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難しいコンデションの中、ジュニアライダー達は多くの経験を積む

2024 MiniGPジャパンシリーズ第3戦
茨城県・筑波サーキット1000

 MiniGPジャパンシリーズ第3戦は、茨城県・筑波サーキット コース1000での開催となった。梅雨入りしたばかりで朝から雨となる。フリー走行は雨が上がり、ウェットからドライへと変化する中で、3回の走行が行われた。

 レース1のグリッドを決める予選1回目はドライとなり、スリックタイヤでのアタックとなった。このセッションでは、#04国立和玖(12歳)が37秒805でポールポジション。大治郎カップ出身で、今季から参戦を開始した#03田中楓人(12歳)が38秒213で2番手に付ける。3番手に#08知識隼和(12歳)が38秒303を記録する。4番手に#07吉原寅之介(12歳)が38秒364、5番手に#13若松汐(11歳)が38秒814と続いた。

 レース2のグリッドを決める予選2回目は、雨が落ち始めるが、#04国立が37秒625とタイムを短縮してダブルポールポジションとなる。2番手に#07吉原が38秒100で続き、3番手に#03田中が38秒136となり、4番手に#13若松が38秒190、#08知識は38秒257で5番手となる。


 レース1決勝は本降りの雨となる。#04国立がトップに立ち、#03田中、#08知識、#07吉原、#09真木來人(11歳)と続く。#04国立に#08知識と#07吉原がついていくが、#03田中は序盤に転倒してしまう。#04国立、#08知識、#07吉原がトップ争いを繰り広げるが、#07吉原が転倒し、トップ争いは#04国立と#08知識。3番手浮上した#09真木も転倒。知識は追い上げるが#04国立がトップでチェッカーを受ける。

 参戦17台中、転倒8台のサバイバルレースで、至る所で黄旗が振られていた。#04国立は、その黄旗区間の追い越しのペナルティで3ポジション下がり4位。#08知識が優勝となり開幕5連勝。5連勝は、MiniGP始まって以来の快挙となる。だが、アドバイザーの長島哲太は「記録としては残るけど、認められないな」と愛の鞭、ペナルティで得た勝利ではない勝ちで知識は力を示さなければならない。2位は#11蘇勇太(11歳)、3位は#16高江洲湊都(10歳)が入った。ふたりとっては初表彰台となる。

 レース2決勝も強い雨となりスタート直前にエンジンストールした車両があり、レースディレイでスタートが切られた。#03田中が好スタートを切るが、#04国立がトップを奪い、2番手に#03田中、3番手に#07吉原、4番手に#08知識、5番手に#13若松と続く。#08知識は、すぐに2番手浮上して#04国立を追うが、#04国立はトップを独走し、2番手以下を突き放し、そのままチェッカーを受けて今季初優勝。#08知識が2位となり、#07吉原が3位となった。

 国立は「今回は調子もよく予選もポールを獲ることができましたし、レース1もトップでゴールできたのですが、ペナルティで4位。レース2は気持ちを切り換えて集中して走りました。残り2戦4レースは全て勝つつもりで臨みます」と悔しいレース1を乗り越えてレース2では独走優勝を飾った。


 開幕戦筑波ではダブルウィンを飾った知識は「今回はドライで調子が悪く、決勝は雨の方が良いと思っていました。レース1はペナルティがあっての優勝で、レース2は2位と悔しい。でも、チャンピオンシップを考えれば、しっかりゴールできたことはよかったと思います。チャンピオンを獲って、ワールドシリーズで勝つことを目標だから」とランキングトップを守った。


 レース1で2位に入はいった薮は「ウエットコンディションは得意じゃないし、自分の実力で2位になったとは思ってないけど、初めての表彰台はめちゃくちゃ嬉しい。レース2の前に2位になったことを教えてもらって、レース2でも頑張ろうと思ったら緊張して肩に力は入って固くなってしまった。うまく走れなくて……。次は、ちゃんと自分の力で表彰台に登れるように頑張りたい」と語った。表彰台はツナギで、と言われ、着替えようとしたら長島から「そのままでも良いよ」と声をかけられ表彰台へ。シャンパンファイトでは笑顔を見せた。レース2は8位となった。

 レース1で3位となった高江洲は「ウエットコンディションは初めてで、レース1はスタートで出遅れたけど、集団の中をしっかり走り切ることができた。レース2が終わってからレース1が3位ということを知ったので、ちょっとびっくりして嬉しかった。次も表彰台に上がれるように頑張る」と語った。レース2は13位でチェッカーを受けた。

 レース1は転倒リタイヤとなったが、レース2 はしっかり走り切り3位となった吉原は「レース1はヘアピン手前で転倒してしまいリタイアになってしまいました。マシンが大破してしまい、短い時間で、修復してくださったメカニックや関係者の皆様に感謝します。そのおかげで3位になることができました。ありがとうございました」と表彰台から感謝を伝えた。

 長島哲太は「難しいコンデションの中で、みんな、よく頑張ったと思います。天気の変化は仕方がないですが、それを経験できて良かったと思います。上に上がれば失敗は許されないけど、まだ、失敗が許される時です。次は、転ばないために、どういう練習が必要か、何のために練習するのか、目的を持たないと成長は出来ない。MiniGPにはアドバイザーがいて、卒業した先輩もいる。疑問に思うことをなんでも聞いてほしい。それを盲目的に信じるのではなく、何人かに聞いて、自分が正しいと思うことを試して、良いと思うことを取り入れていってほしい。才能があるから、ここにいる。でも、世界に行くライダーは才能があって、死に物狂いで努力している。それを忘れずに、次に会う時は成長した姿を見せてほしい」とエールを送った。

 天候不順で、運営側も無事にレースが出来るように雨の中を走り回った。主催者の中込氏は「スリックタイヤからレインタイヤへと変更する必要が出て、メカニック、オフィシャルとたいへんなレースになりました。レースディレイがありましたが、それでも、クイックに対応して、安全にレースを終えることが出来ました。子供たちに負けないように、私たちも成長しています。次のレースも熱中症の心配がある夏の大会になりますが、よろしくお願いいたします」と語った。

 MiniGPは残り2戦・4レース。第4戦は初開催となる近畿スポーツランドで行われる。

https://www.youtube.com/watch?v=lZ-XzDtr0VQ&t=2s

(レポート:佐藤洋美)






2024/07/09掲載