全日本ロードレース第3戦オートポリス2&4が開催された(5月21日~22日)。二輪はJSB1000のみの土日で2レースが行われた。最高峰クラスのJSB1000に昨年、前人未踏の10回目のタイトルを獲得したヤマハファクトリーの中須賀克行が参戦し今シーズンも連勝中なのだが、その中須賀が子供たちを対象に『夢教室」』を実施した。
北九州出身で、現在も北九州で暮らす中須賀にとって、オートポリスは地元だ。中須賀は、2007~08年の鈴鹿のレースクィーンだった佳代子さんとの間に3人の男の子の長男・輝斗(らいと・12)、次男・遥翔(はると・9)、三男・慶仁(けいと・6)の父親でもあり、中須賀のレースを家族で応援に駆け付け、子供たちが中須賀と表彰台に登る姿は、馴染みのあるものだった。
だが、近年は家族の姿がなく、中須賀は「子供たちが野球を始めて、週末は、練習や試合がありスケジュールが合わなくなって、来られなくなった」と語っていた。その中須賀が、輝斗が「将来の夢は野球選手」と聞き、同じように夢を追い掛けている野球仲間を応援したいと考え、ヤマハやオートポリスの協力を得て輝斗の野球仲間親子22名を招待することになった。
中須賀が10回目のタイトルを決めた記念のチャンピオンTシャツを着込み、サイン入りのヤマハキャップを被った親子を前に「プロのライダーもプロ野球選手になることも難しいことだが、自分も諦めずにここまで来た。努力し続ければ夢は叶う」と挨拶。その後、子供たちから寄せ書きをもらい、中須賀は激励を受け、笑顔を見せた。
ファースト・3番打者として活躍する輝斗は「野球が好きなのは、打たないと勝てないところ。野球チームはホークスを応援しています。家にいる父は、のんびりしているけど、サーキットでは、真剣で大事なところで必ず勝つ、カッコ良いと尊敬しています。父の集中力を見習いたい。仲間を招待してくれて嬉しかった。諦めずにプロ野球選手を目指したい」と語った。
親子はパドックやピットを見学しレース観戦を楽しんだ。その声援を受け中須賀はダブルウィンを飾り、昨年の全戦全勝から連勝記録を16と伸ばした。
(レポート:佐藤洋美)