
『2025 MFJ MOTOAWARDS 授賞式』が東京都内のホールで開催された。全日本ロードレース、全日本モトクロス、全日本トライアル、全日本スノーモビル、全日本スーパーモト、全日本エンデューロの各選手権シリーズにおいて、各カテゴリーの上位3名が表彰された。
モーターサイクルスポーツ殿堂顕彰者には、本橋明泰氏、片山義美氏、隅谷守男氏が選出された。本橋氏は浅間火山レースなどで活躍し、後進の育成や技術伝承に尽力。片山氏はマン島TTをはじめ海外で活躍し、日本人ライダーが国際舞台へ挑戦する道を切り開いた先駆者だ。隅谷氏は日本のレース界の基礎を築いた。3人はロードレース黎明期から発展期を支えた重要人物である。
各カテゴリーの表彰が進み、終盤にロードレースの表彰が行われた。
J-GP3クラスのチャンピオンは、5年連続となる尾野弘樹(Honda)。ランキング2位には後半戦で調子を上げた高校生ライダーの中谷健心(Honda)、3位には振り袖姿で登壇し華を添えた岡崎静夏(Honda)が入り、女性ライダーとして最上位ランキングを獲得した。
ST600クラスは、伊達悠太(YAMAHA)が初の栄冠に輝いた。2位にはアジアロードレース選手権から帰国後、急きょ参戦した南本宗一郎(YAMAHA)、3位には後半戦で2連勝を挙げた長尾健吾(YAMAHA)が入った。
ST1000クラスは、羽田太河(Honda)が初のシリーズチャンピオンを獲得。2位に亀井雄大(Honda)、3位に國峰啄磨(Honda)が続いた。
最高峰のJSB1000クラスでは、絶対王者・中須賀克行(YAMAHA)が2年ぶり13度目のタイトルを獲得し、文部科学大臣杯を受賞。2位は水野涼(DUCATI)、3位は浦本修充(BMW)だった。
『東京中日スポーツ賞』には、持続可能(サステナブル)な部品や燃料を使用した車両で、8月に行われた鈴鹿8時間耐久ロードレースに出場した「チームスズキCNチャレンジ」が選ばれた。
海外参戦功労賞には、アジア・タレント・カップに参戦しチャンピオンに輝いた萩原羚大と、ランキング2位の池上聖竜が選出された。未来のロードレース界を担う若手ライダーたちが、笑顔で壇上に立った。
中須賀は最後の挨拶で「ここに集まった皆さんは、それぞれにうれしい思い、悔しい思い、悲しい思いを抱えながら戦ってきたと思います。その経験が、来シーズンもファンの皆さんに良いレースを見せる力になるはずです。その思いを大切にして、皆さんと一緒に二輪レースを盛り上げていきたいと思います」と語った。
来季から希望ゼッケン制度が採用されることも発表された。ライダーが自ら選んだ番号を使用し、個性を象徴するアイコンとしての役割を担う。ランキング10位までは赤ベース、それ以外は各カテゴリーごとのカラーが採用される。
来季のスケジュールも発表され、国内6サーキットで計7大会が開催される予定だ。
(文:佐藤洋美)












