埼玉県さいたま市にあるサーキット秋ヶ瀬は、ポケットバイクやミニバイクレース開催、そしてレンタルカートでも知られている。多くのライダーやドライバーはここで腕を磨いた。そのサーキット秋ヶ瀬は、荒川の河川敷にあり、昨年10月の台風で水没し甚大な被害を受けた。
元スーパーGTのドライバー・本山哲と、元ロードレース世界選手権GP250チャンピオンの原田哲也は同い年で、幼い頃に秋ヶ瀬をポケットバイクで競い合った仲間。そのふたりが「秋ヶ瀬のために何か出来ないかと話し合い、復興イベントとして「秋ヶ瀬新春祭り」が実施されることになった。サポートするのはトップライダーでありドライバー経験のある武田雄一と、元全日本ライダーの亀谷長純で、ふたりは本山の幼馴染でもある。
本山は「星野(一樹)、オートレースの青木(治親)も協力すると申し出てくれて、ドライバーもライダーも参加したいと増えていった」と語る。トップライダー17人、トップドライバー13人が駆けつけ、関係者、観客を含め560名が秋ヶ瀬に集結し、耐久レースや、74Daijiro (ポケットバイク)、レンタルカートで、激しいバトルを見せ観客を熱狂させた。
子どもたちを対象としたカートやポケバイ教室も開催された。また、ライダー、ドライバー愛用のツナギやグローブ、ブーツなどが提供されるチャリティーオークションも行われ次々に落札された。この売上金は、台風被害にあった地域に寄付される。
当日は、故加藤大治郎さんが始めたポケットバイク“大治郎カップ”と子供用カート“MICROMAX”が同日開催された。大治郎カップは、福島県湯本第1小学校5年生の徳田翔(11)がポールポジション(PP)からスタート、激しいトップ争いを制して優勝を飾った。徳田の勝利に父親が号泣し、あたたかい拍手が沸き起こった。MICROMAXは、神奈川県もえぎの小学校1年生の坂野太絃(7)がPPからスタートし、最後の最後に勝負に出て2台を抜き去る優勝を飾った。坂野は劇的勝利に歓喜の涙を見せ、多くの祝福を集めた。
本山は「ライダー、ドライバーとボランティアで駆けつけてくれました。多くのファンが訪れ、二輪四輪の交流の輪も広がり有意義な時間になりました。集まってくれた全ての人に感謝しかない」と語った。サーキット秋ヶ瀬は、昨年の12月にはレース開催にこぎつけたが、今春から本格的な活動に向け動き出す。
(レポート:佐藤洋美)
●参加
四輪:本山哲、星野一樹、道上龍、武藤英紀、安田裕信、平中克幸、牧野任祐、千代勝正、佐々木大樹
二輪:原田哲也、青木治親、長島哲太、小椋藍、浦本修充、水野涼、名越哲平、加賀山就臣、岡崎静夏、岩田悟、小室旭、武田雄一、亀谷長純、高橋巧、鈴木竜生、井筒仁康、坂田和人
番外:チュートリアル福田充徳