今年で開場60周年を迎える鈴鹿サーキットが、3年ぶりにファン感謝デーイベントを開催。往年のF1マシンをはじめ、多数のレーシングカーやバイクが登場した。これまでは、無料入場での開催だったが、新型コロナウィルスの感染防止の観点から有料となり、入場者数を抑えなければならなかったが、密を避けながら、モータースポーツファンが見守る中で、様々なイベントが繰り広げられた。
四輪のスーパーGTプレシーズンマッチではトヨタ、ホンダ、日産の今季GT500クラス車両13台が出走し、本番さながらの迫力あるデモレースを披露。特に今年デビューする日産「フェアレディZ NISMO GT500」がファンイベントで走行するのは初で、大きな注目を集めた。
F1マシンのデモ走行では、独特のF1サウンドが鈴鹿に響いた。今回は1988年のAGS「JH23」と、1989年のウィリアムズ「FW12」、ベネトン「B189」、そして2006年のフェラーリ「248F1」が登場した。ファン感の人気企画である星野一義VS中島悟も実施された。
鈴鹿サーキット夢の原点としてホンダ「RC142」「RA272」で岡田忠之、宮城光、中野真治らがコースイン、鈴鹿60周年に相応しいいイベントとしてファンを沸かせた。
二輪では「始動! 鈴鹿8耐」と題して、ヨシムラマシンを渡辺一樹、TSRマシンを高橋裕紀が駆った。参加した清成龍一は今季、アステモホンダからトーホーレーシングへと移籍した。その登場に大きな注目が集まった。ハルクの名越哲平、アステモからは渡辺一馬が参加、桜井ホンダの濱原颯道らもグリッドに着き、ル・マン式スタートでコースを疾走した。F1同様、鈴鹿8耐も開催中止が続いており、3年ぶりの爆音でファンを熱狂させた。
「ALL Ster Laps、トップマシンの競演」ではスーパーGT、スーパーフォーミュラーが登場。MotoGPマシンを長島哲太が駆り、鈴鹿8耐、全日本ロードと、各カテゴリーを代表する車両が一斉にコースインした。その後は、グリッドに停車しグリッド&ピットウォーク中に展示された。ここには全日本ロードでヤマハファクトリーの中須賀克行、今季からチーム入りした岡本裕生もファクトリーライダーとしては初お披露目となった。
ファン感には今季の全日本ロード最高峰クラスであるJSB1000のルーキーたちが参加した。筆頭はファクトリー入りを決めた岡本、清成の移籍に伴いアステモのエースライダーの座を射止めた作本輝介、ハルクから榎戸育寛が参加した。この3人はST1000からのステップアップ組。今季の全日本ロードはフレッシュな顔ぶれが戦いを盛り上げてくれそうな予感を残してファン感は幕を閉じた。全日本開幕戦は4月2日~3日、栃木県モビリティリゾートもてぎで開催される。
(レポート:佐藤洋美)