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第12回 XR100モタード純正マフラーを付けます その1

暫定ダウンマフラーのまま3年乗りました

「次回はバルタイ計測を」と書いたきりまた数ヶ月が……。バルタイ測定の方は置いときまして(そのうちやらせていただきます)、マフラーを作ったので、今回はそれをレポートいたします。作ったと言っても、XR100モタード純正マフラーをXLR80R改50改80に付くように加工したというレベルなんですけどね。

 これまで付けていたマフラーは、エイプ100純正となります。元々がアップマフラーとなるXLRにダウンマフラーを付けていました。なぜダウンマフラーを選んだかというと、車体だけを譲ってもらったXLR80Rには純正のマフラーは付いておらず、たまたま持っていたエイプ100純正マフラーがステーを作るだけで装着できたから……、となります。

 「エイプ純正マフラーは暫定仕様、いずれアップマフラーにしよう」と思っていたのですが、いろいろ知識が増えていく内に、それが結構面倒なことだと気付きました。ボルトオンはもちろん、小加工で付くであろうマフラーがないのです。

 普通に考えればXLR80RなんですからXLR80R純正マフラーが付きそうなものですが、自分のXLR80Rにはエイプ50のエンジンを搭載してまして、試してはいないので断定はできませんが、ボルトオンで装着できない可能性が高いのです。

 その理由は、シリンダーハイトがXLR80Rよりもエイプ50の方が低く、その分シリンダーヘッドの排気ポートの位置も低くなってしまっているから。XLR80Rのシリンダーを実測したことが無いので正確な数値は分かりませんが、ストロークが同じエイプ100と同じだと仮定すると、エイプ50とのシリンダーハイトの差は20mm強。それだけ違うとボルトオンで装着できるとは思えません。

 そんなワケで、アップマフラーにしたいという思いはあるものの、暫定で取り付けたエイプ100純正ダウンマフラーのまま3年が経過してしまいました。

加工前提ならXR50モタード純正が狙い目だったかも?

 とはいえ、この3年の間にアップマフラーにする「計画」をいろいろと立てて妄想してはいたんです。さらに言えばそれを実行するために「ブツ」の入手も行ってきました。ただその計画を実行しないままだったんです。そんな妄想した計画は、今思い出せるものとしては以下の4つとなります。

1.XLR80R純正マフラーをベースに改造する
2.XR80R(XR100R)純正マフラーをベースに改造する
3.XR50モタード用マフラーをベースに改造する
4XR100モタード用マフラーをベースに改造する

 1と2は、現在では新品の供給が終わっていて、流通しているのは中古のみ。その中古価格相場は、ある程度の状態であれば、そこそこお高いお値段。生産台数も少なかったXLR80Rの純正マフラーは、現存数も少ない(貴重ともいう)と思われるので、それを加工前提で使うのはもったいない気がして実行には至りませんでした。

 3のXR50モタード用なら、エンジンが同じなのでシリンダーハイトの問題はクリアされます。つまり最も小加工で流用できるはず。社外品も視野には入れていましたが、アップマフラーの中古がほぼ流通しません(加工前提なので、新品購入は考えてません)。ということで純正の中古を探しました。

 ネットオークションでXR50モタード純正マフラーとして出品されていたのを見つけ、競ることも無く安価で落札できたのですが、問題が……。なんと届いたものはXR100モタード純正マフラーだったのです。問い合わせてみると、出品者が50用として買い取ったもののようで、確認せず出品したそう。自分も写真でしっかり確認していなかったし、安かったんで「まぁ、いいか」と、4のXR100モタード純正マフラーを改造する計画に、なりゆきで決定しました。

XLR80RにXR100モタードマフラーは相性悪し

 なりゆきで手に入れたXR100モタード純正マフラーをXLR80R改50改80に当てがってみました。シリンダーハイトの問題はあるものの同じ縦型エンジンであり、フレームにしてもメインの骨格は同一です。それなりには形になってくれるはず……と期待していたのですが、現実はそんなにアマくなかったです。

