔しないように手伝います。準備は雨に降られずに順調にすすみました。
朝一番
朝一番、運営スタッフのカブを所定の位置に停めたところです。

 4日目の17日(日)は、3年ぶりの開催となるカブ乗り達のためのイベントです。当日は、昼前から本降りの雨になる予報です。予報が外れることを祈りながら、続々と到着するライダーに挨拶しながら受付をフォローしました。

会場
会場
受付の仕事よりも、カスタマイズの手法に眼を奪われてしまいます。まずは素早く受付して、後でじっくり拝見することに。参加者には、CT125 ハンターカブの小冊子をお渡ししました。

参加車両
メインステージを奥にして、円形状に並べられた参加車両。152台、164名のファンが参加してくださいました。
トロンボーン演奏
お客様を歓迎するトロンボーン演奏。奏者の陸上自衛隊中央音楽隊の廣實(ひろざね)さんは運営スタッフでカブ乗りでもあります。カッコよかった。

本部テント
奥の本部テントでは、参加者にコーヒーなどのフリードリンクサービスを提供しました。
プロタイプ
積載に自信あり! という雰囲気に圧倒されたプロタイプ。フロントにリア用のサイドバッグを装着した独特のスタイリングです。何を積んでいるのでしょうか?

受付1番乗り
CR誕生50年記念のステッカー
受付1番乗りは道内から参加のクロスカブ。メーターには北海道の地図を施し旅気分は盛り上がります。フェンダーには、欧米で発表された”CR誕生50年記念”のステッカーが!? 入手方法を聞いたところ、自作のステッカーでした。ホンダ関係者もビックリ。このようなカスタマイズを見ると本当に感心します。

キッチンカー
キッチンカー2台が昼食を提供。地元産の食材にこだわった食事には満足しました。
バイクフォーラム
バイクフォーラムは、私が登壇させていただき、ハンターカブの誕生から現在までの歴史を紹介しました。昨年がC105H ハンターカブ誕生60年でしたが、中止によって1年持ち越したものです。雨の中聞いてくださった方々に感謝いたします。

最遠参加賞
カフェカブパーティー恒例の最遠参加賞は、愛媛県から参加された方が受賞。
レディース賞
レディース賞を受賞した2名のカブファンと愛車です。
人気投票2位
参加者が選ぶ人気投票2位の表彰です。

人気投票1位
人気投票1位は、ベルギーで生産されたC310に決定。これだけ良好なコンディションで維持されているのは大変貴重です。
じゃんけん大会
各賞の表彰の後は、恒例のじゃんけん大会です。全員に何かが当たるというおもてなしでした。帰りの安全と来年の再開を約束して閉会となりました。

  運営スタッフは、土砂降りの中で後片付けに追われましたが、16時半に完了。私は、洞爺湖から函館市まで走らなければなりません。雨の中をわき目もふらず、150キロ先の函館を目指し南下しました。函館市のホテルには3時間後に到着。小休止時間を含めた平均速度は50km/h。さすが北海道です。

 5日目は、函館市内をブラブラ走り、早めに青函フェリー乗り場に到着。北海道はイベント参加と雨のために、駆け足で通過してしまいました。もったいない。

青函フェリー
青函フェリーの乗船待ち。バイクは、京都のハヤブサとスーパーカブの2台でした。
函館山
フェリー出航後に函館山を望み、北海道を後にしました。この時は曇天でしたが、この後5日ぶりに太陽を見ることができました。

Cub Center
青森市で通りかかったスーパーマーケット”Cub Center”で記念撮影。赤い看板には赤いカブが似合います。事業展開をしている紅屋商事さんのホームページを見ましたが、名前の由来は分かりません。「人々の生活に役立つ」という意味では同じCubですね。

 6日目も朝から雨です。青森市から秋田市を経由し、私が育った山形県庄内町のお墓に寄って、山形市まで420キロを走る行程です。山形県内は、自動車専用道路の建設が急ピッチで行われていました。一般道路を走っていると、専用道路に誘導されてしまうので注意が必要でした。原付には走りにくい道路事情になりつつあります。雨また雨の走行で1枚も撮影しませんでした。

 7日目は、埼玉県所沢市まで370キロを走る行程です。最終日はようやくレインスーツを着ることもなく走行できました。スーパーカブ110は、豪雨でも酷暑の中でも機嫌よく走ってくれました。わずか110ccのエンジンで一般道をリードできるのですから、改めて感心しました。駆け足ツーリングの走行距離は、1475キロ。平均燃費は63.6km/リットルでした。
 今回は、カフェカブパーティーを主宰しているカブ工房代表の中島氏が製作した“お尻が痛くならない魔法のシート”に加え、”6リットルタンク”を新たに装着したロングツーリング仕様にしました。外観からはほとんど分かりませんが、”ストレス軽減カスタマイズ”の魅力を実感できました。疲れないので注意力も落ちず、事故防止にも役立ちました。

6リットルタンク
6リットルタンクを装着しているところです。外装パーツはそのまま装着できます。外からは見えませんが、ノーマルに比べきれいな塗装が施され高品質感があります。

 次の目標は、10月30日(日)に計画されているカフェカブパーティーin九州(熊本)に参加することです。積載性に工夫すれば、私にとって最強のツーリングバイクになるはずです。 


高山正之
高山正之(たかやま まさゆき)
1955年山形県庄内地方生まれ。1974年本田技研工業入社。狭山工場で四輪車組立に従事した後、本社のモーターレクリエーション推進本部ではトライアルの普及活動などに携わる。1994年から2020年の退職まで二輪車広報活動に従事。中でもスーパーカブやモータースポーツの歴史をPRする業務は25年間に及ぶ。二輪業界でお世話になった人は数知れず。現在は趣味の高山農園で汗を流し、文筆活動もいそしむ晴耕雨読の日々。愛車はホーネット250とスーパーカブ110、リードのホンダ党。


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2022/08/15掲載