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レース・イベント

第13回隼駅まつり お帰りなさい!  2300台、2600名が隼の夏を祝う
■2023年第13回隼駅まつり 鳥取県八頭町 船岡竹林公園・若桜鉄道 隼駅 ■主催:隼駅まつり実行委員会 ■文・写真:高橋絵里




4年ぶりの夏開催となった隼駅まつりに、コロナ渦前の熱気が完全に戻った。実に約2300台、約2600名が真夏の特別な思い出作りに集まる。Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、さらに衝撃カラーの25周年特別仕様車もお目見えして、まつりムードは最高潮に。北は北海道から南は九州から、駐輪場を見渡せば47都道府県ナンバーが全部揃いそうな雰囲気。それどころか今年は台湾からの参加も!? 隼駅では、本物のハヤブサが一日駅長に就任してライダー達を迎えた。

 
「皆さん、お帰りなさい!」開会式典で、『隼駅まつり実行委員会』の石谷優会長が歓迎の声を張り上げた。鳥取県八頭町は、数日前まで台風7号の被害を受けた地区であり、実行委員会はまつりの開催について大いに悩んだとのことだったが、「まつりを楽しみにされていた皆様にぜひ八頭町にお越しいただいて、支援と応援の輪が広がってくれればと思い、開催させていただきました」と説明した。

 

 
 午前7時に駐輪場がオープンすると、隼たちが、そして隼以外のバイク達も続々入場した。隼駅まつりは、隼ライダーはもちろん隼ファンを広く歓迎して駐輪場を同じくするので、隼以外に車種も排気量も様々なバイクが並ぶ風景も特徴だ。受付開始の午前9時までゆったりと混乱の無い拡散入場だった。
 駐輪スペースは速やかに埋まり、やがてメイン会場の芝生広場まで広がった。1台ずつに配布される隼ロゴ入りステップホルダーが柔らかい芝生路面で活躍し、記念のお土産にもなる。あちこちで再会の声が上がり、まつりの興奮が甦る。暑い中でも記念Tシャツやキャップの購入に並ぶ長い列。唸りながらブンブン回る強力扇風機。ほてりきった肌にロックアイスのサービスが嬉しい。隼駅まつりは、やはり夏の風物詩だ。
 まつりが始まると、会場は隼を通じてあっという間にひとつになった。参加者の皆さんも、八頭町の方々も、全国から集まったボランティアスタッフも、数々の出展社も、みんなで隼を語り合い、隼を眺め、隼にまつわるプログラムを楽しみ、合間には飲んだり食べたりしながら寛いだ。すべてに共通するのは隼への想いで、隼と一緒に人と人が繋がり、広がってゆく。
(レポート・写真:高橋絵里)
 

恒例の協力体制でまつりを盛り上げたスズキ。ブースでは、限定数販売の隼25周年記念デザインオリジナルTシャツ、オリジナルキャップ、その他オリジナルグッズ販売に朝から長蛇の列ができた。25周年特別仕様車も展示され、実物を間近に誰もが大注目。

 

スズキブース内に『台風7号による被災支援義援金箱』が設置され、募金のお礼として特製バンダナが配られた。閉会式典で来場者からの義援金468312円が、スズキ㈱ 鈴木俊宏社長より吉田英人八頭町長に手渡された。

 

会場内がシンと静まり返って聞き入ったのが、スズキスタッフによる「隼」開発にまつわるトークショー。25周年記念モデルについてのカラー決定秘話、ドライブチェーンに刻印された隼文字の裏話を始め、Ⅰ型誕生のエピソードやⅡ型・Ⅲ型の開発のこだわりなど、隼ファンなら大変興味深い逸話の連続、ここでしか聞けない話題満載だった。
まつり後半のライダー交流会では、『遠くから来たで賞 北編・南編』『私が一番元気だぞ賞・70歳代・60歳代』が選ばれたほか、抽選会やじゃんけん大会で隼グッズや関連商品が多数プレゼントされた。遠くから来たで賞・南編の受賞は、九州と思えばなんと台湾からのお2人だ。司会進行は人気モトブロガーで自身も隼ライダーのRurikoさん。

 

芝生広場はタイヤメ-カー、オイルメーカーなどバイク関連ブース、キッチンカーや地元出店の飲食ブースも並び賑やか。Team KAGAYAMAブースは加賀山就臣氏所有の隼とレーサー鐵隼(テツブサ)の2台を展示して注目を集めた。

 

