HONDA CB250R 車両解説
“ストリート・シングル”CB250Rが平成32年排出ガス規制に対応するなどのマイナーチェンジ
CBR250Rが国内でも発売開始されたのは2010年10月。タイで生産していた本格的な250ロードスポーツ「CBR250R」を、日本国内へも導入。その後の国内市場での250スポーツモデル隆盛の一角を担ったのはご存じの通り。
そして2014年4月、ほぼフルモデルチェンジレベルの改良が行われた。フレームと足周りの基本こそ変わらないものの、二眼タイプとなったヘッドライトを採用する新デザインのフロントカウルをはじめ、ミドルカウル、テールカウル、サイドカバーとすべての外装パーツを一新。また、燃料タンクとスクリーン形状も変更。エンジン回りでも、吸気系やバルブタイミングを変更することでの出力アップと、燃費性能の向上、6速ミッションのギア比の最適化などが行われている。
2014年の8月に発売されたCB250Fは、その新型CBR250Rをベースに“ストリートファイター”モデルとして登場したもので、二眼のフルカウルを廃し、一眼の異形ヘッドライトと組み合わせたミニフェアリングへと変更。そしてラジエターシュラウドや、独立したアンダーカウルの採用と定番通りの手法での“ストリートファイター”化。フェアリング以外の主な変更点としては、バーグラフ表示のタコメーターなどを備えた専用メーター、アップライトな形状の専用ハンドルの採用等と、兄貴分のCBR400RとCB400Fの関係に準じた個性化が行われたといえる。
2018年5月には、そのCB250Fがフルモデルチェンジ。エンジンの基本こそ共通だが、運動性能の最大化というのをメインテーマに、軽量化、マスの集中化が図られて、車名も「CB250F」から「CB250R」へと、より走りのグレードの向上をイメージ付けるネーミングに変更された。
2019年4月のマイナーチェンジでは、CB250Rの足つき性を向上させるために前後のサスを変更、メインステップバーの形状も変更。また前モデルで新採用された急制動時の後輪の浮き上がりを抑制する「IMU」(車体姿勢推定システム)付ABSを全車に標準装備とした。
今回のモデルチェンジは、平成32年(令和2年)排出ガス規制に対応と、ショーワ(日立Astemo株式会社)製SFF-BP倒立フロントフォークを採用するとともに、快適性に寄与するアシスト&スリッパークラッチ※1と、利便性を高めるギアポジションインジケーターを採用する変更が行われた。
★HONDA ニュースリリースより (2022年6月9日)
軽二輪ネイキッドロードスポーツモデル「CB250R」の仕様を一部変更し発売
Hondaは、軽量かつコンパクトな車体に高性能な水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ・単気筒249cm3エンジンを搭載した軽二輪ネイキッドロードスポーツモデル「CB250R」の仕様を一部変更し、7月21日(木)に発売します。
●平成32年(令和2年)排出ガス規制に対応
●ショーワ(日立Astemo株式会社)製SFF-BP倒立フロントフォークを採用
●快適性に寄与するアシスト&スリッパークラッチ※1を採用
●利便性を高めるギアポジションインジケーターを採用
今回、CB250Rの倒立フロントフォークには、優れた路面追従性をもたらすSFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)を新たに採用した他、クラッチの操作荷重を低減し、シフトダウン時のエンジンブレーキによる後輪のホッピングを抑制するアシスト&スリッパークラッチを新たに採用。ライダーの疲労低減や扱いやすさなどの快適性に寄与しています。また、メーター内に現在のギアポジションを表示するギアポジションインジケーターの機能を追加することで、さらに利便性を高めています。
カラーリングは、精悍な「マットガンパウダーブラックメタリック」を新たに採用。シックな「マットパールアジャイルブルー」と、鮮やかな「キャンディークロモスフィアレッド」と合わせて全3色の設定としています。「マットガンパウダーブラックメタリック」は、フロントフォークアウターや前後ホイール、ラジエターシュラウド、ヘッドライトリムなど、車体各部をブラックやグレーのカラーリングでまとめ、精悍な印象を際立たせています。「マットパールアジャイルブルー」と「キャンディークロモスフィアレッド」は、フロントフェンダーを主体色と同色としたほか、フロントフォークをブロンズに、前後ホイールはブラウンとしています。
※1 「アシスト&スリッパー」は株式会社エフ・シー・シーの登録商標です
- ●販売計画台数(国内・年間)
- CB250R 合計 2,400台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- CB250R 564,300円(消費税抜き本体価格 513,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には、保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません。
主要諸元
車名型式 | 8BK-MC52 | |
---|---|---|
CB250R | ||
発売日 | 2022年7月21日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.020×0.805×1.045 | |
軸距(m) | 1.355 | |
最低地上高(m)★ | 0.153 | |
シート高(m)★ | 0.795 | |
車両重量(kg) | 144 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 45.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※3 | |
33.7(WMTCモード値 クラス3-1 1名乗車時)※4 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 2.3 | |
エンジン型式 | MC52E | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 76.0×55.0 | |
圧縮比★ | 10.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 20[27]/9,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 23[2.3]/7,750 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 10 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.416 |
2速 | 2.250 | |
3速 | 1.650 | |
4速 | 1.350 | |
5速 | 1.166 | |
6速 | 1.038 | |
減速比1次/2次 | 2.807/2.571 | |
キャスター(度)★ | 24°44′ | |
トレール(mm)★ | 93 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70R17M/C 54H |
後 | 150/60R17M/C 66H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立サス) |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
■製造事業者/Thai Honda Manufacturing Co., Ltd. ■製造国/タイ ■輸入事業者/本田技研工業株式会社
※2 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※3 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※4 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます