HONDA NT1100 車両解説
CRF1000L Africa Twinをベースに“オンロード・スポーツツアラー”としたのがNT1100だ。我が国の現実からすればAfrica Twinがその実力を発揮するシーンはほとんど限られており、アドベンチャーを楽しむより、ツアラーとして活躍しているシーンがほとんどとさえいえてしまう。
ならば“オンロード・スポーツツアラー”としてしまった方が現実的ということだろうか。
Honda独自の“Dual Clutch Transmission”や5段階に調整可能な大型スクリーン、6.5インチタッチパネル式TFTマルチインフォメーションディスプレイなどを採用したスポーツツアラーとして、2022年3月ら国内販売を開始した。
2023年モデルは重厚感を感じさせる「ガンメタルブラックメタリック」で、これにより継続色の「マットイリジウムグレーメタリック」と合わせて全2色の設定となった。(「パールグレアホワイトは」ラインナップから外れた)
2024年モデルはに深みのあるレッドで上質感を追求した「キャンディークロモスフィアレッド」を新たに採用。継続色の「マットイリジウムグレーメタリック」とあわせて全2色の設定となった。
今回はウインカーなどを内蔵した新形状ヘッドライトの採用、スクリーン調整機構の改良、圧縮比やバルブタイミングの変更、スロットルバルブ開度設定やDCTセッティングの最適化などにより、中低速域での快適性を向上させた。
★ホンダ ニュースリリースより (2024年12月12日)
大型スポーツツアラー「NT1100」の一部外観変更と装備の充実を行い発売
Hondaは、大型スポーツツアラー「NT1100」の、一部外観の変更と装備の充実を行い2025年1月23日(木)にHonda Dreamより発売します。
今回、NT1100に、デイタイムランニングライトとウインカーを内蔵したヘッドライトを採用し、個性的なデザインをより際立たせました。また、高さと角度を手動で5段階に調節可能なウインドスクリーンは、調節機構を見直すことで操作性向上を図っています。
エンジンは、圧縮比とバルブタイミングの変更により、低中回転域のトルクを向上するとともに、スロットルバイワイヤシステム(TBW)によるスロットルバルブの開度設定を最適化し、力強い中速域の実現に寄与しています。また、デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)のセッティングを見直すことで、極低速域での扱いやすさ向上を図っています。
車体では、新たに電子制御サスペンションEERA(Electronically Equipped Ride Adjustment)を採用。各センサーからの情報をもとに、状況に応じた減衰力に制御することで、より快適な乗り心地を提供しています。また、リアサスペンションはハンドルに配したスイッチで調整できる電動プリロードアジャスターを採用し、使い勝手を高めています。
バッテリーは、軽量コンパクトなリチウムイオンバッテリーを新たに採用することで、軽量化とマスの集中化に寄与しています。
カラーバリエーションは、モダンな印象の「マットウォームアッシュメタリック」と、スポーティーな印象の「ガンメタルブラックメタリック」の全2色設定としています。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- 200台
- ●メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
- 1,848,000円(消費税抜き本体価格 1,680,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
主要諸元
車名型式 | 8BL-SC90 | |
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NT1100 | ||
発売日 | 2025年1月23日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.240×0.860×1.340(最上位置 1.510) | |
軸間距離(m) | 1.535 | |
最低地上高(m) | 0.175 | |
シート高(m)★ | 0.820 | |
車両重量(kg) | 249 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 30.5(国交省届出値 定地燃費値※3 60km/h 2名乗車時)★ | |
20.4(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※4 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 2.8 | |
エンジン型式 | SC88E | |
水冷4ストローク直列2気筒SOHC(ユニカム)4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 1,082 | |
内径×行程(mm) | 92.0×84.1 | |
圧縮比★ | 10.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 75[102]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 111[11.3]/5,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 20 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 電子式6段変速(DCT) | |
変速比 | 1速 | 2.562 |
2速 | 1.761 | |
3速 | 1.375 | |
4速 | 1.133 | |
5速 | 0.972 | |
6速 | 0.882 | |
★減速比1次/2次 | 1.863×2.500 | |
キャスター★(度) | 26°30′ | |
トレール★(mm) | 108 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 180/55ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立サス) |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードルフレーム |
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)■製造事業者/本田技研工業株式会社
※1 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※2 定値燃費値は、車速一定で走行した実測に基づいた燃料消費率です
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます