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いよいよ28日からは東京モーターサイクルショーが開幕。各社から興味深い展示が期待される中、ホンダの出展予定車両の中から事前に撮影できたものについて少しだけ紹介。 大注目はとうとう現実味を帯びてきたCB1000Fだ!

■文・写真:ノア セレン ■写真提供:ホンダモーターサイクルジャパン ■協力:ホンダモーターサイクルジャパン

注目のコンセプトモデル「CB1000Fコンセプト」

 ホンダファンが長らく待っていたのはコレだろう。2020年に「Fコンセプト」としてその構想が世に示されて早5年、新たな「CB」が再び姿を見せた。CB1000Fコンセプトはホンダを代表するプロダクトブランドである「CB」として「進化するスポーツバイクの基準」を具現化するモデル。すでに大阪サイクルショーで世界初公開されているが、東京モーターサイクルショーでももちろん展示される。
 CB750FOUR以来受け継がれてきた直列4気筒CBは今、高い動力性能と扱いやすさを両立した水冷・DOHCエンジンを、剛性としなやかさを高次元でバランスさせたダイヤモンドフレームに搭載。今年発売されたばかりのホーネット1000と基本部分を共有するのは見ても明らかなのだが、CB1000Fコンセプトならではの作り込みでライダーが求めるファンライドに応える高揚感と懐の深さを提供するとしている。ここから再び「CBの物語」が紡がれていくのだ。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報

 2020年のFコンセプトからスタイリングこそ引き継がれてはいるが、開発スタッフからかわっており、若手の多い活気のあるチームとなっているそう。カテゴリーとしてはネオクラシックだが、開発はそういった若い声を尊重して作り込んでいるという。最初のCBがそうであったように、ホンダは他社に先駆けて先進的なことを提案するが、時が経つにつれそれがスタンダードになっていく、という歴史がある。初代CB1000SFも、どのライバルに勝つ、という目的ではなく孤高のものを目指して作り上げられたのと同様、CB1000Fコンセプトもまた、ホンダらしい、ホンダならではの作り込みを重ねているというから、市販化に向けた動きが待ち遠しい。
 このCB1000Fコンセプトは3/28~3/30の東京モーターサイクルショーのほか、4/4~4/6の名古屋モーターサイクショーにも出展される。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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2020年の「Fコンセプト」の記憶から皆が期待した通り、かつてのCB-Fのスタイリングで登場しますます現実味を帯びてきたCB1000Fコンセプト。エンジンや足周り、メインフレームの部分はホーネット1000と共有していることが見て取れるが、あのストリートファイタースタイルを見事にレトロに仕上げている。長くなったタンクとより後方に移動した着座位置、前寄りに設定されたステップ、高い位置に設置されたヘッドライトと伝統のツインホーンなどもレトロスタイルのポイントだろう。またテールの角度に合わせたスリムで長めのサイレンサーもまた雰囲気満点だ。これにウインカーやミラーなど保安部品が装着されたらどんな姿になるのか楽しみである。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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エンジンやエキパイについては、少なくともルックス的にはホーネットとほぼ共通であり、エキパイにバイパスなども設けられていない。ほぼホーネットそのままとなるならば150馬力超えの出力もあり得るか? シュラウド類がないためラジエターにはアルミのカバーがついて、こういった部分はFというよりはSF的な雰囲気も。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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必要十分な5・5インチリムに180タイヤ装着というのもホーネット同様。見栄よりも現実的な路線を選んでいるのもホンダらしいと感じるところだ。リアサスも現時点ではプリロード調整のみのシンプルなものがついていた。

