YAMAHA CYGNUS GRYPHUS 車両解説
2003年7月の発売以来、ヤマハの原付二種スクーターの顔として定着してきたシグナス-Xシリーズが、2021年12月にフルモデルチェンジされた。最大の特徴は、CYGNUSシリーズ初の水冷エンジンの搭載で、名称も新たに“CYGNUS GRYPHUS(シグナス グリファス)”と命名されての登場だった。
水冷“BLUE CORE (ブルーコア)”エンジンの採用ほか、静粛かつ振動の少ないエンジン始動を可能とする「Smart Motor Generator」、および全域でのハイパワーに貢献する「VVA(可変バルブ)」。そしてそのエンジンを搭載する新設計フレームと、新開発のワイドタイヤなどスポーティな走行性能を支える足回り、CYGNUSの血統を受け継いだ新スタイルなどなど。ちなみに開発コンセプトは“Advanced Total Performance Sport”だ。
ここでざっと原付二種SYGNUSの歴史を追っておくと、2004年8月にスポーティな“SR”バージョンがシリーズに加わっている。2005年10月には、ヤマハの50周年を記念した“50th Anniversary”モデルの発売なども行われ、2021年12月のフルモデルチェンジの際は、MotoGP“60th Anniversary”のラインナップで花を添えた形だ。
2007年10月には、シグナス-Xシリーズ初の本格的なモデルチェンジが行われて2代目に発展。平成19年国内排出ガス規制に対応するためのF.I.化や、ポジションランプ一体型ヘッドライトを採用、シートの快適性アップを含むボディスタイルの変更、そして新型メーターパネルの採用などが行われた(SRは若干遅れて12月発売)。
2011年2月には、SRがマイナーチェンジ。アナログ式タコメーターと、ホワイト、オレンジ、グリーンから液晶画面の照明色を選べるデジタル式スピードメーター、タンデムステップ、そして新立体エンブレムなどが採用されている。また台数限定で“ヤマハ・ファクトリー・レーシング”の伝統カラーを纏ったSRのロードレース世界選手権参戦50周年記念モデルも2012年2月に発売されている。
2013年2月には、3代目シグナス-Xシリーズとなるモデルチェンジが行われ、より大型化されたヘッドライト、そしてその左右には、LEDポジションライトも追加され、テール回りはLED化が行われた。ボディの基本構造は変わらないものの、トランク容量も約31.0リットルへと増加されるなど、使い勝手の面でも熟成が行われた。2014年4月には、YSP誕生30周年を記念した限定カラー&グラフィックモデルが発売されている。2015年2月には、ビビッドなカラーリングの“SHOW OFF SPORTY”系3色と、都会的な落ち着いたセンスの“URBAN SPORTY”系2色の計5色のラインナップとカラー設定の変更で2015年モデルとなっていた。
2015年11月にシグナス-Xは、4代目に発展する。“クリーン・ダイナミック・テクノロジー”をキーワードにスタイルが一新されたのを始め、新型フレームに新型前後サス、新型5本スポークホイール等が採用された。エンジン面でも実用域のトルクを強化、加速性能を向上させながらも実用燃費をアップした新型となっている。コンセプトは“ダイナミック・シグナス-X”だった。
2017年の2月には、この新型シグナス-Xにスピードブロックのワンポイントをアレンジしたサイドカバーや、ヤマハレーシングブルーとシルバー、ツートーンのボディカラーを採用したSPECIAL EDITONが700台の限定で発売されている。また2017年8月には、シリーズ本体のシグナスX XC125SRのモデルチェンジと合わせて、MotoGPで活躍するレーシングマシン、YZR-M1のカラーリングイメージを取り入れた特別仕様が1,300台の台数限定で発売された。
2018年2月には、シグナス-X SRに「マットダークブルーイッシュグレーメタリック2」と「マットブラック2」の新色2色が追加設定され、継続色のホワイト系、ガンメタ系、ブルー系、イエロー系と合わせて全6色のラインナップに。
2018年11月には、シリーズ本体のシグナス-Xのマイナーチェンジが行われ“新しい顔”が与えられた。LEDの採用によりヘッドランプが小型化され軽快なデザインに変更。テールランプも導光タイプのLEDテールランプが採用された。また、メーターにフルデジタルの液晶マルチファンクションタイプが採用されたほか、USB対応の12V・DCジャックの装備など使い勝手の向上なども行われている。
2019年9月には、2017年のスペシャルエディションと同様、MotoGPで活躍するレーシングマシン、YZR-M1のイメージを再現した“CYGNUS-X Monster Energy Yamaha MotoGP Edition”を設定し、1,300台の台数限定で発売している。
2020年4月には、カラーリングの設定を変更して2020年モデルとして発売する。「ディープパープリッシュブルーメタリック C」(ブルー)、「ブルーイッシュホワイトカクテル 1」(ホワイト)の新色とレッドとブラックの継続色というラインナップだった。
2023年モデルは、新色の追加のみで、“YZF-R”シリーズをイメージした「ディープパープリッシュブルーメタリックC」とインパクトのある「ビビッドイエローイッシュレッドメタリック」の2色をラインナップしている。また、ホワイトとブラックの2色を継続して販売する。
今回は新色の「マットブラック」と「ブルーイッシュホワイトパール 1」を新たに設定。マットブラックはレッドホイールを採用。従来色の「ディープパープリッシュブルーメタリックC」はシートステッチとフロントサイドにロゴを追加、「ブラックメタリックX」はシートステッチとフロントサイドにYAMAHAロゴを追加した。
★ヤマハ ニュースリリースより (2024年8月7日)
原付二種スクーター「CYGNUS GRYPHUS」の新色を発売~スポーティで精悍な印象の”マットブラック”を新採用~
ヤマハ発動機販売株式会社は、原付二種スクーター「CYGNUS GRYPHUS(シグナス グリファス)」のカラーリングを変更し、2024年モデルとして9月24日に発売します。
2024年モデルでは、”マットブラック”と”ブルー”、”ホワイト”、”ブラック”の全4色の展開です。”マットブラック”は足回りにレッドを用いて、路面に食らいつくようなスポーツ性を表現したカラーです。また”ブルー”はこれまでと同様に、スーパースポーツの「YZF-R」シリーズとリレーションを図りながら、フロントパネルとフェンダーのグラフィックを際立たせることで、スポーティなイメージをさらに高めています。さらに、”マットブラック”と”ホワイト”、”ブラック”では、新たにシートのステッチとCYGNUSロゴにレッドをあしらうなど、シンプルな中にも力強さを表現しています。
水冷・124cm³の”BLUE CORE*”エンジンを搭載した「CYGNUS GRYPHUS」は、”Advanced Total Performance Sport”をコンセプトに開発。パワフルな走行性能と高い環境性能、そして通勤や通学など幅広い用途での利便性を追求したパッケージで発売以来、原付二種市場で支持を得ています。
※ BLUE CORE:ヤマハ発動機株式会社は、”走りの楽しさ”と”燃費・環境性能”の両立を高次元で具現化するエンジン設計思想として、2014年より”BLUE CORE” を掲げています。この思想は高効率燃焼、高い冷却性、ロス低減の3点にフォーカスして性能実現を図るもので、「CYGNUS GRYPHUS」のエンジンもこの”BLUE CORE”思想に基づき開発しました。商標登録第5676267号。
- 名称
- CYGNUS GRYPHUS
- ●カラー
- マットブラック2(マットブラック)
- ディープパープリッシュブルーメタリック C(ブルー)
- ブルーイッシュホワイトパール 1(ホワイト)
- ブラックメタリック X(ブラック)
- 発売日
- 2024年9月24日
- ●メーカー希望小売価格
- CYGNUS-X 374,000円(消費税抜き本体価格340,000円/消費税34,000円)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- ●販売計画台数
- (年間、国内) 3,000台