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EICMA2023 ミラノショー速報 Part2 MVアグスタが復活をアピール、 そして強烈な新興中国ブランド!




 EICMA2023速報、その2は海外ブランド勢を紹介します。とはいっても、BMWやハーレーダビッドソン、それにインディアン・モーターサイクルはブースを出していません。またここ数年、出展を取りやめていたKTMグループは再出展しているんですが、本社は出張ってきておらずイタリアローカルによる出展。トライアンフも昨年同様、ローカル出展です。
 そんななか昨年しれっとEICMAに復帰したドゥカティは今年も参加していて、今回はプレスカンファレンスも復活。ニューモデルを発表しました。またKTMグループとなって初めてMVアグスタもEICMAに参加。大きなブースを構え、プレスカンファレンスも行いました。どうやらKTMグループは、コミュニケーションプランをリアルなモーターサイクルショーじゃない場所に変えたようですが(BMWも。HDやインディアンは??ですが)、新体制となったMVアグスタは、地元イタリアで復活をアピールしたいんだと思います。
 それと今回強烈だったのは、中国勢。新興中国ブランドが大きなブースと派手なプレスカンファレンスを行っていたり、また歴史的なイタリアンブランドの親会社として、さらには自社ブランドからスピンオフした新しいブランドで派手な展開をしていたり、その存在感をガンガンにアピールしています。ここのところの二輪界隈のニュースでは、いかにインド市場に食い込むかというトピックスに溢れていましたが、そこに中国勢とさまざまなブランドとの資本や技術の提携が絡んで、とても複雑で、そして面白い展開になってきました。そんななかで、日本ブランドがどう立ち向かっていくかが興味深いというか、心配というか……では、もろもろ紹介します!

■レポート・写真:河野正士
 

●ロイヤルエンフィールド

 プレスデイ/プレスカンファレンスのトップバッターは、昨年に引き続きロイヤルエンフィールドでした。ここでは、新型「ヒマラヤ」を発表しました。じつはEICMAの約1週間前、ヒマラヤ山脈の麓の街インド・マナリで新型「ヒマラヤ」の国際試乗会があり、僕はそれに参加しました。今後、その原稿も展開しますので、詳細はもう少しお待ちください。
 

 

 
 新型「ヒマラヤ」、すべてが新しくなりました。452ccの水冷DOHCシングルエンジン、新フレーム&サスペンション、新しいボディデザインなどなど。国際試乗会に参加した後にEICMAにも来場したロイヤルエンフィールドCEOのB・ゴビンダラヤンが、『新型「ヒマラヤ」は、アドベンチャーカテゴリーにおける“ブルース・リー”だ』と表現。細身で必要な筋肉だけが付いていて、それでいてデカイ奴らをやっつけちゃうほど強いと。自信満々です。
 

 

 
 それと驚いたのが、電動「ヒマラヤ」のコンセプトモデルが発表されたこと。開発していると聞いていた二輪EVですが、まさかここで、しかも「ヒマラヤ」のボディワークに載っけて出てくるとは……。“この国際試乗会は新しい「ヒマラヤ」の前菜に過ぎない”といっていた理由は、ここにあったんですね。もしかして、まだ違うメイン料理があったりして……。
 

●MVアグスタ

 EICMAに復帰したMVアグスタは、アドベンチャーモデル/XCPの特別モデル「XCP Arioli」を発表。コンセプトは、1990年にカジバ・ファクトリーチームでパリ・ダカールラリーに参加し優勝を果たしたエディ・オリオリが駆ったマシン。XCP用に専用開発した3気筒エンジンを搭載しています。
 

 

 
 2年前のEICMAでMVアグスタは、中国のQJmotorと共同開発した、Lucky Explorer Projectと題した2台のアドベンチャーモデル・コンセプトを発表しました。その後、KTMと資本提携をしてQJとの関係が切れると予想してたのですが……KTMグループとQJグループが手を組んだらその規模は馬鹿デカくなり、想像しただけでも恐ろしいです。
 

●モトモリーニ

 

 

 

