カワサキと共同開発されたスズキ初の4ストローク・モトクロッサーが出発点となっているRM-Z250。2種類のイグニッションマップ特性を備えた水冷DOHC4バルブ・エンジンを、2ストローク・モトクロッサーのRMから発展させたフレームに搭載して、2003年8月にリリースしたのがRM-Zシリーズの始まりだ。
マグネシウムやアルミニュウムを多用した軽量コンポーネントを使用、バルブやエキゾーストの一部にもチタンを採用するなど徹底した軽量化で、それまでの2ストロークから4ストロークへと変更したことによるエンジンの重量ハンディを克服。一足早く発売された2ストローク・エンジン搭載モデルのRM250よりも車両重量が軽いほどだった(RMの96kgに対してRM-Zは92.5kg)。
2011年の11月に発売された2012年モデルでは、イエローの基本カラーは変わらないものの、配色が若干変更となり、シート表皮色、フロントフォークプロテクター色を変更、「SUZUKI」デカールを廃止。そしてフロントフェンダーの「S」デカール、リアゼッケンの「FuelInjection」デカールも廃止された。
2012年11月に発売された2013年モデルでは、エンジンを初め戦力アップの機能面の改良を中心としたモデルチェンジが行われた、ECMの変更により始動性の向上も行われた。それ以外では、サイドゼッケンプレートが白から黄色ベースに、シュラウドデカールが変更された。
2014年9月には、カラー&グラフィック変更を中心としたマイナーチェンジが行われている。エンジンプロテクター、リアディスクカバー、リアキャリパーガード、ブレーキホースガイドのカラーを変更、シュラウドでカールのデザイン変更、レンサルハンドルのカラー変更、シート上面のカラーが赤からグレーへと変更されている。
そして2015年9月、RM-Z250では待望のフルモデルチェンジが行われた。ワークスマシンからのフィードバックにより、2015年モデルのRM-Z450で初採用された“スズキ・ホールショット・アシスト・コントロール(S-HAC)”を、さらに発展進化させて標準装備としたのが最大の特徴で、このほか新設計エンジンには、クランクケース、ピストン、カムシャフト等で80ヵ所以上にのぼる改良が行われ、パワーバンドの拡大やフリクションロスの低減、および減速フィーリングの改善などが行われた。
メインフレームも新設計で、軽量化と同時にフレーム剛性を最適化し、コーナリング性能を向上させた。フロントフォークにはKYB製の最新エアフォークシステム“PSF2”を採用、大幅な軽量化やダンパー性能の向上、フリクションの低減も行われていた。リアもインテグラルアジャスタシステムを搭載した新型KYB製ショックを採用。
2016年9月には、2017年モデルとしてカラーリングの変更と、ホイールカラーの変更(精悍なブラックに)が行われたモデルが発売された。
今回は、2015年以来のフルモデルチェンジで、『The Winning Balance 「走る、曲がる、止まる」の高次元でのバランス』を開発コンセプトに、外観から全面刷新。“嘴”をイメージさせる「Beak DNA」スタイルは継承している。エンジン周りでは、吸気ポート形状の見直し、ツインインジェクターの採用、エキゾーストシステムの改良、スズキ・ホールショット・アシスト・コントロール(S-HAC)に新機能を追加。足周りでもKYB製のコイルスプリングを搭載したフロントサスの採用、レバー比を変更したリアサス、ブレーキディスクの大径化なども行われている。
兄貴分のDR-Z450は、2017年9月発売で一足先にフルモデルチェンジを受けており、スズキのDR-Zシリーズは交互の世代交代スケジュールで開発が行われている。
 
★SUZUKI ニュースリリースより (2019年2月8日)
4ストローク249cm3モトクロッサー
「RM-Z250」をフルモデルチェンジして発売
スズキ株式会社は、モトクロッサー(モトクロス競技車両)の2019年モデルとして4ストローク249cm3
「RM-Z250」をフルモデルチェンジして2月15日より発売する。
- ●RM-Z250の主な特長
 - コンセプト:The Winning Balance 「走る、曲がる、止まる」の高次元でのバランス。
 - ・外観を全面刷新し、RM-Z450と同様にスズキ独自のクチバシをイメージさせる「Beak DNA」を継承。
 - ・吸気ポート形状の見直しなどシリンダーヘッドの変更による出力の向上。
 - ・ツインインジェクターを採用。
 - ・エキゾーストシステムの改良。
 - ・スズキ・ホールショット・アシスト・コントロール(S-HAC)※に新機能を追加。スタート待機中のエンジン回転数にリミッターを追加し、スタート前のライダーを強力にアシスト。
 - ・フレーム、スイングアーム、フロントフォーク、エンジン搭載位置を見直し、コーナリング性能を向上。
 - ・KYB製のコイルスプリングのフロントサスペンションを採用し、路面追従性、メンテナンス性を向上。
 - ・リアサスペンションには軽量なスプリングを採用。レバー比も変更しトラクションを向上。
 - ・フロントディスク径250mm→270mmに変更及びブレーキパッド素材の見直しによるブレーキ性能の向上。
 - ・新型タイヤDUNLOP GEOMAX MX33 の採用
 - ※スズキ・ホールショット・アシスト・コントロール(S-HAC)
 - スタート状況に応じたモードスイッチの選択により、ホールショット獲得及びスタート後のトップ走行を狙いとした機構。
 - A/B/オフの3つのモードから選択が可能。さらにスタートからその後の状況を3つに分解し、各々の段階において最適化を実現した。
 
- 商品名
 - RM-Z250(RM-Z250L9)
 - メーカー希望小売価格
 - 761,400円(消費税抜き 705,000円)
 - 発売日
 - 2019年2月15日
 - 車体色 1色
 - チャンピオンイエロー№2(GYU1)
 
★主要諸元
| 車名型式 | – | |
|---|---|---|
| RM-Z250(RM-Z250L9) | ||
| 発売日 | 2019年2月15日 | |
| 全長×全幅×全高(m) | 2.185×0.835×1.255 | |
| 軸距(m) | 1.485 | |
| 最低地上高(m) | 0.330 | |
| シート高(m) | 0.955 | |
| 装備重量(kg)※ | 106 | |
| 乾燥重量(kg) | – | |
| 乗車定員(人) | – | |
| 燃費(km/L) | – | |
| 登坂能力(tanθ) | – | |
| 最小回転半径(m) | – | |
| エンジン型式 | – | |
| 水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
| 総排気量(cm3) | 249 | |
| 内径×行程(mm) | 77.0×53.6 | |
| 圧縮比 | 13.75 | |
| 最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
| 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
| 燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
| 始動方式 | キック式 | |
| 点火方式 | CDI式 | |
| 潤滑油方式 | 圧送式セミドライサンプ式 | |
| 潤滑油容量(L) | 1.1 | |
| 燃料タンク容量(L) | 6.3 | |
| クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
| 変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
| 変速比 | 1速 | 2.153 | 
| 2速 | 1.705 | |
| 3速 | 1.470 | |
| 4速 | 1.238 | |
| 5速 | 1.090 | |
| 減速比1次/2次 | 3.315/3.846 | |
| キャスター(度) | 28.7° | |
| トレール(mm) | 125 | |
| タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M | 
| 後 | 100/90-19 57M | |
| ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク | 
| 後 | 油圧式シングルディスク | |
| 懸架方式 | 前 | テレスコピック式 | 
| 後 | スイングアーム式 | |
| フレーム形式 | アルミツインスパーフレーム | |
※装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります。