この日2回目の集合記念撮影。1回目だけ、あるいは2回目だけ写った人、しっかり2回とも写った人など色々。今回のまつりは何故か、時間に拘らず常に入退場者が交錯する状況で、中には最後の閉会式典の最中に入場してくる”時間差”ライダーもいた。
「ご来場ありがとう!」「お気をつけて!」スズキの鈴木社長、スズキ二輪の濱本社長始めスズキスタッフのお見送りもすっかり恒例のシーンとなった。この様子を見ていた参加者の、「スズキの社長さん達も町長も、こんなに暑い中でみんなに手を振ってくれるなんて、本当に感動します。町の活気もものすごいし、毎年ずっと続いて欲しいまつりだね」という言葉が印象的だった。

 

一方、メイン会場からバイクで数分の距離にある若桜鉄道『隼駅』前は、雰囲気いっぱいの駅舎と記念撮影するライダーが、終日絶え間なく訪れた。
隼駅で『一日駅長』を務めた、本物のハヤブサ『ヤズ』ちゃん。大阪のハヤブサ牧場からやって来た生後5か月になるメスだそうで、行き来するライダー達を鋭い眼光で眺めていた。

 
 

若桜鉄道を走る『隼ラッピング列車』も元気に定時運行、隼駅に到着するとみんな大喜びで写真や動画撮影に大騒ぎ。

 

●ハヤブサ「推し」ライダー達

北海道から参加の『亀ちゃん』さん、この日みごと『遠くから来たでしょう・北から編』に輝いた。「USスズキ50周年記念の隼に8年乗ってます。フロントのカーボン『クロマテック』が気に入ってます。隼を通じて初めて会う人ともすぐ仲良くなって盛り上がるのが楽しい!」

 

「隼の全部が好き。隼以外の自分は想像できない。クルマもスズキです、スズ菌に感染してます!」という『こるふぁん』さんは長野県から。「途中、琵琶湖のメタセコイア並木や『あのベンチ』に立ち寄って来ました。隼はどこにでも連れていってくれる最高の相棒です」
九州福岡から隼駅には実に16回目という『もりけん@福岡』さん、愛機は多くの思い出を共有する初期型。SHOEI X-fifteenの、まだリリースされない加賀山カラーを待ちきれず「加賀山さんに許可を頂いて」レプリカイメージで自主製作。「きのう出来上がってきました!」

 

大阪からご主人と参加の三浦和美さん。「息子が『隼がカッコいい』と言っていて、主人もバイク乗りで、私も一緒に大きいバイクに乗りたい!と大型二輪免許を取りました。隼は7年目、Ⅱ型からⅢ型に乗り換えたらとてもラクで、女性にもオススメです!」
栃木県の『クマエモン』さんは隼歴2年、そして隼駅まつりに嬉しい初参加。「知人の買い物の付き添いでショップへ行って、中古車で出ていたこの隼に一目惚れして買いました。まつりのあとは舞鶴からフェリーで北海道に行きます。知床まで行きたい!」

 

「隼に乗って16年、駅まつりは第3回目から来ています」という『IYUKI』さんは神奈川県から。「隼独自の『アルティメット感』が決め手でした。とにかく走って楽しい、どこでも走れるしどこにでも行ける、隼の代わりになるバイクは他にないです」
25周年特別仕様車でアツイ視線を浴びた兵庫県の『隼』さん。「2回目の抽選で当たって、ショップの方にマフラー交換など急いで間に合わせてもらい、先週納車でした。Ⅱ型から乗っていますが、やはりⅢ型は凄いです。今日はキャップとTシャツをゲットします!」

 

岐阜県から来場、初期型を愛する『うー』さん。「Ⅰ型の形が好きです。ちょっと地味だけどそれが目立つ色も愛着があります。乗りやすく、初心者にもベテランにも大丈夫な大型バイク。スズキさんの『10年、20年、50年でも乗って下さい』のメッセージに感動しました」
Ⅰ型乗り、大阪府の小川貴生さんはまつり初参加、Ⅰ型オーナー限定じゃんけん大会でスペシャル隼Tシャツをゲットした。「隼はずっと憧れていて、30代になりバイクリターンして手に入れて、SNSで隼駅祭りの情報を知って。今日は最高に楽しかったです!」

 

隼駅まつり恒例、参加者全員で芝生広場に描いた「隼」の人文字をドローンが空撮。炎天にも負けず、みんな笑顔で手を振った。●写真提供:隼駅まつり実行委員会


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2023/08/30掲載