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原付

青春のゼロハンスポーツ図鑑Vol.2 HONDAその2(2スト編)

スーパーゼロハン登場

1979年4月 MB50

命題は他メーカと同じバイクは作らない。ホンダらしいものを」「難しいことを言わず、とにかく欲しいものを作ってみよう、出してみよう」「少年の夢を叶えよう。50だからできる事をやろう。のびのび威張って乗れ、しかも目立つデザイン。結論としてはレーサーのイメージ、つまりRCBをイメージ」というような環境で、のびのびと開発されたホンダ初の2スト原付スポーツは、シート下まで続く燃料タンクや電装系などを重心近くに配置したX型バックボーンフレームと呼ばれる個性的なルックスに、「ホンダがつくるからには、『スーパー2サイクル』といえるエンジンを創ります」と雑誌広告に謳ったエンジンは、1軸バランサー、燃焼室集中冷却シリンダーヘッド、吊鐘型燃焼室を持った当時クラス最強の7馬力。125クラス並の大柄なボディ、コムスターホイール、セパレートハンドル風の前傾ライディングスタイルなど、若者のハートをがっちりと掴む大ヒット作となり、原付スポーツモデル競争激化の発端にもなった。

1979年4月 MB50 ヒーリオスレッド
1979年4月 MB50 ヒーリオスレッド
1979年4月 MB50 セラミックホワイト
1979年4月 MB50セラミックホワイト
1979年4月 MB50 ブラック
1979年4月 MB50 ブラック
●エンジン︰空冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●内径×行程︰39.5×41.4mm ●最高出力︰7PS/9000rpm ●最大トルク︰0.56kg-m/8000rpm ●圧縮比:7.9 ●変速機︰5段リターン ●全長×全幅×全高︰1880×655×980mm ●軸距離︰1215mm ●燃料タンク容量︰9L ●車両重量︰87kg ●タイヤ前・後︰2.50-18-4PR・2.50-18-4PR ●車体色:ヒーリオスレッド、セラミックホワイト、ブラック●発売当時価格︰136000円

セミアップハンドルもラインアップ

1980年6月 MB50

新たにセミアップハンドルモデルを追加すると共に、グラフィックも変更しシートにMB5のネームが入った。セミアップハンドルは主要諸元が全幅705mm、全高1025mmに変更。価格は共に142000円にアップ。車体色はブラックとヒーリオスレッドの2色になった。2月には二人乗りができる78cc、9.5馬力のMB-8(152000円)も加わった。

1980年6月 MB50 ブラック
1980年6月 MB50 ブラック
1980年6月 MB50 セミアップハンドル仕様 ヒーリオスレッド
1980年6月 MB50 セミアップハンドル仕様 ヒーリオスレッド

水冷にフルモデルチェンジ

1982年3月 MBX50

MB50で原付スポーツ競争をリードしたホンダが送り込んだ2スト第二弾は、すべてを新設計とした意欲作。エンジンは整流板付4葉リードバルブ付きの水冷となり0.2psのパワーアップ。フレームはセミダブルクレードルフレームで、リアにはプロリンクサスを採用。大容量12リットル燃料タンク、テールカウルと一体化したウインカー、アルミブーメランコムスターホイール、フロントブレーキはデュアルピストンキャリパー、電装の12V化などによりフルモデルチェンジとなった。車体色はコルチナホワイト、モンツアレッド、ブラックの3色。

1982年3月 MBX50 モンツアレッド
1982年3月 MBX50 モンツアレッド
1982年3月 MBX50 ブラック
1982年3月 MBX50 ブラック
1982年3月 MBX50 コルチナホワイト
1982年3月 MBX50 コルチナホワイト
●エンジン︰水冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●内径×行程︰39×41.4mm ●最高出力︰7.2PS/8500rpm ●最大トルク︰0.65kg-m/7500rpm ●圧縮比:7.3 ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高︰1920×675×1000mm ●軸距離︰1255mm ●燃料タンク容量︰12L ●乾燥重量︰79kg ●タイヤ前・後︰2.50-18-4PR・2.75-18-4PR ●車体色:コルチナホワイト、モンツアレッド、ブラック●発売当時価格︰186000円

60km/h規制対応で馬力ダウン

1984年4月 MBX50

先鋭化する原付スポーツが事故の増加につながるとして、1983年『速度性能の抑制等に関する措置についての通達」が当時の運輸省から出された。認可省庁から出されたこの通達を受け、メーカーの自主規制という形で、新たに販売される原付は最高速度が60km/h以下に規制されることとなった。この対応のために最高出力を5.6馬力にパワーダウンしミッションも5段に変更。その代わりというわけでもないが、オプションで設定されていたスポーティなアンダーカウルが標準装備となり、メーターパネルは透過光式、バッテリー容量もアップした。車体色はシャスタホワイト、ブラックの2色に。

1984年4月 MBX50 シャスタホワイト
1984年4月 MBX50 シャスタホワイト
1984年4月 MBX50 ブラック
1984年4月 MBX50 ブラック
●エンジン︰水冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●内径×行程︰39×41.4mm ●最高出力︰5.6PS/6500rpm ●最大トルク︰0.63kg-m/6000rpm ●圧縮比:7.3 ●変速機︰5段リターン ●全長×全幅×全高︰1920×675×1000mm ●軸距離︰1260mm ●燃料タンク容量︰12L ●乾燥重量︰81kg ●タイヤ前・後︰2.50-18-4PR・2.75-18-4PR ●車体色:シャスタホワイト、ブラック●発売当時価格︰189000円

7.2馬力に復活

1985年11月 MBX50F

車名にFが追加されたこのモデルから速度リミッターを装着、最高出力は5.6PSから7.2PSへと復活した。価格は9千円アップしたが、新たにミニカウルが追加された。ウイングマーク付きのニューグラフィックとなり、車体色はルミナスレッド、ブラック。パワーは復帰を果たしたものの、一度牙を抜かれた原付スポーツにかつての勢いはなく、この後1986年7月に道交法が一部改正され、原付のヘルメット着用と二段階右折が義務化されたことも重なり、原付スポーツ市場は急速に冷えこんでいく。

1985年11月 MBX50F ブラック
1985年11月 MBX50F ブラック
1985年11月 MBX50F ルミナスレッド
1985年11月 MBX50F ルミナスレッド
●エンジン︰水冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●内径×行程︰39×41.4mm ●最高出力︰7.2PS/8500rpm ●最大トルク︰0.65kg-m/7500rpm ●圧縮比:7.3 ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高︰1920×675×1105mm ●軸距離︰1255mm ●燃料タンク容量︰12L ●乾燥重量︰82kg ●タイヤ前・後︰2.50-18-4PR・2.75-18-4PR ●車体色:ルミナスレッド、ブラック●発売当時価格︰198000円

エアロスタイルにフルモデルチェンジ

1987年2月 NS50Fエアロ

CBR1000やCBR750に採用された、フルカバードのエアロデザインをイメージしたニューデザインへとフルモデルチェンジ。ハーフフェアリング、小物入れ付きのシートカウル、S字断面スポークのアルミキャストホイール、30W/30Wハロゲンヘッドライト、エアプレーンタイプのガソリンタンクキャップ、サイレンサー別体式チャンバーなども新たに採用された。

1987年2月 NS50Fエアロ ファイティングレッド
1987年2月 NS50Fエアロ ファイティングレッド
1987年2月 NS50Fエアロ アテッサブルー
1987年2月 NS50Fエアロ アテッサブルー
●エンジン︰空冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●内径×行程︰39×41.4mm ●最高出力︰7.2PS/8000rpm ●最大トルク︰0.65kg-m/7500rpm ●圧縮比:7.2 ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高︰1855×630×1065mm ●軸距離︰1260mm ●燃料タンク容量︰10L ●車両重量︰92kg ●タイヤ前・後︰2.75-17-4PR・3.00-17-4PR ●車体色:ファイティングレッド、アテッサブルー●発売当時価格︰209000円

出力特性を改善

1988年2月 NS50Fエアロ

ポート形状、排気タイミング、キャブレター、マフラー形状の変更などによって燃焼効率を向上させた。最高出力は変わらず7.2馬力だが、発生回転数が8000回転から10000回転に変更され、多孔式のブレーキディスクやニューパターンタイヤが新たに採用された。車体色はシックなグラニットブルーメタリックと、HRCカラーをイメージしたファイティングレッド。価格は215000円にアップ。

1988年2月 NS50Fエアロ ファイティングレッド
1988年2月 NS50Fエアロ ファイティングレッド
1988年2月 NS50Fエアロ グラニットブルーメタリック
1988年2月 NS50Fエアロ グラニットブルーメタリック
●エンジン︰空冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●内径×行程︰39×41.4mm ●最高出力︰7.2PS/8000rpm ●最大トルク︰0.65kg-m/7500rpm ●圧縮比:7.2 ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高︰1855×630×1065mm ●軸距離︰1260mm ●燃料タンク容量︰10L ●車両重量︰92kg ●タイヤ前・後︰2.75-17-4PR・3.00-17-4PR ●車体色:ファイティングレッド、グラニットブルーメタリック●発売当時価格︰209000円

デュアルヘッドライトを採用

1989年1月 NS50Fロスマンズカラー
1989年2月 NS50F

18W/18W×2の淡黄色クリプトンバルブを使用した一体型のデュアルヘッドライトを新たに採用。車体色はロスホワイトとグラニットブルーメタリックU。スタンダードモデルより一足早く1月にロスマンズカラーを4000台の限定で発売。価格は共に225000円。主要諸元に変更はない。

1989年1月 NS50F ロスマンズカラー
1989年1月 NS50F ロスマンズカラー
1988年2月 NS50Fエアロ グラニットブルーメタリック
1989年1月 NS50F ロスホワイト
1988年2月 NS50Fエアロ グラニットブルーメタリック
1989年1月 NS50F グラニットブルーメタリックU

最終型はカラー変更のみ

1990年2月 NS50F

NS50Fの最終型は、ブラックとロスホワイトにカラー変更。主要諸元、価格は変更なし。

1990年2月 NS50F ロスホワイト
1990年2月 NS50F ロスホワイト
1990年2月 NS50F ブラック
1990年2月 NS50F ブラック

原付スポーツ初のメットイン

1991年2月 NS-1

原付スポーツバイクとしては初めて燃料タンク部分にセンタートランクを装備し、メットイン機能が追加されたNS-1へとフルモデルチェンジ。燃料タンクはシート下に配置し、給油口はリアカウル上部に配置された。エンジンはNS50F系の流用だが、マフラーやエアクリーナーは新設計。デザインはNSRシリーズのイメージを踏襲している。車体色は当初ブラックとロスホワイトの2色であったが、翌年1月にブラッシュカラーのロスホワイト×ファイティングレッドが追加された。

1991年2月 NS-1 ブラック
1991年2月 NS-1 ブラック

1991年2月 NS-1 ロスホワイト
1991年2月 NS-1 ロスホワイト
1992年1月 NS-1 ロスホワイト×ファイティングレッド
1992年1月 NS-1 ロスホワイト×ファイティングレッド
●エンジン︰空冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●内径×行程︰39×41.4mm ●最高出力︰7.2PS/10000rpm ●最大トルク︰0.65kg-m/7500rpm ●圧縮比:7.2 ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高︰1905×670×1080mm ●軸距離︰1295mm ●燃料タンク容量︰8L ●車両重量︰101kg ●タイヤ前・後︰90/80-17 46P・100/80-17 52P ●車体色:ロスホワイト、ブラック●発売当時価格︰279000円

カラーリングを変更

1993年2月 NS-1

カラーリングをロスホワイト×ファイティングレッド、ブラック×パープルに変更。主要諸元に変更はないが、価格は1万円アップの289000円。

1993年2月 NS-1 ロスホワイト×ファイティングレッド
1993年2月 NS-1 ロスホワイト×ファイティングレッド
1993年2月 NS-1 ブラック×パープル
1993年2月 NS-1 ブラック×パープル

カラーリングの変更とスペシャルモデル発売

1994年1月 NS-1

車体色名称はロスホワイト×ファイティングレッド、ブラック×パープルと変更はないが、グラフィックを変更。同時にロスマンズカラーを4000台の限定で発売。主要諸元に変更はないが、価格は292000円にアップ。スペシャルカラーは299000円。

1994年1月 NS-1 ロスホワイト×リアルブルー(ロスマンズ)
1994年1月 NS-1 ロスホワイト×リアルブルー(ロスマンズ)
1994年1月 NS-1 ロスホワイト×ファイティングレッド
1994年1月 NS-1 ロスホワイト×ファイティングレッド
1994年1月 NS-1 ブラック×パープル
1994年1月 NS-1 ブラック×パープル

デュアルヘッドライトを採用

1995年2月 NS-1

大型アッパーカウルに、クリプトンバルブ12V18W×2のデュアルヘッドライトを新たに採用し、RVFイメージのカラーリングにモデルチェンジ。車体色はロスホワイトとブラック。価格、主要諸元に変更はないが、より扱いやすい出力特性へと変更された。

1995年2月 NS-1 ロスホワイト
1995年2月 NS-1 ロスホワイト
1995年2月 NS-1 ブラック
1995年2月 NS-1 ブラック

車体色を変更

1996年1月 NS-1

車体色の表記はブラックとロスホワイトで前型と同じだが、色使いが変更された。価格、主要諸元に変更はない。

1996年1月 NS-1 ロスホワイト
1996年1月 NS-1 ロスホワイト
1996年1月 NS-1 ブラック
1996年1月 NS-1 ブラック

カラーリングを変更

1996年12月 NS-1

スパークリングシルバーメタリックを追加。ロスホワイトはホイールカラーなどを小変更して継続、ブラックは廃止された。主要諸元、価格に変更はない。

1996年12月 NS-1 スパークリングシルバーメタリック
1996年12月 NS-1 スパークリングシルバーメタリック
1996年12月 NS-1 ロスホワイト
1996年12月 NS-1 ロスホワイト

カラーを追加

1998年1月 NS-1

ロスホワイトに代わってピュアレッドを追加。スパークリングシルバーメタリックは継続、これがMB50から脈々と続いたホンダ2スト原付スポーツの最期となった。主要諸元、価格に変更はない。

1998年1月 NS-1 ピュアレッド
1998年1月 NS-1 ピュアレッド

[青春のゼロハンスポーツ図鑑Vol.1 HONDAその1(4スト編)|Vol.2 HONDAその2(2スト編)|Vol.3 YAMAHAその1(空冷編)]

2017/08/14掲載