HONDA ジャイロ e: 車両解説
ホンダは「e:ビジネスバイク」シリーズの第二弾(第一弾は2020年4月発売の“BENLY e:”)として、ビジネス用電動三輪スクーター“ジャイロ e:”を発売すると発表した。
このモデルは、ジャイロシリーズをベースに、三輪の安定感とバイクの持つ軽快な操縦性を兼ね備えた車体に、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を使用したビジネス用電動三輪スクーターで、法人向けとして3月25日(木)に発売開始するという。
ジャイロ e:の開発コンセプトは、「毎日の配送をより便利で安心なものに ビジネスe:スリーター(三輪車)」。三輪ならではの特徴を活かして、荷物運搬時の低速走行や旋回時の安心感ある走りにくわえ、地面と平行で荷くずれしにくく、低床で荷物の積み降ろしやすさに配慮した大型のリアデッキや、狭い場所や傾斜地での切り返しなどでの利便性を高める後進アシスト機能を採用している。環境意識の高まりの中、集配業務における使い勝手に考慮したビジネス用途向けの原付一種(第一種原動機付自転車)電動三輪スクーターとされている。
★ホンダ ニュースリリースより (2021年3月18日)
Honda e: ビジネスバイク シリーズ第二弾 ビジネス用電動三輪スクーター「ジャイロ e:」を発売
Hondaは、三輪の安定感とバイクの持つ軽快な操縦性を兼ね備えた車体に、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を使用したビジネス用電動三輪スクーター「ジャイロ e:(ジャイロ イー)」を、法人向けに※3月25日(木)に発売します。
ジャイロ e:は、「毎日の配送をより便利で安心なものに ビジネスe:スリーター(三輪車)」をコンセプトに開発。三輪ならではの特徴を活かした、荷物運搬時の低速走行や旋回時の安心感ある走りにくわえ、地面と平行で荷くずれしにくく、低床で荷物の積み降ろしやすさに配慮した大型のリアデッキや、狭い場所や傾斜地での切り返しなどでの利便性を高める後進アシスト機能を採用しています。環境意識の高まりの中、集配業務における使い勝手に考慮したビジネス用途向けの原付一種(第一種原動機付自転車)電動三輪スクーターです。
走行時にCO2排出のない「クリーン」で「静か」な電動モビリティーならではの優れた環境性能に加え、低回転からトルクのあるモーターの特性を活かし、荷物の積載時でも力強くスムーズな発進性能と登坂性能を発揮します。また、高効率を追求した駆動電流の制御技術とあいまって、一充電あたりの走行距離は72km(30km/h定地走行テスト値)を実現しています。
動力用電源には、ベンリィ e:と共通のHonda Mobile Power Packを2個使用しており、充電済みのHonda Mobile Power Packに交換することで、充電されるのを待つことなく走行が可能になります。
Hondaは、環境にも使う人にも優しいHonda e: ビジネスバイク※2シリーズの普及に向けた取り組みを進めることで、より静かでクリーンな生活環境の提供に寄与していきます。
※1 本製品はバッテリーリサイクルの社会的責任の観点から、バッテリーの回収にご協力いただける法人向けの販売とさせていただきます。購入もしくはリースをご検討のお客様は、Hondaホームページの「Honda二輪 法人問合せフォーム」から、お申し込み願います
※2 ジャイロ e:のほか、ベンリィ e:シリーズも含めたHondaのビジネス用電動バイクの総称
- 販売計画台数(国内・年間)
- 1,500台
- メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
- ジャイロ e: 550,000円(消費税抜き本体価格 500,000円)※3
※3価格は、ジャイロ e:車両本体の価格で、走行に必要となるHonda Mobile Power Packおよび専用充電器の価格は含まれておりません。Honda Mobile Power Packおよび専用充電器は、車両本体を購入もしくはリースされた法人を対象にしたリース専用品となります。リース料金は期間・プランなどにより異なります。車両本体・Honda Mobile Power Pack・専用充電器の組み合わせについては、ご商談時に照会ください
- 主な特徴
- ●EVシステム
- ・作動には、エネルギー源であるHonda Mobile Power Pack 2個を直列に接続した96V系の電力を使用。その電力をパワーコントロールユニット(PCU)で三相交流に変換してモーターへ供給し、モーターを駆動させます。
- ・駆動電流をより効率良くモーターへ供給する制御技術を採用することで、モーターのきめ細かなトルク制御を行い、低速時や後進時のスムーズな走行を実現しています。
- ・モーターはアルミ製のケースとカバーの中にステーターとローターを固定しユニット化。モーターの着脱は、ユニットにて行うことができ、メンテナンスのしやすい構造としています。
- ・Honda Mobile Power Packは、シート下のスペースに進行方向に対して左右に配置。着脱機構のハンドルにガイド機能を兼用させることで、2個のHonda Mobile Power Pack同士をより接近して配置させています。
- ・充電は、車体から取り外した単体のHonda Mobile Power Packを外部電源につないだ専用充電器に接続。ゼロの状態から満充電まで約4時間※4です。
- ・一充電あたりの走行距離は、72km(30km/h定地走行テスト値)。最大積載量30kgの荷物を積んだ状態で傾斜15°の登坂性能を実現しています。
- ・後進アシスト機能は、車両が停止状態にある時に、リバーススイッチとスタータースイッチを押すことで作動。取り回しやすさに寄与しています。
- ※4 充電時間は、コンセント接続時の定められた試験条件のもとでの値です。Honda Mobile Power Packの状態、充電時の環境、などの諸条件により異なります
- ●車体
- ・車体前部と後部をつなぎあわせるスイング機構を採用。旋回時には車体前部がスイングしながら、三輪ならではの安心感ある走りを実現しています。
- ・旋回時に生じる左右後輪の回転差を調整するために、ファイナルシャフトと同軸にディファレンシャルギアを装備しています。
- ・荷物の積み降ろしやすさに配慮した低床なリアデッキは、走行中でも地面と平行な状態にあることで荷くずれしにくく、さらに、荷物をロープなどで固定する際などに便利なストッパーバーとロープフックを採用するなど、荷物積載時の扱いやすさを考慮しています。
- ・パーキングロックレバーを操作することでスイング機構と後輪軸を同時に固定する、パーキングロック機構を採用しています。
- ●車体色
- ・クリーンなイメージの「ロスホワイト」と、アクティブなイメージの「ファイティングレッド」の計2色を設定しています。
- ●その他の装備
- ・ヘッドライトは、別売りのフロントバスケットを取り付ける位置の低床化とシンプルでスタイリッシュなデザインを両立させた六角形状とし、省電力に寄与するLEDを採用しています。
- ・メーターパネルには、EVシステムのさまざまな情報を分かりやすく表示。スピードメーターや時計に加え、Honda Mobile Power Packの残量表示のほか、後進時に点灯するリバースインジケーターなどを設定しています。
- ・小物類の出し入れに配慮した、開放タイプのインナーポケットを装備しています。
- ・携帯端末などの充電ができるアクセサリーソケットを装備しています。
主要諸元
車名型式 | ZAD-EF13 | |
---|---|---|
ジャイロ e: | ||
発売日 | 2021年3月25日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.945×0.710×1.030 | |
軸距(m) | 1.360 | |
最低地上高(m)★ | 0.93 | |
シート高(m)★ | 0.710 | |
車両重量(kg) | 141 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 1 | |
一充電走行距離(km)※5 | 72(国交省届出値 30km/h定地走行テスト値 1名乗車時) | |
– | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 1.9 | |
原動機型式・種類 | EF13M・交流同期電動機 | |
– | ||
定格出力(kw) | 0.58※6 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 3.2[4.4]/5,800 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 13[1.3]/2.300 | |
バッテリー | Honda Mobile Power Pack 2個 | |
バッテリー種類 | リチウムイオン電池 | |
バッテリー電圧/容量(V/Ah) | 50.4/20.8 | |
タイヤサイズ | 前 | 90/90-12 44J |
後 | 130/70-8 42L | |
ブレーキ形式 | 前 | 機械式リーディング・トレーリング |
後 | 機械式リーディング・トレーリング | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | ユニットスイング式 | |
フレーム形式 | アンダーボーン |
■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元) ■製造事業者/本田技研工業株式会社
※5 一充電走行距離は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。一充電走行距離は、車速一定で走行した実測にもとづいた値です
※6 道路運送車両法上の第一種原動機付自転車(3輪)に分類