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新車プロファイル2022
2022年に発売された新車の情報ページです。

HONDA “クロスオーバー・アーバン・トランスポーター”NC750Xをベースにした教習車を発売

“クロスオーバー・アーバン・トランスポーター”NC750Xをベースにした教習車を発売




HONDA NC750L(MT教習車仕様)/(AT教習車仕様) 車両解説

 並列2気筒のシリンダー前傾角を62度と深くすることで全高を下げ、車体のレイアウトに自由度が得られる軽量コンパクトな新型700ccエンジンをゼロから開発。それに合わせて、低い位置にメインパイプ配置することが可能となったローフレームと組み合わせることにより誕生した“ニューミッドコンセプト”シリーズ。

 2012年2月のNC700X、4月のNC700S、インテグラの発売以降多くのファンを獲得したが、わずか2年足らずの2014年1月に、排気量アップで750シリーズに発展している。それは好調な販売ばかりでなく、未だ残にる日本独自の規格といえる“ナナハン”を試験車両とする大型自動二輪免許の存在も背景にあったといわれていた。スタート時のNCシリーズは、排気量669cm3であり、実質650クラスだった。教習車両、試験車両に使われるかどうかは、潜在ユーザー層となる教習生へのアピールの面からも重要なことだろう。ただ排気量アップの要因はもちろんそれだけではなく、生み出された余裕を排出ガス規制や騒音規制対策、はたまた燃費の向上化にも貢献させていた。

 750となっても、共通のプラットフォームを使い回すことでより多様なニーズに合わせたモデル群を展開する、というNCシリーズの基本戦略は変わらず。“オン・オフ”モデルとして開発されたNC750Xと、“ネイキッド・スポーツ”のNC750Sを一足早く1月24日に発売。700モデルでは海外でトップバッターデビューを飾った“スクーティング・モーターサイクル”のインテグラのみ若干遅れて2月7日発売となった。NC750X、NC750Sに用意される“デュアル・クラッチ・トランスミッション”仕様、NC750Xのローシート“TypeLD”仕様(NC750X)、そして“ABS”仕様の各仕様はすべて発売開始日に合わせてラインナップされていた。

 750シリーズのエンジンは、ボアを4mm拡大して77mmに、ストロークは80mmとし、総排気量745cm3から低中回転域での力強い走りを実現。ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式ロッカーアームにアルミ材を採用するなどの特徴的なメカニズムは踏襲されたが、従来の一軸バランサーは、さらなる低振動化の実現を図るため二軸式へと変更された。トランスミッションのハイレシオ化も行われ、デュアル・クラッチ・トランスミッションも新エンジンに合わせて変速特性が見直された。

 車体面では基本構造に変化はないのでほぼ同一といえるが、インテグラではリアのスイングアームがアルミ化されたほか、フロントカウルとシート形状も変更。また、スポーティなストライプの採用やゴールドカラーの前後ホイールを装着したインテグラSタイプも追加されるなど新型NCシリーズでは一番変更点の多いモデルとなった。

 NC750Xでは、よりオフイメージのパターンを持つタイヤが装着されたことと、ニューCBシリーズなどで採用されている瞬間燃費、および平均燃費などが表示できる機能を持つ燃費計が新たに装備された。また、シート表皮の変更、アジャストタイプのブレーキレバーも採用されていた。

 また2014年4月には、新たにタイプ設定された“E Package”仕様が登場している。CB400SF/SBやCB1300SF/SBシリーズなどで導入が始まった、ETCとグリップヒーターを標準装備する仕様で、NC750Xでは、DCT搭載車のノーマル仕様とローダウン仕様にタイプ設定された。ETC車載器と5段階に温度調節が可能で装着の目立たない“スポーツグリップヒーター”、そして足でのギアチェンジ操作も可能とする“DTCチェンジペダル”を装備するモデルだ。

 2016年1月26日には、750シリーズになって初のモデルチェンジが行われ、NC750Xではフロントフェアリングを中心にスタイリングを一新。視認性に優れた配光パターンを持つLEDヘッドラインプの採用や、導光タイプのポジションランプをヘッドライト輪郭に配置するなどより個性的なフェイスに仕上げている。足周りではフロントサスに“デュアルベンディングバルブ”を採用、乗り心地の向上と制動時のノーズダイブを軽減、リアではプリロード調整機構を追加することで路面追従性の向上も図っている。またDCT搭載モデルでは、「Sモード」に3種類のレベルを設定できる機能を追加するなどDCTをさらに進化、熟成している。

 NC750Xの「デュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)」搭載車にETCとグリップヒーターを装着した「Eパッケージタイプ」のみ2月19日に発売。また、NC750X、NC750X<ABS>、NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>には、それぞれローダウンシート仕様の「Type LD」もラインナップ。

 2017年2月には、新色「キャンディープロミネンスレッド」を各タイプに追加設定、それまでの3色と合わせて全4色のカラーバリエーションになっていた。

 2018年11月には、NC750XにABS、Hondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)、そしてグリップヒーターを標準装備するとともにカラーバリエーションを変更。また、NC750XとともにNC750Sの全タイプにETC2.0車載器が標準装備された。

