今回、このスマートグリッド展に出展したホンダのブースには、ビジネス用電動二輪車シリーズの3台、「ベンリィ e:」、「ジャイロ e:」、「ジャイロ キャノピー e:」が並んだ。といってもこのブースのテーマは電動ビジネスバイクではない。その原動力を担う「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック)」の展示であった。
モバイルパワーパックは電圧48Vの充電池。全高298mm×全幅177.3mm×奥行156.3mmのサイズで、重量は約10㎏。バッテリー容量は1.3kWh、1個当たりのゼロから満充電までの充電時間は約5時間となる。ちなみに電動バイクでは2個を直列に接続させた96V系のシステムで駆動する。
この「モバイルパワーパックの活用拡大」を実際に目に見える形でブースが構成されており、各種参考出品モデルがブース内を埋めることとなった。
ビジネスバイクとともに並んでいたのが、マイクロショベルPC01と名付けられた試作車。そのボディにもあるように建機メーカー、コマツ(小松製作所)が手掛けた小型のショベルカー。その電動モデルのバッテリーとしてモバイルパワーパックを2つ使用したモデルとなっている。
他にも、屋外パワーソースを提供しているデンヨーのスプリットライト投光機や、デンソーのトマト自動収穫ロボット「FARO」も実機が登場し、実際の使用イメージも想起させるものとなった。
そして、定置型の家庭用の蓄電池として、モバイルパワーパック4基を収納できる「Honda Power Storage e: Concept」も展示された。太陽光パネルで発電した電力のバッファとしてモバイルパワーパックも活用できるとしている。使用するモバイルパワーパックも、劣化しモビリティ用途に適さなくなったものの二次利用としても検討できるのではないか、としている。
最近、アウトドアシーンで活用が採り上げられることの多いモバイル電源というような使用イメージの試作機も登場。この「Honda Power Pod e: Prototype」はモバイルパワーパックを1本のみ使用したモデルとなっており、通常の100Vコンセント(口)とUSBのアウトプットを持つ。
このモバイルパワーパック、今後もさらに利用拡大を促進していくとしている。(文・写真:青山義明)