 
 2018年から中国のZhongneng Vehicle Groupの傘下で活動するモトモリーニは、大量モデルを発表。姿を消していたVツインエンジン搭載モデルを復活させました。それがネイキッドモデル「Milan」と、アドベンチャーモデル「X-Cape1200」です。
 Zhongneng傘下となり、Zhongnengがラインナップするツインエンジンモデルが主流になっていましたが、モリーニらしいツインモデルの復活です。また新しい排気量750ccのV型2気筒エンジンを搭載したネイキッド(というかアメコミのキャラクター的というか……)「Corsaro 750」と、フルカウル装備のスポーツモデル「Corsaro Sport」は、なかなかにアグレッシブなデザインです。
 

●KOVE

 

 

 

 
 強烈だった中国のKOVE(コヴェという発音で合ってると思います……)。昨年、僕はEICMAでその存在を認識。その直後のダカールラリーに参加し、数台が完走。今年は開発をさらに進め上位進出を目指すと。それにスーパーバイク世界選手権のWSS300クラスにも参戦。今回は、800ccアドベンチャーバイクの「800X」や電動MXer「E-MX」なども発表。知り合いの中国人ジャーナリストに話を聞くと、その勢いや開発スピードは中国でも群を抜いていて、中国人も驚いているとのこと。楽しみな存在です。 

●ベネリ

 

 

 

 
 中国QJmotor傘下となって久しいベネリ。いまや欧州でビッグセールスを記録する、トップブランドとなりました。その人気は、高いデザイン性と品質、そして低価格だとイタリア人ジャーナリストが話してくれました。QJmotorは、このベネリのほか、自社QJブランドとKeewayブランドで、ともに巨大なブースを展開。客入りもメディア入りも好調で、その人気ぶりがうかがえます。スポーツタイプの「TORNADE NAKED TWIN500」や、ネイキッドモデル「BKXシリーズ」は、どれもパンチが効いてます。
 

●CF MOTO

 
 EICMA直前に、ヤマハがCF MOTOに投資するというニュースが飛び込んできて、とても驚きました。だってCF MOTOは自社ブランドのバイクを展開しながら、KTMの工場として、またKTMグループの中国市場展開を担う企業として認知していたので。そのCF MOTOは、新しい450ラリーコンセプトモデルを発表。また675ccの3気筒エンジンも開発中と発表しました。こちらも、勢いがすごいですね。車両紹介は次回に。ちなみにデザインはKTMグループのデザインを手がけるKISKAです。 
 

●YADEA

 
 中国企業のYADEA(ヤディアで合ってると思います……)。電池交換式の電動スクーターを展開する台湾のGogoroと提携し、中国でのGogoroプラットフォーム展開を担っていたのですが……。詳細をつかめてないのですが、自社でも同様の電池交換システムを展開中。これまで小型電動スクーターを数多く展開してきたYADEAが新たに発表したのが新型二輪EV「Kemper」。約6.4kWhのリチウムイオンバッテリーを、急速充電器を使い、約10分で80%までチャージできるといいます。しかもデザインは、KTMグループの全デザインを手がけるKISKAです。
 

●HERO Moto Corp

 

 
 インドの最大手二輪ブランドのヒーローもEICMA復帰です。ドイツの開発拠点を稼働させながら、グローバル市場でもその存在を高くアピールするのが目的。アドベンチャースクータースタイルの「XOOM160」と電動スクーター「VIDA S1 Pro」、それと電動オフロードバイクのコンセプト「LYNK」を発表しました。
 

●ドゥカティ

 

 

 

 
 昨年EICMAに復活したドゥカティ。そのときはパーティデーのみでプレスカンファレンスを行わなかったのですが、今回はやりました。9月頃から7回に分けて展開してきたDWP(ドゥカティ・ワールド・プレミア)の最後を、EICMAドゥカティブースで行ったのです。久しぶりのプレスカンファレンス復活で、会場は大混雑。早めにポジションに着いたものの、撮影できず……でパーティが始まってから潜り込んで、壇上の車両を撮影しました。それが「パニガーレV4SP2/916誕生30周年記念モデル」です。やはりドゥカティにとって916は特別なモデルなんですね。
 
 ということで、速報はこれにて終了。僕は最終日まで取材を続けます。それでは、また。
(レポート・写真:河野正士)
 



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2023/11/11掲載