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新車プロファイル2021
2021年に発売された新車の情報ページです

HONDA Gold Wingシリーズが使い勝手の向上とカラーバリエーションを変更

Gold Wingシリーズが使い勝手の向上とカラーバリエーションを変更




Honda Gold Wing/Gold Wing Tour 車両解説

 ホンダのフラグシップ、ゴールドウイングシリーズの歴史は長い。1974年に水平対向4気筒SOHC2バルブ、排気量999ccエンジンを搭載してのデビュー以来なので、なんと45年。その歴史だけで本が1冊出来てしまうほどだが、ざっと紹介しておくと、1980年にエンジンを1,085ccへとアップ。さらに1984年には水平対向4気筒時代の最大排気量となった1,182ccまで拡大。1988年にはフルモデルチェンジにより、エンジンも水平対向6気筒SOHC2バルブ、排気量1,520ccへと発展。この1500時代から国内の型式認定を得て国内でも発売が開始されている。

 1980年の1,085cc時代から、生産は米国のホンダ拠点であるホンダ・オブ・アメリカ・マニファクチャリング(HAM)で行われ、海外生産車両を輸入販売する魁けとなった。また同時にクルマの方でもスペシャリティーカー「アコードクーペ」(アコードの派生機種)を日本に輸入販売したことで話題となっている。2011年10月以降、ゴールドウイングの生産は、国内に戻され、熊本製作所が生産にあたっている。

 その後ゴールドウイングは、国内でもほぼ毎年イヤーモデルとして販売されてきている。1990年にはアメリカでの生産10周年を記念した特別仕様車を発売。1994年にはゴールドウイングの20周年を記念した特別仕様車も発売している。1996年にはゴールドウイングをベースに本格的なクルーザーとしたワルキューレを発売。このモデルは2001年モデルまで継続発売された。

 2001年8月、水平対向6気筒SOHC2バルブエンジンの排気量を1,832ccまでアップした1800ゴールドウイングの時代が始まる。三元触媒の「Honda Evolution Catalyzing System 3」(HECS3)を採用して世界最高水準の環境性能を実現、フレームも新設計のアルミフレームを採用。そして国内専用仕様として、量産二輪車世界初の電動式光軸調整機能付のディスチャージ式ヘッドライトや、間欠機能付電動ワイパー、Honda Ignition Security System(H・I・S・S)という盗難抑止システムなどを採用していた。

 1800時代もほぼ毎年イヤーモデルが登場したが、2004年には、低価格設定のゴールドウイングUSパッケージをタイプ設定。通常モデルが3,150,000円のところUSパッケージは2,614,500円だった。2005年にはゴールドウイング30周年記念モデル。2007年には二輪車用エアバッグシステムを搭載したタイプを追加設定。2008年にはビルトインタイプのナビゲーションシステムを導入。また、2004年にはゴールドウイングの水平対向6気筒エンジンを搭載するメーカー純正カスタムマシンといえるRUNEが発売されている。2012年12月発売の2013年モデルでは、車体色に新たにデジタルシルバーメタリックを採用したモデルを追加、従来からのパールフェイドレスホワイトに加え2色の展開となっていた。

 2013年2月には、ゴールドウイングのユーザー層を拡大するために、若い世代にも受け入れられそうなロー&ロングフォルムのスタイリングと、軽量化、そしてなによりコストダウン努力により、頑張れば手の届く価格設定としてゴールドウイング F6Bが発売された。ゴールドウイングシリーズの一員でありながら200万円を切るプライス(199万5千円)での登場は大いに話題となった。ただ2013年12月のカラーチェンジを期に、価格が若干ながら上がって200万円を超えてしまったのは残念。

 また2014年4月には、ゴールウイングシリーズのさらなるバリエーションモデルとして、F6Bの兄弟車といえるF6Cが登場している。2013年の東京モーターショーに登場した“マッスルクルーザー”だ。ゴールドウイングシリーズの水平対向6気筒、1832ccエンジンと基本骨格を継承、フロントからリアにかけて流れるように下がっていく“トライアングルフォルム”のクルーザースタイルを特長としている。ゴールドウイングに比べ75kgの軽量化と、価格もF6Bの登場時と同様、200万円を切る199万8千円の低価格設定だった。

 同じ年の11月、ゴールドウイングの発売40周年を記念した特別仕様車、ゴールドウイングSEも登場している。同時にゴールドウイングシリーズの本体も2015年モデルとなった。ゴールドウイング SEシリーズは、キャンディープロミネンスレッドとグラファイトブラックの専用ツートーンカラーが採用され、フレーム、前後ホイール、マフラー、ロアーカウルをブラックとしたモデルで、各所に40周年を記念したエンブレムなどが採用されて登場したが、ゴールドウイング本体の2015年モデルも、その記念エンブレムを前後に採用して、キーも記念エンブレム付のキーとなった。

 2015年の11月には、ゴールドウイングシリーズに新色「キャンディープロミネンスレッド」を設定、継続色の「パールグレアホワイト」との2色を用意したほか、「ベビーグレーメタリック-U」という40周年記念モデルで好評だったツートーンカラー車も設定、全3色のカラーラインナップとした。

 2016年10月に登場した2017年モデルでも、カラー設定の変更のみで、新色として「グリントウェーブブルーメタリック」のツートーンカラーを設定。上質感のある「パールグレアホワイト」と、迫力のあるスタイルをより際立たせる「キャンディープロミネンスレッド」2色のソリッドカラー、高級感のある「ベビーグレーメタリックU」を継続色とし、全4色のカラーバリエーションとなっていた。

 2018年4月のフルモデルチェンジでゴールドウイングは、第6世代へ発展することとなった。水平対向6気筒エンジンという基本形式こそ変わらないものの細部まで見直しを行い、重量の軽減、コンパクト化を図りながらも、新たにシリンダーヘッドにユニカム方式を採用したというのが最大のポイントだろう。従来のシリンダーあたり2バルブから4バルブへと変更し、燃焼効率の向上、フリクションの低減も図りつつパワー、トルクともに向上させている。

 車体周りもバイク本来の走りを楽しむという開発テーマから大幅な軽量化とコンパクト化が図られたが、何より最大の特徴といえるのがフロントに採用されたダブルウイッシュボーンサスだろう。現在、ほとんどのバイクで採用されているテレスコピックサスは、シンプルで効率の良さが売りだが、超重量級のモデルに対しては摺動抵抗の大きさが目立つようになってしまう。そこで取り入れたのが、路面からのショックを吸収する機能と転舵機能とを役割分担させることができるダブルウイッシュボーンサスの採用だった。

 さらに新型ゴールドウイングの特徴として、DCT(Dual Clutch Transmission)搭載タイプの存在がある。それも第3世代のDCTとして、長距離の高速ツーリング等を想定した7速化と、左手のボタン一つで微速前後進機能が働く“ウォーキングモード”を搭載した最新のDCTシステムを搭載したモデルを設定したことだ(通常のマニュアル6速ミッションモデルの設定も有り)。この新世代のフラッグシップモデルは、4月2日からホンダの新販売チャンネル“Honda Dream”で販売されている。

 2020年2月には、Gold Wingモデルの左側サドルバッグ内にUSBコネクタを標準で装備。Gold Wing Tourでは、前後のサスのセッティングを最適化することでより上質な乗り心地を追求。同時にリアグリップの形状を変更することでパッセンジャーの安心感を高めている。また、Gold Wing Tour Dual Clutch Transmission<AIRBAG>では、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)とデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)のセッティングも変更された。

 カラーは、Gold Wingでは、精悍な印象の「マットバリスティックブラックメタリック」を新たに採用。継続色のマットマジェスティックシルバーメタリックと合わせて全2色の設定に。Gold Wing Tourでは、スポーティーな印象のストライプを施した「パールグレアホワイト(ストライプ)」を新たに採用。継続色の「ダークネスブラックメタリック」、「キャンディーアーダントレッド」、「パールグレアホワイト」と合わせ全4色の設定に。また、Gold Wing Tour Dual Clutch Transmission<AIRBAG>には、上記の「パールグレアホワイト(ストライプ)」と、高級感を醸し出す「ダークネスブラックメタリック(ツートーン)」を新たに採用し、継続色の「キャンディーアーダントレッド(ツートーン)」、「パールグレアホワイト」と合わせ全4色の設定となっていた。

 今回は、使い勝手や快適性の向上と、カラーバリエーションの変更、そしていよいよトランスミッションがDual Clutch Transmission(DCT)モデルのみへと変更された。

 ちなみに使い勝手の向上では、リアトランクをフルフェイスが2個入る容量61リットルへとアップ(従来は50リットル)、パッセンジャーシートの背もたれを17度から24.5度へと寝かせるとともに30mm高くしている。また、LEDフォグランプを標準装備、55Wのスピーカーの採用などが行われている。
 

Gold Wing Tour。新色「キャンディーアーダントレッド」。
Gold Wing Tour。新色「ガンメタルブラックメタリック(ツートーン)」。

 

Gold Wing Tour。継続色「パールグレアホワイト」。
Gold Wing。「マットバリスティックブラックメタリック」。

 

★ホンダ ニュースリリースより (2021年1月29日)

