カワサキと共同開発されたスズキ初の4ストローク・モトクロッサー、RM-Z250登場の翌年、2004年シーズンからIA1(国際A級、旧国際A級250cc)に投入されたワークスマシンの市販化モデルといえるのがRM-Z450だった。
新開発された449cm3水冷単気筒DOHC4バルブをアルミツインスパーフレームに搭載。エンジンや車体各部にマグネシウムやチタン素材を導入、2ストローク・エンジン搭載モデル並の車重、取り回しの良さを狙っていた。
2007年10月に、新開発のバッテリーレスフューエルインジェクションシステムを市販モトクロッサーとして、世界で初めて搭載するとともに、トランスミッションの5速化、新設計アルミフレームの採用など大幅な改良が施され、幅広いレベルのユーザーが本格的にモトクロス走行を楽しめる、高性能と扱いやすさを両立させた2008年モデルへと発展している。
その後は、カラー&グラフィック変更程度のマイナーチェンジが繰り返されて来ていたが、2013年モデルで、エンジンの熟成をはじめとする戦力アップへの機能充実のモデルチェンジが行われた。さらに翌2014年モデルで、ECM変更による始動性の向上が行われた。
そして2014年7月発売の2015年モデルで、RM-Z450は、またまたより戦力の大幅なアップを目指してさまざまな熟成が行われた。最大の注目ポイントは、スズキ・ホールショット・アシスト・コントロール(S-HAC)の導入であり、SHOWA製SFF-AIRサスペンションの新採用、約4%の軽量化と剛性アップを果たした新設計メインフレームの採用などなど、ワークスマシンのレプリカとしてさらなる進化が図られた。
2015年9月発売の2016年モデルでも戦力アップの改良が続けられた。軽量化された新設計のフロントブレーキキャリパーが採用され、スズキ・ホールショット・アシスト・コントロール(S-HAC)も制御系をさらに進化させ、より緻密なコントロールを可能とした。2016年9月発売のRM-Z450では、さすがに休む間もなく行われてきた熟成も一休み。RM-Z250と同様カラーリングの変更のみで2017年モデルとなった。
2017年9月には、戦力アップのモデルチェンジサイクルに戻って、新設計のフレームに吸気系をメインとした熟成が行われたアップグレードエンジンを搭載するフルモデルチェンジ。スズキホールショットアシストコントロール(S-HAC)のアップデートや、コイルスプリングに変更されたフロントサス、バランスフリークッション(BFRC)採用のリア周りなど、外観も含めた大幅な改良が行われている。
その後は、2018年9月にデカールの変更が行われ、今回もグラフィックの変更とECMの変更が行われたのみで2020年モデルとなっている。
★SUZUKI ニュースリリースより (2019年9月12日)
4ストローク449cm3モトクロッサー「RM-Z450」を
マイナーチェンジして発売
スズキ株式会社は、モトクロッサー(モトクロス競技車両)の4ストローク449cm3「RM-Z450」をマイナーチェンジして、9月26日より発売する。
RM-Z450は、2005年にスズキ初の4ストローク市販モトクロッサーとして登場した。
その後、2008年にモトクロスマシンでは初のフューエルインジェクションシステムを搭載し、以降もマシン各部の見直しをおこない、2015年にはスズキホールショットアシストコントロール(S-HAC)が装備され、年毎にそのパフォーマンスレベルを高め熟成を重ねてきた。そして2018年には、外観を含め全面刷新をした。
- ●主な変更点
- グラフィックの変更及びECMの変更
- 車体色:1色 黄「チャンピオンイエローNo.2」(YU1)
- ※メーカー希望小売価格・諸元に変更は無い。
- ●RM-Z450の主な特長
- ワークスマシンによって培われた先進技術をフィードバック
- エンジン
- ・吸気系の変更により、エンジン出力とスロットルレスポンスを向上。
- ・スズキホールショットアシストコントロール(S-HAC)※を採用。
- フレーム
- ・「走る・曲がる・止まる」の基本性能を高めるべく開発され、特に「曲がる」性能の強化に重点をおいて開発されたアルミフレームとスイングアームを採用
- サスペンション
- ・フロントサスペンション コイルスプリングを採用
- ・リヤサスペンション バランスフリーリヤクッション(BFRC)を採用
- デザイン
- ・フロントフェンダーからシェラウドにつながるダイナミックなラインは、マシンが持つシャープさ、速さを表現。
- ※スズキ・ホールショット・アシスト・コントロール(S-HAC)
- スタート状況に応じたモードスイッチの選択により、ホールショット獲得及びスタート後のトップ走行を狙いとした機構。A/B/オフの3つのモードから選択が可能。スタートからその後の状況を3つに分解し、各々の段階において最適化を実現した。
- 商品名
- RM-Z450(RM-Z450L9)
- メーカー希望小売価格
- 907,200円(消費税抜き 840,000円)
- 発売日
- 2019年9月26日
- 車体色1色
- チャンピオンイエロー№2(YU1)