 2021年2月には、750シリーズになって初のフルモデルチェンジが行われ、エンジン周りでは、ピストンを新設計し更なる軽量化、エアクリーナー構造を変更、エキゾーストチャンバーの形状も変更するなど吸排気系の見直しにより、最高出力を向上させながら優れた燃費性能を両立させている。

 さらに、ライダーをサポートする電子制御技術として、スロットルバイワイヤシステム(TBW)を新たに採用し、ライダーの好みやさまざまなシーンに応じて走行フィーリングを任意に選択できるライディングモードを搭載。また、マニュアルトランスミッション仕様には、クラッチレバーの操作荷重軽減など快適性に寄与するアシストスリッパークラッチを新たに採用した。

 新設計のフレームは、向上した動力性能に対応させながら軽量化も行われている。より軽快な運動性能を獲得しながらラゲッジボックスの容量を拡大させるなど利便性の向上にも寄与しているという。

 今回はこの新型NC750Xをベースに“教習車仕様”としたもので、マニュアルトランスミッション付き大型教習車と、DCTを採用したAT限定大型二輪教習車の2タイプを発売する。

 

NC750L(MT教習車仕様)。
NC750L(AT教習車仕様)。

 

★ホンダ ニュースリリースより (2022年6月13日)

大型二輪教習車「NC750L(MT教習車仕様)」とAT限定大型二輪教習車「NC750L(AT教習車仕様)」を自動車教習所向けに発売

 Hondaは、二輪市場の活性化を目的に、「大型二輪免許」および「AT(オートマチック・トランスミッション)限定大型二輪免許」※1の教習車として、「NC750L(MT教習車仕様)」と「NC750L(AT教習車仕様)」を全国の自動車教習所を対象に7月21日(木)に発売します。

●二輪教習に適した特殊装備を付加した、自動車教習所専用モデル
●「NC750X」をベースに、教習車としての特性を考慮した変更を実施
●大型二輪免許教習およびAT限定大型二輪免許教習に応じた2タイプを設定

 NC750L(MT教習車仕様)は、マニュアルトランスミッションを採用した大型二輪教習車。NC750L(AT教習車仕様)は、クラッチ操作を必要としないデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)を採用したAT限定大型二輪教習車です。直列2気筒745cm3エンジンを搭載する市販ロードスポーツモデル「NC750X」をベースに、教習車としての特性を考慮した各部の変更を行うことで、教習時に頻繁に使用する極低速域での操作性や低中速域での扱いやすさと、取り回しやすさに配慮しています。さらに、車体への転倒ダメージを軽減させるバンパー類、教習生の運転状況を教習指導員へ視覚的に伝える表示ランプを装備。カラーリングは夜間の教習時にも車両の挙動を確認しやすい、「パールグレアホワイト」1色の設定としています。

※1大型二輪免許は、排気量の制限なく二輪車を運転できる免許。AT限定大型二輪免許は、排気量の制限なくオートマチックの二輪車を運転できる免許

●販売計画台数(国内・年間)
300台
 
●メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
NC750L(MT教習車仕様) 1,100,000円(消費税抜き本体価格 1,000,000円)
NC750L(AT教習車仕様) 1,210,000円(消費税抜き本体価格 1,100,000円)
*価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
「NC750L(MT教習車仕様)」「NC750L(AT教習車仕様)」は、自動車教習所専用のモデルで、一般に販売する計画はありません
*教習専用車のため、ライディングモード切替操作をするとメーター表示は変更されますが、ライディングモード機能は利用できません

 

主要諸元


車名型式 8BL-RH14
NC750L(MT教習車仕様)〈(AT教習車仕様)〉
発売日 2022年7月21日
全長×全幅×全高(m) 2.205×0.845×1.200
軸距(m) 1.530〈1.525〉
最低地上高(m)★ 0.125
シート高(m)★ 0.703
車両重量(kg) 218〔228〕〈228〉〔237〕
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※2 39.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※3
26.9(WMTCモード値★ クラス3-2 1名乗車時)※4
登坂能力(tanθ)
最小回転小半径(m) 3.0
エンジン型式 RH14E
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ
総排気量(cm3) 745
内径×行程(mm) 77.0×80.0
圧縮比★ 10.7
最高出力(kW[PS]/rpm) 27[37]/5,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 57[5.8]/3,500
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI]
始動方式★ セルフ式
点火方式★ フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑油方式★ 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L)
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式★ 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン〈電子式6段変速(DCT)〉
変速比 1速 2.666
2速 1.904
3速 1.454
4速 1.178
5速 0.967
6速 0.815
減速比1次★/2次 1.731×3.333〈1.921×2.933〉
キャスター(度)★ 27°00′
トレール(mm)★ 116
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
160/60ZR17M/C 69W
ブレーキ形式 油圧式シングルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 ダイヤモンド

〈 〉内はデュアル・クラッチ・トランスミッション・モデル
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)  ■製造事業者/本田技研工業株式会社
〔 〕内の数値はバンパーや表示ランプなどを装着した際の値(Honda測定値)です
※2燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※3定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※4WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます





2022/06/13掲載