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レース・イベント

第21回チキチキVMX猛レース
2022年春のチキチキVMXが5月1日、埼玉県モトクロスヴィレッジで開催された。下は10歳から上は76歳まで幅広い年齢層のライダー150名(うち初参加24名)が全国各地から集まった。1人で2台も3台も走らせるライダーもいるので参加マシン計250台余りが、年式や排気量、車種別で土の上に遊ぶ、旧車の祭典なのだ。
■撮影・文:高橋絵里 ■協力:ホーリーエクイップ ■主催:ホーリーエクイップ https://www,hollyequip.com




前のクラスがスタートすると次のクラスが素早くゲートインして、刻々と迫る我がレースを待つ、このひとときもまた代えがたいソワソワタイム。モトクロス特有のスターティングゲートは隣りのライダーと妙に近いし、何度経験しても慣れなくてとほぼ全員のライダーが言うが、この非日常感が遊びの中にもピリッとする緊張の瞬間だ。ゴールデンウィーク中の開催に、旅行を兼ねてのんびりな日程を組んで、その中の1日をチキチキで遊ぶ、そんなエントラントも多い。

 

スプリントと90分耐久のレース形式だが、走る様子はみんなぞれぞれだ。根性全開で勝ちにいく人。誰かにロックオンしておもむろにバトルにいく人。以上は腕に覚えありのベテランライダーたち。それから、周りは関係なくてマシンと自分の世界に浸る人。とにかくコースを周ることだけで必死な人。そんな初心者も大歓迎してくれる空気がいい。ウェアも自由でよろしい。凝ったコスプレを決めればとてもシブいし人気者になるが、とりあえずジーパンとトレーナーにプロテクターでもよろしい。そして何よりヴィンテージバイクは、どんなライダーにも優しい。

 

超希少ブリヂストンも走る
ノサカさんが持ち込んだのは60年代レースシーンでも活躍したブリヂストン2台、BS90スクランブラー、そしてC2SSフレームにBS90エンジンを積んだ、共に64年型。「昔はロードもモトクロスもベースは同じで、キットパーツで作るんです。かっこいいんだよね」
ロードレースにもBSを仕上げて走るという、根っからの熱烈BSファンだ。

 

レースはマジでも皆さん笑顔、若いライダーも年々増えて和気藹々な雰囲気がとてもいい感じです。

 

イカシた外車が集まるWGPクラスでニイツマさんが走らせるのは68年型トライアンフTR25Wトロフィー。人車一体の雰囲気がこれまた最高。
キッズクラスで90年型QR50を乗りこなすコンくん13歳、伸び盛りでバイクが段々小さくなって、そろそろステップアップかな?

 

ホンダ、スズキ、ヤマハと比べてVMXでは少数派のカワサキ車、イケダさんが86年型KX125で奮闘。これがサウンドといい匂いといい80年代モトクロスファンには何とも懐かしい限りです。
73年型のTM250とTM125、77年型RM250の3台で3クラス6ヒートを走りまくったワタナベさん、ヘルメットからブーツまで全身一途なスズキ愛を身にまとっての力走、ギャラリーも楽しいです。

 

可愛らしい78年型XR75とサクライさん。80ではなく逆輸入75がお気に入りのこだわり。「バイクは調子いいんですが人間の方が練習してないので(笑)」。良い全身運動と思って楽んじゃえばOK!
セシモさんと71年型SL90は祝チキチキ初参加、初心者マーク付けて慎重に、「みんなガンガン来るので楽しいけどコワイ、でもいい運動だという気持ちでね」。いつかヤミツキになる日が来ますよきっと。

 

10年ぶりのモトクロス復活を「ギスギスしないで楽しく走れそうな」VMXで再開したスズキさん、80年型XL50Sを80改にして「全然速くなりますね!」。スプリントのほか90分ミニ耐久も満喫した。
WGPクラスを力走するモリヤさんの北米モデルXL350は74年型。外車クラスは雰囲気もさることながら全体にさり気ない着こなし加減が皆さん上手。メットのチェッカーデザインも妙にハマり。

 

無限パワーでチェーン切れ!
チキチキ常連ライダー、新たな銘車お披露目が毎回楽しみなシマダさんが、84年型無限CR125を約1年かけてみごと動体に。と思ったら「公式練習でチェーンが切れて(旧いままだった)急遽ウエストポイントに買いに行き、午前のレースに間に合いました。エンジンの伸びはさすが無限パワーです!」

 

惜しくも展示へ、76年型XT500改
毎回どんなマシンを作ってくるか注目の1人、香川県のリビルドフリーク、マナベさん(本業はカイロプラクティックの先生)のXT500改。今回はしかしタンク未完成につき展示のみに。XT500フレーム+SR500エンジン、83YZ250キャブレター、79YZ250フロントフォーク、オーリンズ改ストロークアップリアサスペンション、手作りマフラー、80年YZ250リヤハブにホンダ18インチリム、前後ノーマルフェンダー、YZ85フットレスト、手曲げアンダーガード等々。シート上にあるのはカンナ&ペーパー削りしたタンク木型。作業期間は怒涛の1ヶ月だそうで、次回のお披露目走行に期待です。

 

半世紀の思い出を語り合う
『ホンダ エルシノア発売50周年記念の集い』

チキチキVMX前日の4月30日、埼玉県新狭山ホテルにて『ホンダ エルシノア発売50周年記念の集い』が開催され、当時の開発関係者、ライダーなど50名が一同に集いました。エルシノアがデビューした1972年の思い出話は尽きることなく、レース、開発、販売、メディアなどあらゆる側面から世界中に注目された名車への愛情が溢れていました。
発案者:㈱ホーリーエクイップ代表 堀口雅史氏  企画推進:宮田卓英(元HRC)・芦森幸二(元無限)・藤澤博之(元モーレク)

 

右から、72年第9回日本グランプリでRC250M(通称RC335C)初優勝を遂げたライダー吉村太一氏、ホンダの2ストロークレーサー(モトクロス及びロードレース)開発責任者を務めた宮腰信一氏、お2人の思い出話に初優勝当時の写真を掲げるホーリーエクイップ堀口氏。
2ストロークエンジン設計担当の宮田氏より「50年間大切に手元にあった思い出の」72年RC125M初優勝時のコンロッドが、この日を記念して吉村氏に贈呈された。シーズン途中第7戦から投入されたRC125Mは、早くも第9戦にトップゴールを果たした。

 

ホンダ初の2ストローク250cc市販モトクロッサー CR250Mエルシノア。今なお高い人気を誇り、ヴィンテージモトクロスを元気に走る。

 



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2022/05/18掲載