「Gold Wing」シリーズの商品魅力を向上させるとともにカラーバリエーションを変更し発売

 Hondaは、モーターサイクルとしては唯一※1となる水平対向6気筒1,833ccエンジンを搭載した、大型プレミアムツアラー「Gold Wing(ゴールドウイング)」シリーズの使い勝手や快適性を向上させ、カラーバリエーションを変更するとともに、トランスミッションをお客様から好評のDual Clutch Transmission(DCT)のみとし、Honda Dreamより2021年2月25日(木)に発売※2します。

 今回、Gold Wing Tourのリアトランク容量を、従来の50L※3からフルフェイスタイプのヘルメット2個相当※4の61L※3に拡大することで使い勝手を向上させました。
 また、パッセンジャーシートの背もたれ部分を、リアトランクの形状変更に伴い17度から24.5度に寝かせるとともに30mm高くすることで、パッセンジャーの快適性を向上。
 さらに、従来、純正アクセサリーとして設定されていたLEDフォグライトを標準装備することで、存在感のあるプロポーションをより引き立てました。

 また、Gold Wing Tour、Gold Wingともに55Wスピーカーを採用※5。イコライザーの設定変更による音質の追求と、音量の車速感応式自動調整レベルを最適化することで、走行中でも臨場感のあるサウンドを実現しました。

 なお、従来モデル※6において、ソフトウェアのアップデートにより使用可能だったAndroid Auto※7を標準採用とすることで、利便性を向上しています。

 カラーバリエーションは、Gold Wing Tourに、高級感を醸し出すキャンディーアーダントレッド(ツートーン)と精悍なガンメタルブラックメタリック(ツートーン)を新たに採用し、継続色のパールグレアホワイトとあわせた、全3色を設定。
 Gold Wingは、継続採用のマットバリスティックブラックメタリック1色の設定としています。

 ※1 Honda調べ。2021年1月時点
 ※2 受注生産車
 ※3 Honda調べ
 ※4 ヘルメットの形状によっては入らない場合がございます
 ※5 Gold Wing Tourは前後各2個、Gold Wingは前側のみ2個
 ※6 対象モデル型式:2BL-SC79/SC79
 ※7 ご利用に際しては、Android 5.0以上のAndroid端末とAndroid Autoアプリのインストール、市販のバイク用Bluetoothヘッドセット(別売)との接続が必要です。アプリの利用や通信料金はお客様の負担となります。Android Autoの詳細な情報については、公式サイト(https://www.android.com/auto/)をご確認ください。
【商標・登録商標について】
 Android、Android Autoは、Google LLCの商標または登録商標です
 Bluetoothは、米国Bluetooth SIG ,Inc.の登録商標です

 

●販売計画台数(国内・年間)
シリーズ合計 500台
 
●メーカー希望小売価格
Gold Wing 2,948,000円(消費税抜き本体価格 2,680,000円)
Gold Wing Tour 3,465,000円(消費税向き本体価格 3,250,000円)
※価格(リサイクル費用含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません

 

主要諸元

車名型式 2BL-SC79
Gold Wing〈Gold Wing Tour〉
発売日 2021年2月25日
全長×全幅×全高(m) 2.475〈2.615〉×0.905×1.340〈1.430〉
軸距(m) 1.695
最低地上高(m)★ 0.130
シート高(m)★ 0.745
車両重量(kg) 366〈389〉
乾燥重量(kg)
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※8 27.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※9
17.7〈18.2〉(WMTCモード値★ クラス3-2 1名乗車時)※10
登坂能力(tanθ)
最小回転半径(m) 3.4
エンジン型式 SC79E
水冷4ストローク水平対向6気筒SOHC4バルブ
総排気量(cm3) 1,833
内径×行程(mm) 73.0×73.0
圧縮比★ 10.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 93[126]/5,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 170[17.3]/4,500
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)
始動方式★ セルフ式
点火方式★ フルトランジスター式バッテリー点火
潤滑油方式★ 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L)
燃料タンク容量(L)★ 21
クラッチ形式★ 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 電子式7段変速(DCT)
変速比 1速 2.166
2速 1.695
3速 1.304
4速 1.038
5速 0.820
6速 0.666
7速 0.521
後退 (電動リバース)4.373
減速比(一次★/二次) 1.795/0.972×2.615
キャスター(度)★ 30°30′
トレール(mm)★ 109
タイヤサイズ 130/70R18M/C 63H
200/55R16M/C 77H
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 リンク式
スイングアーム式(プロリンク)(プロアーム)
フレーム形式 ダイヤモンド

■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元) ■製造事業者/本田技研工業株式会社
※8 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※9 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※10 WMTCモード値は、発進、加速、停⽌などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます





2021/01/29掲載