●★スズキ GSX-R125 ABS 車両解説
スズキの125クラスのロードスポーツモデルが22年ぶりの復活を遂げたのは2017年10月。ネイキッド・タイプのGSX-S125 ABSが発売されている。
スズキの“フルサイズ版”125、それもネイキッド・ロードスポーツといえば、1995年にラインナップから消えたウルフ125が最後だったから、実に四半世紀も昔のこととなる。で、一気に飛んで最新のフルサイズ125ロードスポーツは、名称に「GSX-S」が与えられていることからも分かる通り、125クラスながらもまさにスーパー・ネイキッド・シリーズの末弟として位置付けられたモデルだった。
ちなみにプロダクトコンセプトは「The spirit of GSX-R ready for street」。125クラスにスクーターブームを巻き起こしたアドレスシリーズのように、125フルサイズ・ロードスポーツにも新たな風を吹き込むことを使命に開発された。
そして2018年1月、その「The spirit of GSX-R ready for street」コンセプトのど真ん中、フルカウルスポーツとしてのGSX-Rシリーズの最小排気量モデルとしてGSX-R125 ABSが発売開始された。
エンジンは、スーパースポーツGSX-Rシリーズの解析技術などを導入して開発された最高出力11kW/10,000rpm、最大トルク11N・m/8,000rpmを発生する水冷DOHC4バルブ単気筒、124cm3エンジン。6つのセンサーを備え、4穴のインジェクターから2つの吸気ポートへ向けて燃料を噴射し、ツインインジェクター並みの吸気効率向上を図ったインジェクションシステム、直径32mmのスロットルボディ、大容量4.3リッターのエアクリーナーボックスなどを採用と、兄弟モデルのGSX-S125と共通するGSX-Rシリーズの名に恥じないメカニズムを搭載。
車体は、高い剛性と軽量化を実現したダイヤモンドタイプフレームを採用。ペタルディスクやABSを標準装備。軽量10本スポークのホイールに17インチチューブレスタイヤを組み合わせている。
2018年9月に、この“125スーパースポーツ”GSX-R125 ABSがカラーリングを変更して登場。10月にはGSX-S125 ABSもカラーリングの変更を行っている。ともに諸元、メカニズム、そして価格に変更はなかった。また2010年2月には、GSX-R125 ABS、GSX-S125 ABSともにカラーリングの変更だけではなく、ハザードスイッチの追加、メーター表示の変更するなどのマイナーチェンジも行われている。
2021年1月に、GSX-S125 ABS、GSX-R125 ABSともにカラーリングの変更のみで2021年モデルとなっていたが、今回はカラーリングの変更とともに平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応させるモデルチェンジとなった。排気系の改良に合わせてアンダーカウルの形状変更が行われたのもポイントの一つだ。
★スズキ ニュースリリースより (2022年7月12日)
軽量で高性能なスーパースポーツバイクGSX-R125 ABSを
平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応して発売
スズキ株式会社は、軽量で高性能なスーパースポーツバイク「GSX‐R125 ABS」を平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応して、5月11日より発売する。
「GSX‐R125 ABS」は、初心者や若年層にも幅広く楽しんでいただける、GSX‐Rシリーズのエントリーモデルとなる原付二種スポーツバイクである。GSX‐Rシリーズの技術を投入した、高出力の124cm3水冷単気筒DOHCエンジンと軽量でコンパクトな車体により、伸びやかで胸のすくような加速感と、街乗りからワインディングまで、あらゆるシーンにおいて走る楽しさを提供する。GSX‐Rシリーズを踏襲したフルカウルのスタイリングに、前後輪に17インチの大径ホイールと花弁形状のブレーキディスクや、ABSを標準装備した。また、スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけでエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」など、利便性の高い装備を採用した。
- ●主な変更点
- ・平成32年(令和2年)国内排出ガス規制対応
- ・カラーリング変更、アンダーカウル形状の変更
- ・車体色:3色
青:「トリトンブルーメタリック」(YSF)
黒:「タイタンブラック」(YVU)
赤黒:「ストロンガーレッド/タイタンブラック」(GTA) - ●「GSX‐R125 ABS」の主な特長
- エンジン・車体
- ・124cm3水冷4バルブ単気筒DOHCエンジン。GSX‐Rシリーズの解析技術を用いた燃焼室の最適化や、吸気効率の向上、燃料噴射の最適化などにより、最高出力11kW/10,500rpm、最大トルク11N・m/8,500rpmの出力性能と45.8km/L※1の燃費性能を実現。
- ・スムーズな出力伝達を可能にする6速マニュアルトランスミッションを採用。
- ・軽量・高剛性フレームと、GSX‐Rシリーズの技術を投入して設計した、コンパクトな車体レイアウト。ショートホイールベースと、137kgの軽量・スリムなボディーにより、街乗りにおける扱いやすさや、ワインディングにおける高い操縦性を実現。
- ・セパレートハンドルによるスポーティーなライディングポジションと、785mmの低いシート高による良好な足つき性を実現。
- ・前面の表面積を縮小したカウリングにより空気抵抗を低減。
- ※1 国土交通省届出値:定地燃費値(60km/h)2名乗車時。定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
- デザイン
- ・GSX-Rシリーズを踏襲した軽量・スリムでスポーティーなフルカウルのスタイリング。
- 1)LEDを採用したGSX-Rシリーズ共通イメージの縦型2灯ヘッドライト
- 2)ハンドル位置を低くし、ヘッドライトを前方にレイアウトしたシャープなフロントカウル
- 商品名
- GSX-R125 ABS(GSX-R125RMM3)
- メーカー希望小売価格
- 453,200円(消費税抜き 412,000円)
- 発売日
- 2022年7月26日
- 車体色3色
- ストロンガーレッド/タイタンブラック(GTA)、トリトンブルーメタリック(YSF)、タイタンブラック(YVU)
- 価格(リサイクル費用を含む)には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
- ※製造事業者/スズキ・インドモービル・モーター社
- ※製造国/インドネシア
- ※輸入事業者/スズキ株式会社
- ※製造国/インドネシア
主要諸元
車名型式 | 8BJ-DL32D | |
---|---|---|
GSX-R125 ABS | ||
発売日 | 20221年7月26日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.000×0.700×1.070 | |
軸距(m) | 1.300 | |
最低地上高(m) | 0.160 | |
シート高(m) | 0.785 | |
装備重量(kg) | 137 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 45.8(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
43.5(WMTCモード値 クラス2 サブクラス2-1 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 2.6 | |
エンジン型式 | CFA1 | |
CFA1 水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 124 | |
内径×行程(mm) | 62.0×41.2 | |
圧縮比 | 11.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 11.0[15]/10,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 11[1.1]/8,500 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | ウエットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 1.5 | |
燃料タンク容量(L) | 11 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.923 |
2速 | 1.933 | |
3速 | 1.476 | |
4速 | 1.217 | |
5速 | 1.045 | |
6速 | 0.925 | |
減速比1次/2次 | 3.285/3.214 | |
キャスター(度) | 25.5° | |
トレール(mm) | 93 | |
タイヤサイズ | 前 | 90/80-17M/C 46S |
後 | 130/70-17M/C 62S | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク(ABS) |
後 | 油圧式シングルディスク(ABS) | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※4:エンジン出力表示は「PS/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は、「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。( )内は、旧単位での参考値です。