スズキ ジクサー 車両解説
スズキが2014年からインドで生産するロードスポーツモデル、ジクサー(GIXXER)。日本市場向け仕様として再開発、発売されたのは、2017年1月のことだった。インド市場では、13の部門でバイクオブザイヤーを獲得するなど、現地で高い人気を誇る存在となり、今やアジアや中南米市場でのスズキのロードスポーツモデルの看板的な役目を果たしているという。
国内でも、入門モデル的な存在として若年層を中心に注目を集め、原付二種クラスの手軽さと高速道路も乗れる軽二輪の利便性、そして低価格設定などのメリットを訴求して多くの若者、エントリー層に支持されている。
エンジンはジクサー用に専用開発されたもので、空冷単気筒SOHC2バルブ、ボア56.0×ストローク62.9mm、排気量154㏄、最高出力は10kW(14PS)/8,000rpm、最大トルク14N・m/6,000rpmを発生する。ローラーベアリング付きロッカーアームの採用や軽量ピストンの採用などによりフリクションロスを低減し、パワーを落とすことなく低燃費を実現する“SEP”(SUZUKI Eco Performance)エンジンを搭載している。国内仕様独自の6センサー採用燃料噴射システムを搭載(オリジナルはキャブ仕様)平成28年排出ガス規制に対応させている。
今回のモデルチェンジでは、LEDヘッドランプを採用し、コンパクトにまとめ上げたフロント周りを中心にデザインを一新し、兄貴分のスポーツモデルたちとの共通イメージを創り上げている。ボリューム感のある燃料タンクやシュラウド、前途分割シート、ショートタイプサイレンサーなどもニューデザインとしている。
★スズキ ニュースリリースより (2020年1月20日)
スズキ、150cc のロードスポーツバイク
新型「ジクサー」を発売
スズキ株式会社は、スポーティーなデザインと力強い加速性能、優れた燃費性能を兼ね備えた150ccのロードスポーツバイク新型「ジクサー」を3月4日より発売する。
「ジクサー」は、スズキの大型スポーツバイクと共通のイメージとなるスポーティーなスタイリングを特長とし、2017年に国内で発売して以来、若年層を中心に好評を得ている軽二輪車である。
新型「ジクサー」は、ヘッドライトからタンクまでの一体感や、ボリュームのあるタンクとスリムなシートによる抑揚のあるデザインに、欧州のデザイントレンドであるカウルを車体中心に向けてコンパクトに凝縮したプロポーションを取り入れることで、洗練されたスタイリングに仕上げた。
力強い造形の燃料タンクとシュラウドに加え、コンパクトで薄型なLEDヘッドランプや、前後二分割シート、スイングアームマウントリヤフェンダーを新採用することで、よりスポーティーな印象とした。また、フロントブレーキには266mmのディスクブレーキに加え、新たにABS※1を標準装備した。
※1 フロントブレーキのみ作動。ABSは制動距離を縮めるものではありません。また、コーナリング中のブレーキングによる車輪の横滑りはコントロールすることができません。ABSを過信せずに安全運転を心がけてください。
● 「ジクサー」の主な特長
デザイン
・ 欧州のデザイントレンドであるカウルを車体中心に向けてコンパクトに凝縮したプロポーションを取り入れた、スズキの大型スポーツバイクと共通イメージのスポーティーなスタイリング。
1)力強い印象を与える、LEDヘッドランプ、シュラウド、タンクの一体感
2)ボリュームのあるタンクとスリムな前後二分割シートによる抑揚のあるデザイン
3)カウルと一体化したデザインのグラブバーやLED テールランプ、スイングアームマウントリヤフェンダーによる、シャープでコンパクトなリヤ周り
4)ショートタイプのサイレンサーに2つの排気口を設けたデュアルタイプマフラー
・ 車体色は、黒/青「グラススパークルブラック/トリトンブルーメタリック」、黒「グラススパークルブラック」、銀/黒「ソニックシルバーメタリック/グラススパークルブラック」の3色を設定。
装備
・ 視認性の高いフルデジタル表示の液晶多機能メーター。
1)任意に設定したエンジン回転数に到達するとランプの点灯/点滅でシフトチェンジのタイミングを知らせるRPMインジケーター
2)一目でギヤポジションがわかるギヤポジションインジケーター
3)便利な時計と切替式のオドメーター/ツイントリップメーター
4)オイル交換時期を知らせるオイルチェンジインジケーター
・ インナーチューブ径41mmのフロントフォークと7段階プリロード調整式のリヤサスペンション。
・ フロントに新たにABS※1を標準装備した前後輪ディスクブレーキ(前266mm、後220mm)。
・ 140サイズのラジアルタイヤを装備したリヤタイヤ。
・ 長距離の走行に安心な大容量12L の燃料タンク。
エンジン・車体
・ フリクション低減や燃焼効率向上を図ることで、低速からの力強い加速性能(最高出力10kW/8,000rpm、最大トルク14Nm/6,000rpm)と優れた燃費性能(55.3km/L※2)を兼ね備えた空冷単気筒154cm3エンジン。
・ コンパクトなエンジンとフレームによる軽量な車両重量(装備重量139kg)。
・ アップライトなハンドルや低いシートポジション(シート高795mm)による快適な乗車姿勢。
※2 国土交通省届出値:定地燃費値(60km/h)2名乗車時。定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
- ●商品名
- ジクサー
- ●メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
- 352,00円(消費税抜き 293,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
- ※製造事業者/スズキ・モーターサイクル・インディア社
- ※製造国/インド
- ※輸入事業者/スズキ株式会社
- ●年間目標販売台数
- 1,000台
主要諸元
車名型式 | 2BK-ED13N | |
---|---|---|
ジクサー | ||
発売日 | 2020年3月4日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.020×0.800×1.035 | |
軸距(m) | 1.335 | |
最低地上高(m) | 0.160 | |
シート高(m) | 0.795 | |
車両重量(kg) | 139 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 55.3(国交省届出値 定地燃費値※3 60km/h 2名乗車時) | |
51.0(WMTCモード値※4 クラス2、サブクラス2-1 1名乗車時) | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 2.6 | |
エンジン型式 | BGA1 | |
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 154 | |
内径×行程(mm) | 56.0×62.9 | |
圧縮比 | 9.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm)※5 | 10.0[14]/8,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)※5 | 14[1.4]/6,000 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | ウエットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 1.1 | |
燃料タンク容量(L) | 12 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.750 |
2速 | 1.750 | |
3速 | 1.300 | |
4速 | 1.045 | |
5速 | 0.875 | |
減速比1次/2次 | 3.181/3.000 | |
キャスター(度) | 24°50′ | |
トレール(mm) | 100 | |
タイヤサイズ | 前 | 100/80-17M/C 52S |
後 | 140/60R17M/C 63H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク(ABS) |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1 装備重量は、燃料・潤滑油・バッテリー液を含む総重量となります。
※2 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※3 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※4 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※5 エンジン出力表示は「PS/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は、「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。〈 〉内は、旧単位での参考値です。