YAMAHA YZ450F/YZ250F/YZ250F Monster Energy Yamaha Racing Edition/YZ250F/YZ250/YZ125 Monster Energy Yamaha Racing Edition/YZ125/YZ85LW/YZ85/YZ65 車両解説
大幅なモデルチェンジは、250と450で年を違えて交互に実施してきているヤマハの4ストロークモトクロッサー、YZ450FとYZ250Fシリーズ。2023イヤーモデルはYZ450Fがフルモデルチェンジの番でエンジン、フレームとも戦闘力アップの改良が行われた。
概要は、”Synchronizing the YZ with Every Rider”をコンセプトに開発されたモデルで、主な特長は、パワフルで扱いやすい軽量新設計エンジン、新設計クラッチと新トランスミッション、軽快性と安定性を高次元で両立した新設計バイラテラルビーム・フレーム、軽量コンパクトを具現化した外観デザインなど。
また、各モデルとも共通コンセプトである直線的なホリゾンタル・ムーブメントのグラフィックと、ヤマハブルーに異なる色域のブルーを組み合わせたカラーリングが採用された。さらに、YZ250FとYZ125には、ファクトリーマシンのカラーリングイメージを再現した「Monster Energy Yamaha Racing Edition」がラインナップされているのは変わらず。
★ヤマハ ニュースリリースより (2022年9月13日)
モトクロス競技用「YZ シリーズ」2022 年モデルを発売
~「YZ450F」はエンジン・フレームとも5年ぶりのフルモデルチェンジ~
ヤマハ発動機株式会社は、排気量64cm3~449cm3のモトクロス競技用の2023年モデル9機種を10月31日から順次発売します※。
5年ぶりのフルモデルチェンジとなる「YZ450F」は、“Synchronizing the YZ with Every Rider”をコンセプトに開発しました。主な特長は、1)パワフルで扱いやすい軽量な新設計エンジン、2)新設計クラッチと新トランスミッション、3)軽快性と安定性を高次元で両立した新設計バイラテラルビーム・フレーム、4)軽量コンパクトを具現化した外観デザインなどです。
なお、各モデルには共通コンセプトである直線的なホリゾンタル・ムーブメントのグラフィックと、ヤマハブルーに異なる色域のブルーを組み合わせたカラーリングを採用しています。
さらに「YZ250F」「YZ125」は、ファクトリーマシンのカラーリングイメージを再現した「Monster Energy Yamaha Racing Edition」も販売します。
※本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2022年9月13日から12月25日までの期間限定で予約の受付を行います。予約が生産計画を上回る場合は、予約受付期間終了を待たずに受付を終了する場合があります。
- <名称>
- 「YZ450F」
- <メーカー希望小売価格>
- 1,155,000円(本体価格1,050,000円、消費税105,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2022年11月30日
- <名称>
- 「YZ250F Monster Energy Yamaha Racing Edition」
- <メーカー希望小売価格>
- 924,000円(本体価格840,000円、消費税84,000円)
- カラー
- ヤマハブラック(ブラック)
- 発売日
- 2022年10月31日
- <名称>
- 「YZ250F」
- <メーカー希望小売価格>
- 913,000円(本体価格830,000円、消費税83,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2022年10月31日
- <名称>
- 「YZ250」
- <メーカー希望小売価格>
- 781,000円(本体価格710,000円、消費税71,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2022年10月31日
- <名称>
- 「YZ125」
- <メーカー希望小売価格>
- 737,000円(本体価格670,000円、消費税67,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2020年10月9日
- <名称>
- 「YZ125 Monster Energy Yamaha Racing Edition」
- <メーカー希望小売価格>
- 748,000円(本体価格680,000円、消費税68,000円)
- カラー
- ヤマハブラック(ブラック)
- 発売日
- 2022年10月31日
- <名称>
- 「YZ85LW」
- <メーカー希望小売価格>
- 561,000円(本体価格510,000円/消費税51,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2022年10月31日
- <名称>
- 「YZ85」
- <メーカー希望小売価格>
- 561,000円(本体価格510,000円、消費税51,000円)
- カラー
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- 発売日
- 2022年10月31日
- <名称>
- 「YZ65」
- <メーカー希望小売価格>
- 495,000円(本体価格450,000円、消費税45,000円)
- <カラーリング>
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- <発売日>
- 2022年10月31日
- <販売計画>
- 400台(シリーズ合計/国内)
- ※YZシリーズ各モデルは、国土交通省の認定を受けていませんので、ナンバープレートを取得できません。また道路を走行できません。道路を走行すると道路交通法及び道路運送車両法の違反となります。私道、寺の境内、海辺、堤防上、農道、林道など道路の形態を整えていないところでも、人や車が自由に出入り出来るところは道路とみなされます。
- ※保証(クレーム)の対象外製品となります。
- 【YZ450Fの主な特徴】
- 1)パワフルで扱いやすい新設計軽量エンジン
-
吸気経路を徹底的に見直し、ピストン、ボディーシリンダー、クランクアッセンブリー、ドライサンプ潤滑など、多岐にわたって新フィーチャーを織り込みました。これらの相乗効果によりレブリミットが500r/minアップ(出力約5%向上)しています。
エンジン単体では従来から1.1kg軽量化。ボア・ストローク、圧縮比は従来と同様ながら、下記の施策との相乗効果でリニアな出力特性、高回転での伸びなど、性能向上を実現しました。 - ①パワー感をもたらす吸排気ポートまわりの変更
-
吸気ポートの最も細いスロート部形状付近の混合気の流れを円滑化するため、鋳造後に2度の加工を加えてマルチアングルオーバル形状とし、吸入空気量アップを図りました。
