ホンダの本気
NS250Rで2ストレプリカウォーズに参戦したホンダが、ワークスレーサーNSR250のノウハウをフィードバックして製作した、というよりも公道版として同時製作されたレプリカNSR250R。レーサーよりもRが一つ多いところにもホンダの本気具合が表れているようで、デビューと共にサーキット、峠はNSRだらけとなった。ライバルメーカーは進化と共にエンジンレイアウトも変化していった中、NSRは中味こそ進化したものの基本的にはボア54mm、ストローク54.5mmのVツインエンジンを最後まで貫いた。
1986年10月 HONDA NSR250R(MC16)
ホンダ2ストの第三世代がNSR250R。WGP250クラスを制したワークスレーサーNSR250と基本構造は同等で、排気デバイスRCバルブ付1軸クランクの水冷90度Vツインエンジンを、NS250Rより20kgも軽い、目の字断面アルミツインチューブダイヤモンドフレームに搭載。フロントフォークはφ39mm、リアショックはドカルボン式のプロリンクに、S字断面のフロント17、リア18インチのスポークホイールを組み合わせた。乾燥重量125kgはクラス最軽量。翌年3月にテラカラーをイメージしたテラブルー×ロスホワイトを追加。
NSR250R ファイティングレッド×ロスホワイト
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc (54×54.5mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.6kg-m/8500rpm ●全長×全幅×全高:2035×705×1105mm ●軸距離:1360mm ●乾燥重量:125kg ●タイヤ前・後:100/80-17・130/80-18 ●車体色:ファイティングレッド×ロスホワイト ●発売当時価格:559000円
1987年3月 HONDA NSR250R(MC16)
全日本に参戦する清水、小林選手のNSR250 AJINOMOTO TERAレーシングカラーをイメージしたテラブルー×ロスホワイトを追加。主要諸元、価格に変更はない。
NSR250R(MC16) テラブルー×ロスホワイト
1988年1月 HONDA NSR250R(MC18)
1988年モデルは、量産二輪車としては世界初のコンピュータで制御されるPGMキャブレターと、PGM/CDIイグニッションシステム、排気デバイスもRCバルブ2に進化した。カセット式ミッションなども新たに採用。フレームも異形5角断面アルミ材で新設計となった。新デザインの6本スポークホイール、異形4ポッドキャリパーなど足周りも一新、小型のハロゲンヘッドライト、丸形ツインテールライトなどでスタイリングも一新してフルモデルチェンジ。
NSR250R ファイティングレッド×ロスホワイト
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc (54×54.5mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.8kg-m/8000rpm ●全長×全幅×全高:1985×640×1105mm ●軸距離:1355mm ●乾燥重量:127kg ●タイヤ前・後:110/70-17・140/60-18 ●車体色:ファイティングレッド×ロスホワイト、テラブルー×ロスホワイト ●発売当時価格:579000円
1988年3月 HONDA NSR250R SP
1988年モデルをベースに、量産市販車としては世界初となるマグネシウムのホイールにラジアルタイヤを標準装備とし、約1.5kg軽量化と慣性マスの集中化を図ったロスマンズカラーのSP仕様を、世界選手権鈴鹿ラウンド記念仕様と銘打って発売した。
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒 ●総排気量(内径×行程):249cc (54×54.5mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.8kg-m/8000rpm ●全長×全幅×全高:1985×640×1105mm ●軸距離:1355mm ●乾燥重量:126kg ●タイヤ前・後:110/70-17・140/60-18 ●車体色::セイシェルナイトブルー ●発売当時価格:660000円
1989年2月 HONDA NSR250R
電子制御システムがバージョンアップし、PGMキャブレター2、PGM-CDI2、PGM-RCバルブ2に。アイドリングの安定性、高速域のレスポンスの、急激なアクセル操作への対応などが向上した。カウル形状はスラントノーズタイプとなり、キャスター角の変更、ショートホイールベース化、リアにサイズアップされたラジアルタイヤの採用など各部の熟成化が行なわれた。
NSR250R ブラック×シードシルバーメタリック
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc (54×54.5mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.8kg-m/8000rpm ●全長×全幅×全高:1980×650×1060mm ●軸距離:1345mm ●乾燥重量:131kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-18 ●車体色:ロスホワイト×テラブルー、ブラック×シードシルバーメタリック ●発売当時価格:599000 円
1989年4月 HONDA NSR250R SP
1989年モデルをベースに、乾式クラッチ、マグネシウムホイール、減衰力可変機能付き前後サスを追加装備してWGP250のテラカラーをイメージした専用色としたSP仕様を3000台限定で発売。5月にはスタンダードモデルのNSR250Rの新色、ファイティングレッド×ロスホワイトを追加した。消費税導入により以下価格はすべて税抜きで表示。
NSR250R SP ロスホワイト×テラシルバー×ノーベンバーシルバー
NSR250R ファイティングレッド×ロスホワイト
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc (54×54.5mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.8kg-m/8000rpm ●全長×全幅×全高:1980×650×1060mm ●軸距離:1345mm ●乾燥重量:132kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-18 ●車体色:ロスホワイト×テラブルー ●発売当時価格:689000 円
1990年2月 HONDA NSR250R (MC21)
シリンダー、シリンダーヘッド、クランクケース、クランクシャフトなどを変更してエンジン内部を一新。PGMは3に進化し、フロントフォークはカートリッジ式、スイングアームはガルアームに。ヘッドライトは薄型のデュアルヘッドライトでイメージも一新。シート下には小物入れも増設された。
NSR250R ロスホワイト×ファイティングレッド
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc (54×54.5mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.7kg-m/8500rpm ●全長×全幅×全高:1975×655×1060mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:132kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:ロスホワイト×ファイティングレッド、ロスホワイト×テラブルー ●発売当時価格:609000 円
1990年4月 HONDA NSR250R SP
1990年モデルをベースに乾式クラッチ、マグホイール、減衰力可変機能付き前後サスを追加した2500台限定のSP仕様を追加。スタンダードモデルのNSR250Rは4月上旬に新色のパッションレッド×ブラックを追加。
NSR250R SP ファイティングレッド×ロスホワイト
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc(54.4×54.5mm) ●最高出力: 45ps/9500rpm ●最大トルク:3.7kg-m/8500rpm ●全長×全幅×全高:1975×655×1060mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:133kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:パッションレッド×ブラック ●発売当時価格:719000円
1990年12月 HONDA NSR250R SP
1990年のSP仕様をベースに、伊藤真一選手が全日本500ccクラスでチャンピオンを獲得したペンタックスホンダをイメージしたカラーリングの記念モデルを1500台限定発売。スタンダードモデルのNSR250Rは1991年1月頃に新色のブラック×ヘビーシルバーメタリックを追加。主要諸元、価格に変更はない。
NSR250R SP ロスホワイト×ファイティングレッド
NSR250R ブラック×ヘビーシルバーメタリック
1991年5月 HONDA NSR250R SE
SP仕様のマグホイールを省略して、価格を引き下げたSEを新たに設定。
HONDA NSR250R SE ロスホワイト×ファイティングレッド
●エンジン:水冷2ストロークV型2気筒クランクケースリードバルブ ●総排気量(内径×行程):249cc (54×54.5mm) ●最高出力:45ps/9500rpm ●最大トルク:3.7kg-m/8500rpm ●全長×全幅×全高:1975×655×1060mm ●軸距離:1340mm ●乾燥重量:134kg ●タイヤ前・後:110/70-17・150/60-17 ●車体色:ロスホワイト×ファイティングレッド ●発売当時価格:649000円
1992年1月 HONDA NSR250R
1992年モデルは、流行のブラッシュ模様にグラフィックを変更。車体色はロスホワイト×リアルブルーのみとなった。主要諸元に変更はない。価格は620000円にアップ。
1992年1月 HONDA NSR250R SP
1992年のSP仕様のロスマンズバージョンを1500台限定発売。主要諸元に変更はない。価格は730000円にアップ。
1992年1月 HONDA NSR250R SE
SEもブラッシュ模様の新グラフィックに変更。スタンダードモデルのNSR250Rは1色のみとなったが、SEは2色のラインアップに増加。主要諸元に変更はない。価格は660000円にアップ。
NSR250R SE ロスホワイト×ファイティングレッド
NSR250R SE ブラック×ファイティングレッド
1992年7月 HONDA NSR250R SP
1992年モデルのSP仕様に、全日本のワークカラーを施して900台を限定発売。主要諸元に変更はない。価格は777000円。
NSR250R SP ロスホワイト×ファイティングレッド
[青春のQ2カタログその10 YAMAHA 水冷編-2| その11 HONDA 水冷編-2 |その12 Kawasaki編]