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実証実験「eやんOSAKA」終了 そしてその先にあるのは?
電動二輪車普及に向けた実証実験「eやんOSAKA(えーやんおおさか) 成果と大阪での電動二輪車とバッテリーサービス展開に関する報道関係者説明会」がオンラインおよび大阪大学センテラスサロンで7月4日(月)に開催された。この実証実験でなにがフィードバックされ、今後、どのようなバイクライフにつながるのか、見ていきたい。
■レポート:青山義明




バッテリー交換式二輪EVの可能性を探る

 2020年9月にスタートしたバッテリー交換式二輪EVの実証実験「eやんOSAKA」が実証実験を終えて、その成果の報告会が行われた。
「eやんOSAKA」は一般社団法人日本自動車工業会(自工会)および大阪府、そして大阪大学がタッグを組み、二輪EVの航続距離や充電時間、車両価格や使い勝手といった課題の解決方法としてバッテリー交換式二輪EVが有効であるということを前提に、そのバッテリー交換の利便性の検討や、二輪EVの認知・訴求、二輪EV普及における課題の洗い出しといったことを目的にした実証実験となる。

 これは、自工会の二輪車特別委員会の中にある二輪EV普及検討会の「2025までに国内原付一種市場を中心に二輪EVの普及を進め、電池等を中心として二輪EVの標準化をリードし、アジア諸国の法規整備を支援する」という目的に沿ったもので、具体的には国内バイクメーカー4社が立ち上げた「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」のバッテリー交換システムを使った実験となっている。

 2020年の9月からスタートした実証実験自体は、20台のホンダBENLY e:(原付一種)を使用したもので、3か月間の利用を1期とし計6回(6期)、トータル18か月間で行なわれた(当初は1年間の予定であったものを延長している)。その第2期からは、コンビニのローソンがこの実験に参画。さらに最後の2期にはBENLY e:以外に原付二種モデルのホンダPCXエレクトリック(5台)を追加投入している。
 

一般社団法人日本自動車工業会(自工会)および大阪府、そして大阪大学がタッグを組んだ「eやんOSAKA」。報告会に参加したメンバーは(写真前列左から)大阪大学土井教授、大阪府多田課長、自工会日高委員長、Gachaco渡辺CEO、ローソン樋口シニアマネージャー、(写真後列左から)大阪大学葉助教、経産省自動車課大森氏、自工会和迩常務理事、自工会長田部会長、ALSOK山口氏。

 
 利用対象者は大阪大学の学生や職員で、月額1000円で自由に使える仕組みとなっていた。各期ごとに募集を行い、毎回定員を上回る応募があったという。交換式バッテリーの交換ステーションは大阪大学の吹田キャンパス構内と豊中キャンパス構内にそれぞれ1か所の計2か所。そして近隣のローソン10店舗に設置された。ちなみにこの二輪EVは約10㎏のバッテリーを2つ使用して走行する。2個のバッテリーによる一充電あたりの航続距離は30km/h定地走行テスト値で87km(BENLY e:)となる。

 この実験では延べ130名が利用。大学生が主ということもあって、その過半数となる54.6%が初めてのバイク(二輪車経験無し)だったという。つまり、それまでの自転車や公共交通機関の利用から二輪EVへと利用の変化となったわけだ。結果としては、二輪車についての評価も上がっていたが、EVならではの静粛性や加速性能等もしっかり評価されており、ユーザーの79.5%がポジティブに捉えているという。今後の継続利用・購入意向も強いという結果となった。
 

実証実験自体は2020年の9月からスタート。使用したのは20台のホンダBENLY e:(原付一種)。

 
 実際にその使われ方を見てみると、毎月100㎞~300㎞の走行距離で、1日の走行距離は3~10㎞程度と、ガソリン車と変わらない走行実績が見られる。もちろん、各ユーザーによって利用頻度や走行距離にばらつきはあるものの、バッテリー交換式ということもあって、バッテリーを共同利用することで個々のバッテリーはシャッフルされて使用回数は平準化。極端に劣化が進むバッテリーが出にくくなるという検証もなされている。車体とバッテリーという資産を分離することのメリットも見えてくる結果となった。

 バッテリーシェアリングについては、ユーザーからも「手軽さ」や「充電時間からの解消」、「電欠の心配からの解放」といった点で高く評価されている。このニーズの顕在化が、今年4月の、エネオスとともに二輪メーカー4社が共同で出資したGachaco(ガチャコ)の設立につながり、本格的な普及に向けて一歩踏み出すこととなったとしている。
 実際にガチャコでは、今秋から来年2月にかけて、東京と大阪で交換式バッテリーステーション運用最適モデルの実証事業を開始する。これは、経済産業省の電動二輪車普及支援の一環として、クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金の「電動二輪交換式バッテリー整備・運用モデル構築実証事業」として認定されたもの。
 このガチャコのステーションには、10個のバッテリーが用意され、さらに通信機能を持たせることによってバッテリーがどこで返却・貸出されたか、といったデータも蓄積され、より高度の分析が可能になるという。
 そして来るべきカーボンニュートラルの時代に向けてバッテリー交換インフラの最適配置を図ることとなる。
(レポート:青山義明)

2022/07/05掲載