原付二種スクーターブームの立役者の一台でもあるアドレス125。軽快な走りとリーズナブルな価格で通勤、通学ユーザーをはじめ多くの若者の人気を集めたモデルだが、更なる環境、燃費の時代を見据えて2015年3月に新型が登場した。といっても投入されたのは125ではなく、ちょっと小さめの110という排気量を持つアドレス110だった。そしてホイールも14インチと、名称こそアドレス110だが、それまでのアドレスV125シリーズとはまったく違った、新アドレスモデルの誕生だった。
クラストップレベルの軽量ボディといえる97kgの装備重量、そして前後に14インチの大径ホイールを持つ車体に組み合わされたのは、WMTCモード値でリッター51.2kmの燃費性能を誇る強制空冷単気筒112ccエンジンで、6.7kW[9.1PS]/ 8,000rpmの最高出力と、8.6N・m[0.88kgf・m]/6,000rpmの最大トルクを発生していた。
なによりも重要な使い勝手の面では、容量20.6リットルのシート下トランクスペースに、左側に600mml、右側に500mlのペットボトルを1本ずつ収納可能なフロントインナーラック、そして駐輪時に便利なサイドスタンドの標準装備、同様駐輪時にブレーキを掛けた状態を維持できるブレーキロックシステムの採用など、ベストセラーのアドレスならではの使い勝手をさらに発展させていた。
ちなみにそれまでのアドレスV125、2006年3月の発売モデル以降は、台湾の合弁会社で生産されていたが、このアドレス110は、インドネシアのスズキ・インドモービル・モーター社で生産され国内に輸入された。
そして2017年9月、いよいよ原付二種アドレスに“本家”アドレス125の新型が登場する。空冷SOHC2バルブ、単気筒、排気量124cm3のフルスケール版、新設計SEP(SUZUKI Eco Performance)エンジンを、フロント12インチ、リア10インチホイールの足回り、フラットな足元スペースを確保したニューフレームに搭載。「毎日の生活を支える、スタイリッシュスクーター」の開発コンセプトにピッタリのボディデザインも採用しての登場だった。そしてまた、アドレスシリーズの嬉しい“伝統”であるお手軽価格、221,400円(消費税8%込み)というプライスでの発売となった。
2018年3月には、この125アドレスにフルフラットシート仕様がラインナップされている。フラット形状のシート採用で乗りやすさをさらに向上、同時にトランクスペースの容量も向上させた。2018年10月にはカラーリングの変更が行われ、アドレス125、アドレス125フラットシート仕様ともに3色の設定となった。
2019年のマイナーチェンジもカラー&グラフィックの変更のみ(フラットシート仕様はカラーリングの変更のみ)で、各3色のラインナップで構成されるのは変わらない。
今回はインドで生産されている新型アドレス125の国内販売開始により、久々にフルモデルチェンジして新登場。デザインは旧モデルのイメージを受け継ぎながらも、ヘッドライトやコンビネーションランプを一新、リア周りも丸みを増した新デザインとなった。フリクションロス低減などでパワーを落とさず燃費を向上させたSEPエンジンを搭載、始動ギア方式の変更により静粛性を、カムシャフト変更で低中速トルクが向上した。装備面はタンデムバーにもなるリアキャリアを標準装備、シートを開けることなく給油可能で、タンク容量0.3リットル、シート下収納容量は2.6リットルアップした。車体色はパールグレイスホワイト、ソリッドアイスグリーン、マットステラブルーメタリック、マットステラブルーメタリックの4色。
★SUZUKI ニュースリリースより (2025年9月2日)
スズキ、新型スクーター「アドレス125」を日本で発売
スズキ株式会社は、新型スクーター「アドレス125」を9月10日より日本で発売します。
新型スクーター「アドレス125」は、クラシックで都会的なスタイリングを備えた「アドレス」の新型モデルです。先代の街になじむ丸みのあるボディーデザインを継承し、フロントポジションランプ、リヤコンビネーションランプの変更などにより外観を刷新しました。また、シートを開けずに給油できるフューエルリッド付き燃料タンクの採用や燃料タンク容量およびシート下収納の容量を増加したほか、デュアルフロントポケット、デュアルユーティリティフックなど使い勝手の良い装備を充実しています。
エンジンは始動方式を常時嚙み合い式に変更し、始動時の高い静粛性を実現したほか、カムシャフトの変更により、低中速域でのトルクが先代モデルより向上し、力強い走りに貢献しています。また、124cm3空冷2バルブ単気筒SOHCのSEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)エンジン※1を搭載し、スムーズな加速性能と高い燃費性能を両立しました。加えて、取り回しやすさと操縦性を兼ね備えた軽量な新設計フレームを採用しています。
- ●「アドレス125」の主な特長
- デザイン
- ・街になじむ丸みのあるボディーデザイン
- ・曲面と流麗なラインで織りなす洗練されたスタイリング
- ・U 字型に光る特徴的なフロントポジションランプ、リヤコンビネーションランプ
- ・メッキパーツで上質感を演出する立体エンブレム&ヘッドランプリム
- 装備
- ・広くフラットなフロアボード
- ・二人乗りでもゆったり座れるシート ・タンデム走行時グラブバーとしても活用できるリヤキャリアを標準装備
