国内初代GSX-R(400)誕生から40周年、さらにグローバルGSX-R750は来年の40周年を控えて、話題と注目を集めた第1回GSX-S/Rミーティングが開催された。GSXの名が付く車種は80年代から現在まで実に豊富で新旧多様なモデルが全国から来場、GSXオンリーなプログラムで秋の一日を楽しみ尽くした。
■2024年10月20日 静岡県浜松市 スズキ浜松工場内特設会場
■主催:株式会社スズキ二輪
■文・写真:高橋絵里
歴史が長く車種も多いGSXシリーズだけに主催のスズキも来場台数の予想が難しく、駐輪エリアとイベントエリアに余裕を持たせた会場レイアウトとしたそうだ。そしてスズキの二輪生産を担う浜松工場は広大で、ビッグイベントのキャパシティも充分。予想はみごとに当たり、朝から到着するバイクの列は延々と続いて駐輪エリアを埋め尽くした。その数、1800台越え、2000名越え。GSXファンはみな、この日を待ちに待っていたわけだ。
鈴木俊宏社長による歓迎と感謝の開会宣言と共にミーティングはスタートした。鈴木社長の「1984年に国内でGSX-R400を発売して、40周年を迎えました」の言葉に会場からざわめきと拍手が起こる。そして海外向けGSX-R750の発売が翌85年とのことで、鈴木社長は「今日は40周年プレイベントとして開催し、来年はGSX-S/R 40周年記念のミーティングといたします!」と早くも来年の開催予定を宣言、華やかな祝福と歓喜の雰囲気の中、続いて出展ブースの並ぶプロムナードで集合記念撮影がおこなわれた。
レイシーな二輪展示も注目の的で、美しくディスプレイされたGSX-RR #42マシンと#36マシンのほか、チームスズキCNチャレンジ車、ヨシムラSERT Motul#12 車、TERAMOTO@J-TRIP #52車の8耐マシンも各ブースに展示され、間近でつぶさに鑑賞できる。跨ることが可能な展示車はGSX-S1000、GSX-1000GT、GSX-S1000GX、GSX-8S、GSX-8R、GSX-S125の6台で、順に跨って比べたり写真を撮る人で終日賑わった。さらにスズキからミーティング直前に『X』のみでリリースされた工場見学プログラムでは、時間や人数に制限はあったものの1000名を越える来場者が工場内の二輪生産ラインを見学する貴重な機会を得た。
恒例のイベントオリジナルTシャツを販売するブースでは、第1回目の記念にと購入の長い列ができ、工場見学記念の特別仕様Tシャツと合わせ、完売の人気だった。
ゲストの豪華なこと、さらに内容がすべて本音で語られるスペシャルさが魅力のトークショーは、会場の全員が期待する心躍るプログラムだ。今回は3年ぶりに EWCチャンピオンを獲得したヨシラSERT Motulの皆さん、鈴鹿8耐で話題をさらったチームスズキCNチャレンジの皆さん、そしてGSX-Sシリーズ開発エンジニアの皆さんという大変ゴージャスな顔ぶれで、トークショー1部・2部構成でじっくり聞かせてくれた。チーム監督目線、ライダー目線、エンジニア目線からそれぞれのエピソードや苦労話の数々が飛び出し、レース現場の空気が伝わってくるようだった。
イベントでは、来場者の中から遠来賞や最高齢賞といった特別賞プログラムも人気だが、今回は初代GSX-R400の40周年を記念して『1台を長く愛してる賞』の選出となった。
対象は、GSX-Rを新車で購入して以来の所有期間が長く、もちろんこの会場に乗ってきたライダーだ。なんと84年初期型に乗るライダー1名、そして80年代から乗り続けているライダー5名に、鈴木社長直々にスズキオリジナル前掛けがプレゼントされた。
そしてフィナーレを飾る豪華賞品争奪じゃんけん大会にはゲストライダー全員がステージに上がり、『最初は(GSXの)G!』からのじゃんけん熱戦。こうしてGSX-S/R Meeting 2024は大盛況、大成功で初開催を終えた。最後に鈴木社長以下スズキスタッフが手を振りながらライダーをお見送りするひとときもまた、ひときわ長い時間となった。
(文・写真:高橋絵里)
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