 ヘッド側は口金が排気ポートの窪みにしっかりと差し込むことができず、サイレンサー側のステーはフレームの取り付け穴との間に大きな隙間が出来てしまいます。
 その原因となっているのが、XLRのフレーム(シートステー?)に備わる、サイドカバーをボルトで固定するステー。そのステーがXR100モタード純正マフラーのパイプが通るラインと見事に一致していて、ヘッド側もサイレンサー側もマフラーを車体に固定できなくしているのです。このステーの位置とエキパイの通り道が一致していなければ、すんなりと装着できたと思われます。

 貴重かどうかはともかく、希少ではあるXLR80Rですから、車体側のステーを切り取ってマフラーを付くようにするワケにはいきませんので、マフラー側を加工することにします。パイプの通り道を変更する、つまりパイプのレイアウトを変更することになるので、純正マフラーの加工としては結構面倒な部類に入る作業となります。

 残念ながら入手していないので未確認ではありますが、シリンダーハイトが同じXR50モタード純正マフラーだったら、もしかするともう少し簡易な加工で済んだかもしれませんが、材料となるXR100モタード純正マフラーが手元に来てしまったのだから、これを付くようにしてやるしかありません。

 その加工のレポートまでお伝えしようと思って書き始めたんですが、まだまだ長くなりそうなので、今回はここで終了します。XLR80Rという非常にマイナーなバイクに、本来のものとは違うエイプ50エンジンを搭載しているというレア過ぎなケースなので、誰の役にも立たない作業レポートになりますが、次回もよろしくお願いします。

XLR80R
XLR80Rに乗り始めて丸3年が経過し、その間の走行距離はほぼ1万kmに達しました。その間、装着していたマフラーがダウンタイプとなるエイプ 100純正。ご覧のように車体とのフィット感が微妙で取って付けた感は強いものの、自分的には気に入っておりました。
アップマフラー
アップマフラー化に向け入手したのは、XR50モタード純正としてネットオークションに出品されていたけど、実はXR100モタード純正だったという逸品(笑)。タクマー(大昔のペンタックスのレンズ)の絞り開放で撮った写真のため、ボケボケでスミマセン。

XLR80R
てんこ盛りの純正ヒートガードが車体の各部に干渉するので、外せるものは全て外して車体にフィッティングしてみたところとなります。装着してある風の写真を撮るために小細工をしてあるだけで、ヘッド側もサイレンサー側も本来の付くべきところに収まっていません。
XLR80R
まずはヘッド側。パッと見は組み込めていそうですが、ヘッドの排気ポートの窪みに口金がなんとか引っかかっているだけで、正常な取り付け角度で付いていません。そのため口金が奥まで差し込めず、フランジをスタッドボルトに組み込むことができない状態です。

XLR80R
サイレンサー側は、フレームの取り付け穴までサイレンサーステーの2つあるネジ穴のどちらも届かない状態です(真後ろから見ると左右方向の位置もあってません)。仕方がないので、たまたま付けていた荷かけ用のゴム紐で、無理くり吊った状態にしてあります。
XLR80R
XR100モタードの純正マフラー装着を拒んでいるのが、XLR80Rのフレームに付くサイドカバー用ステー。これがちょうどエキパイの通り道にあるのです。さらにはエキパイ側にもヒートガード装着用のステーが付いていて、両方が見事に干渉しあっています。

XLR80R
サイドカバーステーに遮られ、本来より低い位置をパイプが通るためなのか、それともシリンダーハイトが低いせいなのかは、この時点では不明なのですが、クランクケースとも接触した状態です。次号はこれら問題部を切った貼ったで解決し、アップマフラーを完成させます。
XLR80R
ツボ8(戸籍上は坪内英樹):主に四輪誌などで活躍中のフリー・ライター。二輪免許は小型限定しか持っていないという筋金入りのG2(原付二種)フリーク。趣味はスクリューマウントのスーパータクマ―レンズを装着したEOS7Dでの写真撮影。ここでのレポート用写真も同セットで撮影しているので、ピンがアマい。ちなみにレポートは滞っていたが、XLR80R改50改80の方はキャブを変更するなどレポートのネタは溜まっているようだ。


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2022/05/23掲載