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期待の阿部恵斗、目標はデビューイヤーでのタイトル獲得!

 アジアロードレース選手権(ARRC)開幕戦が、タイのチャン・インターナショナル・サーキットで行われた。昨年のアジアスーパーバイク(ASB)1000チャンピオンとなったSDG Team HARC-PRO Honda Ph.の國井勇輝がロードレース世界選手権Moto2クラスに参戦することになり、今季はゼッケン1が不在となる。


 國井に代わって同チームから参戦を開始するのが、全日本ロードレース選手権ST600クラスで2連覇を達成した阿部恵斗だ。阿部は「ホンダCBR1000RR-Rに乗ったことがないので、まったく新しい体験になると思います」と語っていたが、全日本開幕前に行われた4月の事前テストではST1000クラスに参加し、全日本勢を押さえてトップタイムを記録していた。

 開幕戦の舞台であるタイのコースは経験がありチームのバックアップもあったが、思うようにアタックできず予選は9番手、3列目スタートとなった。レース1は10周で行われ、追い上げて5位に入る。13周で行われたレース2は追い上げて3位でチェッカーを受け表彰台に上った。レースは、ナカリン・アティラトプヴァパット(HONDA RACING THAILAND)がダブルウィンを飾った。


 阿部は、新たな挑戦に好感触を得たようだ。

「バイクの乗り換えに関しては、メーカーも排気量も違いますが、『タイヤが2つ、サスペンションがついている同じバイク』だと考えるようにして、少しずつ自分のものにできるようトライしていきました。チームも変わりましたが、ライダーファーストで考えてくれて、走ることに集中できる環境でした。ありがたいのは、ハルクチームの先輩ライダーである國井勇輝選手、埜口遥希選手、名越哲平選手、水野涼選手、高橋巧選手たちのデータを持っていること。そこから自分に合うセッティングのアイデアを次々に出してくれます。素早い対応で、いろいろな調整をしてくれます」

 そして、レース2のファーステストラップは優勝ライダーよりも速く、次戦に期待を残した。

「アベレージタイムを上げていくことを重視しているので、予選時間内にタイムアップできず、グリッドが悪すぎました。レース1は周回数が短く、追い上げしきれず5位で、レース2は3周の違いですが、3位に入りました。課題は予選グリッドです。結果には満足できませんが、表彰台に上がれたことで最低限の仕事は果たせたという感じです。アジアのライダーは駆け引きがうまく、レベルがとても高いと感じました。その中で戦うために、次戦では予選グリッドを上げて、序盤からトップ争いをしたいです」

 阿部は、デビューイヤーからタイトルを明確な目標としており、次戦からの巻き返しを誓っている。

 TVS ASIA One Make Championshipに参戦するディフェンディングチャンピオンの尾野弘樹は、1位&3位でレースを終えた。

 次戦は5月30日~31日に、マレーシア・セパンで開催される。

(文・佐藤洋美)







2025/05/15掲載