麻薬、薬物。まさにそう言っても過言じゃないほど危険な物体ですよね、「こたつ」ってヤツは。一度そこに足を踏み入れたが最後、抜け出るには並大抵の努力なしには達成できません。
しかも時間が経つにつれ思考する能力が薄れていき、体中の自由が効かなくなり、何もやる気が起こらなくなるのです。そして気が付けば、ただ何の生産性もない無駄な時だけが過ぎているのに愕然としてしまう……。
寒いです。ワタシ、まったく体が動きません。仕事から帰るとこたつへ直行し、そのまま固まってしまうのです。
いちおう心の中では、初詣ツーリングに行きたいと、予定は立てているのですが、重い腰がますます沈んでいくのです。昔はこんなことなかったよなぁ。寒い冬でもガンガン走ってたし。歳とったのかなぁ~!?
そういえば昔、年末に、福岡の実家へ帰省ツーリングしたことがありました。
正月をゆったり過ごして、5日に帰途についたのですが、当初の予定では来た時と同じ、北九州から阪九フェリーに乗るつもりだったのです。でも急に金刀比羅さんに参拝したくなったのですよ。
まずは山越えして大分を目指したのですが、山の中を走る国道387号線を勘違いしてしまって逆方向へ進んでしまい、なんと熊本の菊池市まで行ってしまったのです。
あわてて後戻りし、途中高速使ったりしたのですが、別府に着いたときはもう真っ暗になってました。
仕方がないのでビジネスホテルに泊り(別府はユニットバスにも温泉が出ます)、翌朝一番のフェリーで四国の佐田岬へ。ところが、突然冷たい雨が降り出したのです。
真冬の雨。グローブには水が染み込み、手がかじかんで言うことを聞きません。体もガジガジに固まり、寒くて寒くてどうしようもないのです。思考が停止したまま、ただ前を向き、アクセルを回すだけでした。
なかなか先に進めず、観音寺まで来たところで日が暮れたので、またもやビジネスホテルに泊まったのですが、なんと風呂を入れたら鉄さびで真っ赤なお湯が出てきて、大変な思いをしました。
翌朝は晴れたので、無事金刀比羅さんにも参拝できたし、おいしいうどんも食べられたのですが、明石海峡大橋を渡り、神戸、大阪と走るものの大渋滞で、ここもなかなか前には進めないのです。四日市まで来たところでとうとうギブアップ、またもビジネスホテルに泊まるハメになりました。
結局、東京に戻るために三泊四日もかかってしまい、散財するワ、寒くて事故りそうになるワで、ひどいメに遭ってしまいましたとさ。
最初の予定どおり阪九フェリーにしとけば、もっと楽に帰ってこれたのにね。
でも、これも今にして振り返ればいい思い出です。
さぁ、こたつの中のワタシ。そろそろバイクのエンジン掛けなきゃ、バッテリーが上がっちゃうぞっ!!
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