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エンタメ

第117回 「摩訶不思議ちくわマジック」

「ちくわお好きですか?」「ええ、特に輪の中味が」という小咄あったような、なかったような。
 さて、あなたならなんとお答えになりますか? 鳥取の方はさておき(理由は後ほど)、ほとんどの方は「ちくわねぇ……」が正直なところではないでしょうか。もちろんちくわ大好きな方はいらっしゃると思います。ちくわ大好物という設定のアニメキャラもいたような気がします。まあ、アニメの設定になるということは、普通ではないということの裏返しでもありますが。

 とその前に、弁明させていただきます。「ちくわ好きなんて信じられな〜い」とか「ちくわ? なにそれ? なくてもぜんぜん困らないみたいな〜」というような傍若無人なちくわ不要論を展開するつもりは全くございません。その証拠に? この駄コラムを読んでいただける希有なあなたなら、「おまえ、いつもちくわ天ばっかり食べてるじゃないか」とご指摘頂けるかもしれません。ありがとうございます。
 実は「ひゃほ〜ぃ! 今日はちくわだ!」というハイテンションではなく、意識しないのにオーダーしているのが現実なんです。そんなことありませんか? さあ、摩訶不思議ちくわマジック始まります。

ちくわロールおにぎり
ちくわロールおにぎり
釧路駅近くで購入したちくわロールおにぎり。おにぎりというよりも、ちくわの海苔ごはん巻きでした。ちくわはおにぎりやパンの具にも進出しており、隠れちくわファンを獲得しつつあるようです。(2012年4月撮影)

 我が国でちくわはどれくらい生産されているのか。日本かまぼこ協会(ちくわ協会はないのかな?)のサイト(https://www.nikkama.jp/deki/consumption/)によると、平成30年(2018年)の焼きちくわ総生産量は62,054tとのこと。多いのか少ないのかまったくわかりませんが、戦艦大和の基準排水量(軍艦の大きさを示す単位)が都合良く64,000tです。とはいえ、戦艦大和と同量のちくわは想像できないので単純にちくわ1本あたり50gとすれば、1,241,080,000本。日本国民一人当たり(人口約120,000,000人として)にすると約9.8本ということになります(計算が合っていれば)。年間約10本になりますが、これも多いのか少ないのかもピンときません。身近にあるのに、どれくらい食べているのかさえわからないちくわ、摩訶不思議です(そんなこといい出すと、ほとんどの食べ物がそうですが、そこは見逃してください)。

 県別のちくわ消費量も出ていました。一位は鳥取県。本誌と縁がある隼駅祭りが開催されている鳥取県です。3,000人も集まる隼駅祭りでちくわをくわえている人を見た記憶はないのですが、2位の山口県の年間一人当たり43.1本を軽くぶっちぎって、なんと65本! 5.6日に1本になりますから、週一は食べていることになります。ちなみにちくわといっても鳥取県民の好物はとうふちくわです。どれくらい好きなのかといいますと、宇都宮VS浜松の餃子戦争でおなじみになった総務省家計調査で、かつてとうふちくわは大豆製品の扱いでしたが、平成23年度から他の魚肉練製品に分類が変更されたとたん、前記のようにちくわ消費量が突出して一躍トップに踊り出たのです。とんでもないとうふちくわパワーです。
 ちなみに全国平均消費量は22.1本。私の計算と大きく違っていますが、生産量と消費量は違って当たり前ですからご心配なく。それよりも心配なのは、ほんとうに年間平均22本もちくわを食べているかということです。実感ありますか? ちくわにつままれたような摩訶不思議ちくわマジックです。

とうふちくわ
砂丘そば
左が鳥取名物とうふちくわ。原則として魚のすり身7と豆腐3でつくったもので、普通のちくわよりも淡泊で食べ飽きません(2009年8月撮影)。右は鳥取駅にある砂丘そば。ちくわ天はありませんでしたが、デフォルトでちくわが入っていましたが、とうふちくわではなく、トビウオが原料のもうひとつの特産であるあごちくわでした。(2016年7月撮影)






 では、わたしは年間どれくらいちくわを食べているのかを調べてみました。2019年に食べた立喰・ソは129杯。約2.8日に一杯は少ないような気もします。それはさておきちくわ天そばは、1月2杯、2月2杯、3月2杯、4月0杯、5月2杯、6月2杯、7月2杯、8月1杯、9月2杯、10月2杯、11月1杯、12月2杯の計28杯。月に2杯くらいは食べていたようです。1杯当たりちくわ1本とすれば28本食べたことになります。さらに、おでんや磯辺揚げ、ひとくちサイズの小さいやつにわさび漬けをつけて新幹線の中でつまみにした記憶もありますから、実際はもっと多いはずです。知らず知らずのうちに結構な数のちくわを食べているものですね。まさに摩訶不思議ちくわマジック。

ちくわ天そば
ちくわ天そばば
ちくわ天そば

ちくわ天そば
ちくわ天そばば
ちくわ天そば

ちくわ天そば
ちくわ天そばば
ちくわ天そば

ちくわ天そば
ちくわ天そば
ちくわ天そば
2019年にいただいたちくわ天そば。ほとんどはお品書きに「ちくわ天そば」と表記されていますが、「ちくわそば」の場合もあります。しかしほとんどの場合、ちくわ天が出てきますが、希に本当のちくわそばが出てきます(おかしな表現ですが)。お品書きどおりなので驚くことはないのですが、心底驚きます。(2019年1月〜12月撮影)

 そういえば、いつもお世話になっている日暮里のあの名店で、ちくわ天を食べた記憶がありません。それどころか、ちくわ天があるのかどうかも記憶が定かではありません。ピザ天なんてものまで作ってしまうのですから、ちくわ天がないはずはないのです。なのに、なぜだかオーダーしたことがない。これも摩訶不思議ちくわマジックのひとつでしょうか。

 そうかとおもえば、ちくわ天以外食べなかった(たぶん)立喰・ソもありました。首都高湾岸線西行きの市川PAにあった立喰・ソスタンドです。昔はよく使っていたのですが、すっかりごぶさたで、先日5年ぶりくらいに寄ってみたら、きれいにリニューアルされて幻立喰・ソになっておりました(併設の食堂にソはありますが、ちくわ天はありませんでした)。ここではちくわ天しかトッピングがなかったのであれば、きれいにオチたのですが(のか?)、かき揚げもコロッケもきつねもわかめも月見も一通り揃っていました。なのになぜちくわ天だけ? どうしてなのか記憶がない、摩訶不思議ちくわマジックでした。
 さて、みなさんはどれくらい摩訶不思議ちくわマジックありますか?(無理矢理なシメ)

市川PA
市川PA
いかにもPAの立喰・ソスタンド的なたたずまいでした。この頃は青のりがたっぷりで、なるとまで入っていたんですね。(2002年2月撮影)

市川PA
市川PA
2004年にリニューアルしてお隣の食堂で座って食べる事も可能に。リニューアル後になるとが消えて、青のりも心なしか少なめになっていたようです。衣も多いし。(2011年2月撮影)

市川PA
市川PA
2014年頃は立喰・ソ用のカウンターが撤去されてしまい、強制的?に隣の食堂で食べるように変更になっていました。心なしかちくわ天のクオリティが低下しているようにも見えます。これが行かなくなった原因でしょうか? 久々に訪れたみたら、スタンドは塞がれていました。(2015年4月撮影) 


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2020/08/20掲載