- ・シートを開けずに給油できるフューエルリッド付き燃料タンク ・燃料タンク容量の増加(5.0L⇒5.3L)
- ・シート下収納の容量を拡大(21.8L⇒24.4L)
- エンジン/車体
- ・124cm3 空冷 2 バルブ単気筒 SOHC の SEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)エンジン※1 を搭載し、スムーズな加速性能と WMTC モード燃費 53.4km/L※2 を両立
- ・エンジン始動方式の変更により、先代モデルよりエンジン始動時の高い静粛性を実現
- ・カムシャフトの変更により、低中速域でのトルク向上
- ・取り回しやすさと操縦性を兼ね備えた軽量な新設計フレーム
- ※1 燃費効率を上げ、フリクションロスを低減することにより、パワーを落とすことなく、低燃費を実現したエンジンの 総称です。
- ※2 WMTC モード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果に もとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
- 商品名
- アドレス125(UZ125NEYM6)
- メーカー希望小売価格
- 280,500円(消費税抜き 255,000円)
- 発売日
- 2025年9月10日
- 車体色 パールグレイスホワイト(Q1S)、ソリッドアイスグリーン(QZA)、マットステラブルーメタリック(YUA)、マットブラックメタリックNo.2(YKV)
- 目標販売台数(年間)
- 5,000台
主要諸元
型式車名 | 8BJ-EN11J | |
---|---|---|
address125(アドレス125) | ||
発売日 | 2025年9月10日 | |
全長×全幅×全高(mm) | 1,880×690×1,155 | |
軸間距離(mm) | 1,260 | |
最低地上高(mm) | 160 | |
シート高(mm) | 770 | |
車両重量(kg) | 108 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 53.4(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
53.4(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 2.0 | |
エンジン型式 | AF26 | |
強制空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 124 | |
内径×行程(mm) | 52.5×57.4 | |
圧縮比 | 10.3 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 6.2[8.4]/6,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 10[1.0]/5,000 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | キック・セルフ併用式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 0.8 | |
燃料タンク容量(L) | 5.3 | |
クラッチ形式 | 乾式自動遠心シュータイプ | |
変速機形式 | Vベルト無段変速 | |
変速比 | 1速 | 2.542~0.769 |
2速 | – | |
3速 | – | |
4速 | – | |
5速 | – | |
6速 | – | |
減速比1次/2次 | 2.500/3.250 | |
キャスター(度) | 26°30′ | |
トレール(mm) | 88 | |
タイヤサイズ | 前 | 90/90-12 44J |
後 | 90/100-10 53J | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 機械式リーディング・トレーリング | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム | |
フレーム形式 | アンダーボーン |
※平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応
※主要諸元は道路運送車両法による型式指定申請書の数値です。(シート高を除く)
※1:装備重量は、燃料・潤滑油・バッテリー液を含む総重量となります ※2:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。実際の燃費は、使用環境(気象、渋滞等)や 運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※3:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。 ※4:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。 ※5:エンジン出力表示は、「ps/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。( )内は、旧単位での参考値です。