HONDA CB1000R Black Edition 車両解説
2001年に発売が開始され、主に海外で人気を集めたCB900 Hornet。オーソドックスなスタンダードスタイルのネイキッドモデルとして多くのファンから根強い支持を得たモデルだった。
その後継モデル、とされたのがCB1000Fなのだが、2007年に発売されたCB1000Fでは、一気に“スーパーネイキッド”へと大変身。CBR1000RR直系のスポーティな“走り”を全面に打ち出したストリートファイターでもあった。
アルミダイキャスト製モノバックボーンフレームに、前輪に倒立式テレスコピックフォーク、後輪は片持ち式スイングアームを採用、とまさにスーパースポーツCBRのDNAを受け継ぐ内容だった。ベースとされたエンジンは、もちろんCBR1000RRの直列4気筒DOHC4バルブ、998cm3エンジンだが、最新CBRからの流用ではなく、開発されつくしたといえる旧型をベースにワインディングや街中での使用をメインに想定したセッティングを施し、さらに低中速域面が強化されて搭載されていた。
2018年の4月に、いよいよ国内向けにも発売が開始された新型CB1000Rは、スーパーネイキッドの頂点マシン的な存在であった先代とは異なり、「CB」シリーズの復権を担うホンダのロードスポーツモデルのフラッグシップ的な存在として開発されたモデルだった。
ちなみにエンジンは、2017年春に登場した新型CBR1000RRシリーズがボア76.0×ストローク55.1mm、総排気量999cm3という新路線のリッターバイクエンジンといえるSC77E型エンジンを採用していたのに対して、こちら“CBのフラッグシップ”ではボア75.0×ストローク56.5mm、998cm3と従来からのスーパースポーツ系のエンジンをベースに再開発したSC80E型エンジンを搭載、と袂を分かったカタチとなった。それだけホンダがこの新型CB1000Rシリーズにかける期待は大きいといえるのかもしれない。
その新型CB1000R、2018年12月には新色が追加された。「ソードシルバーメタリック」という“洗練された大人”のイメージの新色だった。また、従来から標準装備されていたETCだが、新色追加を機にETC2.0へとバージョンアップさせている。
2021年3月のモデルチェンジでは、カラー設定の変更のみならず、ヘッドライト、ラジエーターシュラウド、エアクリーナーカバーのデザインを一新し、凝縮感のある台形プロポーションをさらに強調すると同時に、流麗なイメージを追求。また、シートレールやリアフェンダーもスリムな形状にするとともに、ホイールのデザインを変更することで、軽快な印象を与えている。
また、メカニズム面では、車両とスマートフォンをBluetoothで連携させることで、ハンドルスイッチ及び音声入力により音楽再生や通話などの操作を可能とする“Honda Smartphone Voice Control system(HSVCS)”を採用し、利便性を向上させている。
カラーバリエーションは、精悍なマットバリスティックブラックメタリック、軽快なマットベータシルバーメタリックの2色を新たに採用し、継続色のキャンディークロモスフィアレッドと合わせ全3色となっていた。
今回は、このCB1000Rに全身を黒一色で統一した“Black Edition”が発売されることとなった。燃料タンクをはじめとして、ラジエーターシュラウド、シートレール、スイングアーム、マフラー、エキゾーストパイプなど、全体のカラーリングをブラックで統一。さらに、ホイールナットなど細部のパーツもブラックとしている。
★ホンダ ニュースリリースより (2022年4月14日)
「CB1000R Black Edition」を発売
Hondaは、大型ロードスポーツバイク「CB1000R」に、車体細部までブラックのカラーリングで統一した「CB1000R Black Edition」を設定し、Honda Dreamより6月9日(木)に発売します。
今回、車体色に精悍なグラファイトブラックを採用し、燃料タンクをはじめとして、ラジエーターシュラウド、シートレール、スイングアーム、マフラー、エキゾーストパイプなど、全体のカラーリングをブラックで統一。さらに、ホイールナットなど細部のパーツもブラックとすることで上質感、存在感を演出しています。
CB1000Rは、軽量かつコンパクトな車体に高性能な水冷・4ストローク・DOHC直列4気筒998cm3エンジンを搭載した大型ロードスポーツモデルで、スロットルバイワイヤシステム※1やクイックシフター※2などの電子制御技術を採用。また、Honda Smartphone Voice Control system(HSVCS)※3を搭載。車両とスマートフォンをBluetooth®で連携※4することにより、ハンドルスイッチ及び音声入力により音楽再生や通話などの操作を可能とするなど、利便性にも配慮したモデルです。
※1 スロットルグリップの操作に連動するアクセルポジションセンサーを右側ハンドルスイッチハウジングに内蔵することで、従来のスロットルケーブルを不要とする機構 ※2 走行中にクラッチ、スロットル操作を行わずにシフトチェンジを行うことができる機構
※3 運転中のスマートフォン本体の操作はおやめください。また、Honda Smartphone Voice Control system(HSVCS)のご利用には専用アプリのインストールが必要です。専用アプリはAndroidTM端末専用のため、iOS端末は非対応となります。また、全てのAndroid端末の動作を保証するものではありません。HSVCSの機能に関する詳細および対応OSのバージョン、対応アプリについては、HSVCS関連ホームページ(https://www.honda.co.jp/tech/articles/motor/EngineerTalk_SAB/)またはスマートフォンアプリご案内ページ(https://global.honda/voice-control-system/)をご覧ください
※4 市販のバイク対応Bluetooth®ヘッドセット(別売)との接続が必要です。アプリの利用や通信料金はお客様の負担となります
【商標・登録商標について】
Bluetooth®は、米国Bluetooth SIG, Inc.の登録商標です
AndroidTMは、Google LLCの商標または登録商標です
iOSは、Ciscoの米国およびその他の国における商標または登録商標であり、ライセンスに基づき使用されています
- ●メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
- CB1000R Black Edition 1,716,000円(消費税抜き本体価格 1,560,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
主要諸元
車名型式 | 8BL-SC80 | |
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CB1000R | ||
発売日 | 2022年6月9日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.120×0.790×1.090 | |
軸距(m) | 1.455 | |
最低地上高(m)★ | 0.135 | |
シート高(m)★ | 0.830 | |
車両重量(kg) | 214 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※5 | 23.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 1名乗車時)※6 | |
17.2(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)★※7 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 3.0 | |
エンジン型式 | SC80E | |
水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 998 | |
内径×行程(mm) | 75.0×56.5 | |
圧縮比★ | 11.6 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 107[145]/10,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 104[10.6]/8,250 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 16 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.538 |
2速 | 1.941 | |
3速 | 1.578 | |
4速 | 1.363 | |
5速 | 1.217 | |
6速 | 1.115 | |
減速比1次/2次★ | 1.604/2.933 | |
キャスター(度)★ | 25°00′ | |
トレール(mm)★ | 100 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 190/55ZR17M/C 75W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立サス) |
後 | スイングアーム式(プロアーム) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
■製造事業者/本田技研工業株式会社
※5 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※6 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※7 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果に基づいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます