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「オートバイ文化人倶楽部」が明治神宮で安全祈願

 明治天皇を祭る明治神宮は、初詣では日本一の参拝者数で知られている。70平方メートルの広大な鎮守の杜は、神宮創建にあたって全国から献木された約10本を植栽し「永遠の杜」を目指して造成された人工林だ。森厳な神気が静かに人々の祈りを包み込む。そこに「オートバイ文化人倶楽部」のメンバーが駆るバイクのエンジン音が響いた。

 「オートバイ文化人倶楽部」は昨年8月19日のバイクの日に能楽囃子大倉流大鼓の大倉正之助(重要無形文化財総合認定保持者)が中心となりバイク好きの文化人、学者が集まり活動を開始した。大倉氏は「世界有数のオートバイ生産国であり、世界で活躍するライダーを輩出する日本で、オートバイの歴史、人間の歴史、文化の歴史をリスペクトしたオートバイ文化の確立」を掲げている。


 大倉氏はバイク好きであり、過去には鈴鹿8時間耐久のオープニングに和楽器の鼓を打ち、安全祈願した姿で知られている。鈴鹿8耐が縁でつながった世界耐久選手権で2005年~06年と2連続でチャンピオンを獲得したレジェンド北川圭一は、副代表を務めている。

 その北川がイデミツ・ホンダ・チーム・アジア監督の青山博一を招待して倶楽部員と共に「安全祈願」した。明治神宮事務局長の水谷敦憲氏は「明治天皇は馬がたいへんお好きだったことで知られており、現在の鉄馬、バイクの安全祈願は意味深いこと。車の安全祈願に来られる方は多くいますが、オートバイの祈願も行っています」と語った。


 祈願後は倶楽部員の前で大倉氏が鼓を打ち、霊験な音を響かせた。その後は北川、青山を加えてトークショーが行われた。北川から今季のタイトル獲得について聞かれた青山は「安全と共に今季のロードレース世界選手権でのチームの活躍を祈願しました。小椋藍が昨年はMoto2でランキング2位となり、今年こそチャンピオンと期待されていますが、新たなライバルも現れるでしょうし、シーズンの流れも大切ですし、厳しい戦いが始まります」と答えた。

 シンガーの円道一成氏から「一般ライダーが危険を回避するためには何が必要か」という質問に、青山は「広い視野を持って予測すること、不測の事態に常に対応できる視野が大事」と語った。北川は「スキルを磨くことが大事、何かあった時に回避できる技術を学ぶこと。いいところを見せようという気持ちが一番いけない」とアドバイスした。

 北川同様副代表を務める国広ジョージ(建築家、国士舘大学名誉教授、清華大学客員教授副代表)や宮澤伸幸(一般社団法人SEA 代表理事・信濃国単車神社 神主)らもバイクへの楽しみ方を語り、終始、和やかな時間が流れた。

 大倉氏は「みなさんの協力で、明治神宮で安全祈願をすることが出来たことに感謝します。これからも、バイク文化の輪を広げたい」と語った。全日本ロードの解説としても活躍する北川は倶楽部員に「モトGP、全日本ロードの応援もお願いします」と語り、この活動を通じてバイクファン、レースファンを増やし、理解してもらいたいと語った。

 倶楽部員は募集中、現在の会員は40名程度。8月19日のバイクの日に箱根神社への参拝ツーリングは決行予定。参拝後は温泉へと話しが盛り上がっていた。

オートバイ文化人倶楽部
https://bike-bunkajin.com/

(レポート:佐藤洋美)







2023/01/30掲載