同時にチタン製の吸気バルブは、従来のΦ37からΦ39へ拡大、最大リフト時の吸入空気量を従来比で9%アップしています。 - ②ピストン、クランクアッセンブリーを新設計し、軽量化とドライバビリティを向上
-
ピストンは、燃焼室の形状と天面形状を見直し、裏面のリブ形状の最適化を施しました。しました。クランクアッセンブリーも新設計。クランクピン軸受けは、従来のニードルベアリングに替えてプレーンベアリングとして軽量化。コンロッドも新作しています。
クランク外径は従来のΦ117からΦ123に変更。この径拡大により重量効率を改善、慣性モーメント・バランスを維持しながら軽量化を達成しました。さらにクランクウェブは肉抜き加工し、またバランサーを一新して、ドライバビリティを向上、振動低減にも寄与しています。 - ③新気取り入れ通路を一新しリニアなレスポンスとボディのコンパクト化を両立
- 吸気の経路を「サイドカバーとタンクの隙間」、及び「メインシート下」に設けました。新気は、サイドカバー/タンク/フレームに沿って、またタンク/シートに沿って通過。最適な吸気経路を導いたことにより、軽量・スリム化し、天面高も低減。さらに吸気通路への水・埃・泥の浸入も抑制できます。
- 2)新設計のクラッチ、ミッション、シフター
-
クラッチは、スチール製プライマリーギアとアルミ製ハウジングを別体としていた従来式に替え、プライマリーギアとハウジングをスチール製の一体構造としました。クラッチスプリングは、コイルに替えてダイレクト感が特徴の皿バネ式とし、軽量化とナロー化を実現。クラッチ単体では3.14kgから2.39kgへと約0.75kg軽量化しています。またエンジンの左右幅は8.5mm短縮となり、ボディ幅もスリムになりました。
トランスミッションも新設計。メイン軸とドライブ軸間を従来から7mm広げることで各ギアの大径化を図り、強度を高めつつ軽量化も達成。さらにトランスミッションの新作にあわせ、レイアウトを最適化した軽量シフターを新作しました。 - 3)トラクションコントロールシステム初採用
-
走行時に後輪のスリップ量変化をECUにフィードバックし、点火制御で出力を抑えてトラクションを維持するトラクションコントロールを新採用しました。介入度は「OFF」含め3段階に調整可能で、介入度設定はパワーチューナーのアプリ上で行います。デフォルトは「OFF」です。
またローンチコントロール・システムには、スタート時のレブリミット(回転数上限設定)機能を追加。6,000~11,000r/minの間で500r/min刻みで設定できます。 - 4)軽快性と安定性を高次元で両立する 新設計バイラテラルビーム・フレーム
- “スピードを維持したままコーナー進入ができ、旋回中のライン自在度が広いこと”を照準にフレームを新開発しました。倒し込みの軽快感、自然な舵角感、ライン自由度などにも寄与。高次元なバンプ吸収感とコーナーでの俊敏性、回頭性を実現しています。
- 5)シームレス外装に、アクションの自由度を広げるシート、ライディングポジション
-
ボディ外装は、シートエッジからタンク、サイドカバー、シュラウドに至るまでライダーが触れる部分に丸みをもたせシームレス処理しています。また従来のフロント吸気ダクトの廃止により、シュラウドは左右幅を従来比で50mmナロー化。新作タンクは幅を従来比で6mm削減。さまざまなライディングアクションにフィットし、軽快な乗車フィーリングをもたらします。
シートは、アクション自由度を広げるため天面高低差を従来比15mmフラット化。シート後方にはわずかなストッパー形状を織り込んで加速の際のホールド性を考慮しています。
ライディングポジションも一新。従来比でフットレストを5mmダウン、ヒップ〜フット間を10mm拡大、ハンドル位置はパイプ1本分手前に寄せるなど、自然な姿勢を得やすくしました。 -
6)前後サスペンションのセッティングを変更し、トラクション感とバンプ吸収性能を向上
手回し圧減衰アジャスタ追加 - 前後サスペンションは、トラクション感とバンプ吸収性能の向上を照準に減衰特性をセッティングしました。フロントには、工具不要で圧減衰調整できる手回し圧減衰アジャスタを新たに採用しています。さらにインナーチューブ表面劣化を防ぐために強化ダストシールを採用。リップ長をアップし、優れた追従性によりダスト侵入を抑制、オイルにじみのリスクを低減しました。
- 7)軽量コンパクトを具現化した外観デザイン
- “An Amazingly Light YZ” をデザインコンセプトとし、軽快感のアピールやコンパクト化、そしてライダーが体を動かしやすくするために、フロントフェンダーやシュラウドなどのフロント周りを中心に進化・熟成を図りました。YZの特長であるホリゾンタル・ムーブメントも進化。モトクロッサーならではのスピード感を高め、外観からマシンの性能の高さを表現しています。
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主要諸元
車名型式 | – | |
---|---|---|
YZ450F(BHR3) | ||
発売日 | 2022年11月30日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.180×0.825×1.275 | |
軸距(m) | 1.480 | |
最低地上高(m) | 0.350 | |
シート高(m) | 0.965 | |
車両重量(kg) | 109 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費(km/L) | -(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | – | |
エンジン型式 | J351E | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 449 | |
内径×行程(mm) | 97.0×60.8 | |
圧縮比 | 13.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
潤滑油方式 | ドライサンプ | |
潤滑油容量(L) | 1.20 | |
燃料タンク容量(L) | 6.2 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.000 |
2速 | 1.625 | |
3速 | 1.350 | |
4速 | 1.136 | |
5速 | 1.000 | |
減速比1次/2次 | 2.481/3.769 | |
キャスター(度) | 26°55′ | |
トレール(mm) | 120 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M |
後 | 120/80-19 63M | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |