Facebookページ
Twitter
Youtube

ニュース

室内でバイクイベント!?  ~サイドスタンドプロジェクト、真夏の活動は参加者の体調も考えて~

2度のWGP(GP125)世界チャンピオンを獲得した青木治親が理事を務める公益社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)は、2020年から『パラモトライダー体験走行会』という、身体に機能障がいを持つ方を対象にバイクに乗る体験の機会を設けている。そのパラモトライダー向けのイベントとは別に、SSPの活動を知らしめる『SSPライト』という活動も同時並行的に行っている。


 伝説のライダー兄弟として知られる青木三兄弟の次男・拓磨はテスト中の事故で車いす生活を余儀なくされているが、その拓磨を再びバイクに乗せようというプロジェクトを立ち上げ、2019年の鈴鹿8耐の大勢の観客の前で実際に拓磨がバイクで走行。その成功の後にもっと広く多くの方にも同じバイクに乗る体験を展開していくためにSSPが設立された。2019年9月の設立からこれまで頻繁に『パラモトライダー体験走行会』を開催し、機能障がいを有しながらもライダーに復帰、もしくは初めてライダーとなったパラモトライダーを数多く輩出してきた。またバイクを体験するだけでなく、箱根ターンパイクを貸し切りにして実際に走行を行うパラモトライダーのツーリング企画『やるぜ!箱根ターンパイク』も3年連続で開催してきている。

 しかし、それとは別にこのSSPの活動自体を広く知らしめるためのイベント『SSPライト』も不定期に開催している。『パラモトライダー体験走行会』で使用している車両を会場に持ち込んで、子どもたちをメインにバイクにまたがっての写真撮影や実際にそのSSPの車両に乗ってバイク走行の疑似体験を行ったり、SSPの活動ビデオを流して紹介したり、SSPの広報・啓発プログラムを展開している。

 その『SSPライト』が2025年7月26日(土)に開催された。基本的にSSPの活動はパラモトライダーの身体的な負担や、路面コンディションを考慮し、夏と冬の時期の開催は見合わせていることが多い。その中で今回は真夏の開催となった。というのも今回はSSPの活動として初となる屋内でのイベントとなったため、である。


 会場は神奈川県海老名市にあるイオン海老名店。海老名駅すぐ近くという好立地にあるショッピングモールである。この3Fのイベントスペースを中心とし、3Fの各店舗の前のメインの通路をぐるりと周るルートをコースとして使用。もちろんショッピングモールでの開催であるから、しっかりと空調の効いた屋内で、汗をかくことなく、バイクの走行を楽しめることとなる。

 このイベントに使用する車両は、普段からSSPがパラモトライダー体験走行会で使用している補助輪を装着したバイク。室内なので、エンジンはかけずに、ボランティアスタッフによる手押しでの走行となる。ただし、臨場感も欲しいということでSSPが独自にカスタムを施している。一般公開されているバイクのエンジン音アプリを搭載し、その音をハンドル上に配したスピーカーから流すようにし、さらに振動ユニットを各所に配置。アクセルと連動させ、臨場感を高めた一台となっている。

 夏休みも始まり、週末のイオンへは多くの家族連れが来場し、バイクを感じてもらえる体験を行う場として絶好のタッチポイントとなった。バイクに興味を持った子どもたちらを実際にバイクに乗せ、イオン海老名店の3Fのフロアをほぼ一周するコースを巡回。開店から夕方5時まで、大人も子どもも関係なく55名ほどの参加者がそのハンドルを握って走行した。その走行だけでなく、新たに身体に障がいを持つ方とのつながりもできたりし、告知活動でも成果を残している。


 公益社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)は、この夏の間も継続して『SSPライト』を開催していくということで、日程は順次発表していくことになる。次回は2025年8月4日(月)~6日(水)にかけて神奈川県相模原市にある「アリオ橋本」の1Fイベントスペース「グランドガーデン」で開催される『はてなフェス』で同様のイベントを行う予定だ。

(文・写真:青山義明)

2025/08/01掲載