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フロントはフォークやブレーキなどホーネットと共通の様子。当然、着座位置が変わって重量配分が変わっていること、そしてそもそものコンセプトが違うことなどから、ホンダならではの細かなセッティング変更が為されていることだろう。
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スイッチボックスは最近のホンダ車の定番。各種モードなど充実していることだろう。それよりも驚いたのは、かつて「ロッシグリップ」と呼ばれたグリップラバーが復活していたこと。F世代ではなく、90~00年代にホンダ車に親しんだ人はグッとくるポイントだ。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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最も特徴的なのはタンクか。特に横から見た時のシルエットはまさにかつての「F」である。しかし跨って上から見た時には幅もボリュームがあり、そのルックスはスリムなFよりも空冷CB750(RC42型と呼ばれる、教習車としても使われたモデル)によく似た形状にも思えた。ハンドルはかなり手前に引かれかつワイド。そのおかげもありかなり堂々としたライディングポジションである。フロントホイールが遠くに感じられるのはまさに旧車のF的であり、ルックスだけでなく操作感にも往年の名車の雰囲気を感じられそうである。なおハンドル切れ角が大きく取り回し時には重宝した。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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かつてのF もそうであったが、旧めのバイクはヘッドライトの位置が高めにあったもの。CB1000Fコンセプトでもヘッドライト位置を高めにし、その下にダブルホーンとしている。砲弾型メーターこそ採用していないがまとまりは高く感じた。ちなみに現時点ではスマートキーを装備していた。ヘッドライトはリング状のポジションライトと、上側がロービーム、下も点灯するとハイビームとなるLED。なおホンダファンからすればホーンにはやはりメッキのリングがほしいところ。

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モダンなスリムさを持っていながらも、テールエンドの跳ね上がり方などにホンダの伝統を感じさせるテールセクション。タンデムシート部の面積も十分であり、タンデムはもちろん荷物の積載も安定しそうだ。現車はもちろんモノショックなのだが、シートレールとサイドカバーの間にツインショックの上側の受けが入りそうなその作り込みがまた、レトロフィールを盛り上げてくれる。荷掛けフックの充実やヘルメットホルダーといった便利装備にも期待したい。

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CB1300SFのファイナルエディションと共にこんなツーショットも公開された。CB1000Fコンセプトはいわゆるネオレトロではなく、スタンダードでプリミティブな大排気量マーケットを牽引してきたスーパーフォアブランドを引き継ぐ、普遍的なビッグネイキッドとしての役目も背負わされていることを暗示するようだ。今回はいわゆるスペンサーカラーのためCB-Fの歴史が濃く見えてしまっているが、今後カラーリング展開もされてFの時代を知らない世代にも楽しめるスタンダードなネイキッドになっていくことだろう。まさに「CBの物語」が受け継がれていくわけだ。

スーパーフォアシリーズ幕引き
「ファイナルエディション」で有終の美

 2/28に既に販売が開始されているが、1992年に登場してから長らく続いたスーパーフォアブランドがとうとう幕引きとなる。最後のスーパーフォアとなるのはCB1300スーパーフォア及びハーフカウル付のスーパーボルドール、さらにそれぞれのSPバージョンであり、それぞれ合計4車種に「ファイナルエディション」が設定された。
 ファイナルエディションは初代のCB1000スーパーフォア「ビッグワン」をイメージしたカラーリングとし、燃料タンク上には「Final Edition」のステッカーを採用。さらにビッグワンを覚えている人には特に響く、スイングアームとトップブリッヂ、ステアリングステムをシルバーで仕上げてくれた。加えてドライブチェーンもゴールドにしてあるのだが、これに気づける人はかなりのビッグワン愛好家だろう。
 特徴的な白地に赤のタンクを採用する「パールサンビームホワイト」カラーはSP仕様の2台で、STD仕様はこれもビッグワンを連想させてくれる「グラファイトブラック」でそれぞれ1色展開。カウルのないスーパーフォアはタンクにこれもビッグワンをオマージュした大き目のHONDAステッカー、カウル付のスーパーボルドールはウイングマークとしている。
 スーパーフォアブランドは、新世代のCBとして90年代から今までのホンダスポーツバイクの屋台骨ともいえる存在。熟成を極めたリッターオーバービッグネイキッドを手に入れる最後のチャンスとなる(https://www.honda.co.jp/CB1300/ )。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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初代ビッグワンをリスペクトした赤白の配色となるSP仕様。スイングアームやステムがシルバー塗装となったほか、ゴールドチェーンを採用したことなどが初期型へのオマージュだ。機能的な部分では変更なし。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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前後にオーリンズサスを奢り、フロントにはブレンボキャリパーも採用したSPバージョン。赤白の「パールサンビームホワイト」はSPのみの設定で、STD版はグラファイトブラックとなる。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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カウルを持たないスーパーフォアの方は、タンクのHONDAロゴも初代ビッグワンのサイズ感や字体を継承。タンク上部にはファイナルエディションのステッカーが貼られた。大きな丸ライトにツインホーン、そして砲弾型メーターというネイキッドの定番はここで歴史を閉じる。

