2020年、ブランドの復活(https://mr-bike.jp/mb/archives/17051)によっていにしえのファンはもちろん、若者からも脚光を浴びているオートバイ「メグロ」。1964年に川崎航空機工業(現カワサキモータース)と一体化するまで、日本の大型二輪車のパイオニア的存在であり、その魂はWシリーズ以降のカワサキ・モデルに受け継がれている。
そんなメグロの聖地として、2021年2月より発売されたニューモデル・MEGURO K3のプロモーションビデオが撮影されて場所でもある栃木県那須烏山市が注目を集めている。そもそも、那須烏山は1944年に空襲の危機にさらされた東京・大崎の目黒製作所・本社工場を疎開させた地であり、烏山工場では戦後はオートバイ市場拡大に伴い戦前の500ccモデルを再生産を開始、250ccのジュニア号もヒットするなど、戦後に会社を軌道にのせるのに大きく貢献した場所だったという。
メグロに旧くから縁ある地ということはファンにとって周知されているが、クラシックバイクファンらの熱意や町おこしを模索していた那須烏山市により、2021年11月には同地でクラシックバイクイベント「第1回メグロキャノンボール」を開催。さらにカワサキモータースへの協力打診により今回、MEGURO K3の発表会で使用された看板が設置されることとなった。
メグロ大看板除幕式は5月28日、那須烏山市観光協会の主催により行われた。看板の設置場所となった山あげ会館は、国指定重要無形民俗文化財・烏山の山あげ行事といったお祭りを紹介するミュージアム的施設で、来年開通100周年を迎えるというJR 烏山線・烏山駅からも近い市の中心地にある。
除幕式には那須烏山市の市長をはじめ商工会長、観光協会長、目黒製作所・烏山工場長のご家族、特別ゲストとしてカワサキモータースの営業本部マーケティング部長らが出席。5月としてはやや気温が高めであるが絶好の天候の元、多くのファンに見守られなから式は進行、序幕とともに4m×3mという大きな手書き看板が露わとなり、大きな拍手が贈られる。
K2とK3の新旧モデルを両脇に従えた看板は、レトロ感の中に威風堂々としたメグロ全盛期を彷彿とさせるインパクトがあり、山あげ会館の外観の雰囲気ともマッチ。多くの来場者は記念撮影に興じていた。
那須烏山市は栃木の県庁所在地である宇都宮やサーキットのある茂木からも近く、山あげ会館には駐車場もあるので、ツーリングの目的地としても最適なロケーション。現在、日本の各所にオートバイにまつわる“聖地”が存在するが、ファンはもちろんオートバイ愛好家にとってルーツを探る旅という楽しみが増えるのは嬉しい。尚、11月には「第2回メグロキャノンボール」も開催予定。日本全国にメグロの聖地は更に知れ渡ることになるだろう。