軽二輪クラスに「Eクラッチ」
レブル250が新境地を切り開く

 こちらも1/30日に発売済みのニューモデルだが、去年注目を集めたホンダの新技術「Eクラッチ」がさっそく軽二輪クラスにも展開されたというのはホットなトピック。長距離ツーリング時の疲労軽減や、渋滞路などのストップ&ゴーでの負担を和らげる魅力をプラスした。
 また、レブルはクルーザーモデルであるにもかかわらずハンドル位置が前寄りという構成をしていたが、最新モデルではハンドルをライダー側に寄せることでよりナチュラルなポジションを実現。加えてシート内部素材も変更し、これまで以上に快適性を追求している。なお純正アクセサリーにはETC車載器やグリップヒーターも新たに設定。特にETCについては車体左側に車載器を収める鍵付きボックスを用意したことでとてもスマートにETCの装着ができるようになっている(https://www.honda.co.jp/Rebel250/ )。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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写真は各種アクセサリー装着車。新型となりハンドルが先代よりも手前に引かれ、上半身に余裕が生れるポジションとなった。これに合わせてシート内部構造も見直して快適性を追求。Eクラッチ採用というだけでなく確かな熟成も行われている。

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車体右側に搭載されたEクラッチユニットはコンパクトで車体のスリムさを阻害しない。

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レブルはシート下収納などが極小でETC車載器の配置が難しかったが、この度純正アクセサリーで車体左側に鍵付きETC車載器ボックスが登場。

#2025モーターサイクルショー直前 ホンダ最新情報
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タンデムや荷物の積載などを考慮したアクセサリーも充実。現地でチェックしてほしい。

純正エンジンオイルがお化粧直し
「純正の品格と高品質」をアピール

 ホンダ純正のオイルと言えば長らくGシリーズが展開されてきたが、世界共通ブランドに統一するという意味合いもありパッケージをリニューアル。基本的には商品名が変更になっただけでオイルの内容はこれまでと同様。ただ旧G1の10w-30が5w-30へと改められたこと、また主にスクーター用としてラインナップされていたMB規格のS9が廃盤となったという小変更がある。
 これまでのG1は「スタンダード」、G2が「スポーツ」、G3が「プレミアムスポーツ」、そしてG4は「レーシング」というネーミングとなる。なおスクーター用としてはE1が「スクーター」となった。スクーター、スタンダード、スポーツが部分化学合成油、プレミアムスポーツとレーシングが100%化学合成油。API規格は全てのタイプで二輪車用オイルとして最上位のグレードSLとしている。
 なおこの他に2サイクル用オイル3種類、ブレーキフルード、クッションオイルも展開する。

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話題の過給機付きV3もジャパンプレミア
各サイクルショーはホンダブースへ!

 ここで紹介したもの以外にも、話題のV型75°、電動過給機付きV型3気筒エンジンやEV FunConcept、CUVe:とジャパンプレミアモデルが各会場で展示予定。また市販予定車ではやはりジャパンプレミアのGold Wing Tour 50th ANNIVERSARY、新色が設定されたCBR250RR、市販車ではCB1000 HORNET SP、CB750 HORNETが、そしてRC213Vなどレーシングマシンもお目見えする。
 ホンダではモーターサイクルショーの特設サイトも開設(https://www.honda.co.jp/motorcycleshow/?msockid=34edae8743106dfc1e9da75247106e6d )。最新情報をチェックしつつ、現地にも足を運んではいかがだろうか。
(文:ノア セレン、写真提供:HMJ)


[『2025 大阪&東京モーターサイクルショーはどんな?』へ]

2025/03/21掲載