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試乗・解説

色々簡素な「スタンダード」のVストは 11kg軽いエキサイティングなヤツ!V-STROM1050
ちょうど一年前に、Vストローム1000がモデルチェンジして、排気量はそのまま各部を熟成させ、さらに電子制御を満載した「1050XT」へと進化した。もともと良かったものを更に熟成させると同時に電子制御デバイスでライダーをサポートという意味で、今バイク好きを賑わせている新型ハヤブサと同じ手法といえるだろう。しかし、Vストロームには電子制御を簡素化したスタンダードバージョンがあった。キャストホイールを備え、エンジンガードなども省いた「素の」Vストローム1050を検証する
■試乗・文:ノア セレン ■撮影:渕本智信 ■協力:SUZUKI https://www1.suzuki.co.jp/motor/




Vストロームはスズキにとって大切なブランド

 筆者は“Vストローム650愛”を買われ、Vストロームにはいろんな面で関わらせていただいている。去年スペインで行われたVストローム1050の発表試乗会に参加できたし( https://mr-bike.jp/mb/archives/8021 )、浜松で行われてきたVストロームミーティングのMCも務めているおかげで開発者たち、テストライダーなど、多くの関係者とお話する機会が多い。そんな中で何度も聞こえてくるのが「Vストロームはスズキにとって大切なブランド」という言葉だ。

 スズキといえばカタナやGSX-Rといったアイコン的ブランド名があるが、Vストロームもそれらと並んでスズキのメイン商品、メインシリーズ、育てていくジャンルであるというわけだ。国内においてはVストロームの名前はカタナやGSX-Rと比べてしまうとまだ浸透しきっていないかもしれないが、海外においてはこういったアドベンチャーバイクの先駆け的モデルとしても広く認知されていて、既にブランドとして確立されていると言えるだろう。今やアドベンチャーモデルで一般的なクチバシデザインも、Vストロームの祖先、DRがオリジナルなのである。

 だからこそ、去年のモデルチェンジでスズキの他のモデルに先駆けて、Vストローム1050の「XT」には各種電子制御デバイスを投入しまくったのも納得なのである。使い方を限定しないアドベンチャーという性質上、本当にあらゆるシチュエーションを想定しなければならず、サーキットパフォーマンス重視でよいスポーツバイクと比べても、より多角的な電子制御が必要となるはず。そういったことをVストロームでしっかりと突き詰めたからこそ、今、新型のハヤブサにスムーズに電子制御を搭載できているという背景もあるはずだ。

 大切なブランドであると同時に、去年のモデルチェンジではどうやら先行して最新技術を投入していくという使命も背負わされたVストローム。様々な初搭載機能は十分にライダーをサポートしてくれるもの……なのだが、Vストロームはこの最先端のXTの他に、電子制御を最小限にとどめたSTDバージョンも存在する。語られることは少ないが、これは名車の香りがするのである。
 

 

「スズキらしさ」を考える

 2013年にVストロームの650が国内投入された時、なんと素晴らしいバイクだ! と筆者はこれを購入した(「V-STROM650 ABSはこんなに凄い」はコチラ→ http://www.mr-bike.jp/?p=58830※旧PCサイトに移動します)。
「必要にして十分」「質実剛健」「簡素」「充実」「優秀な道具」「身の丈を知る」などといったワードが頭を駆け巡り、趣味だけでなく日々の移動にもバイクを使う筆者としては、優秀な実用車兼週末は楽しいバイクとしてこれ以上のものはない、と決断したのだった。
 筆者のバイクライフスタイルにぴったり合っていたということもあるが、同時になんともスズキらしいとも思った。スズキのイメージは人それぞれではあるだろうが、なんとなくメーカーとして「質実剛健」という言葉がしっくりくる。例えエキサイティングなスポーツバイクでも、どこか実用的というか現実主義というか。一瞬の愉悦よりも長く付き合える「核となる良さ」「機械としての誠実さ」が確かにあるのである。

 そう考えると、新型になったVストローム1050XTはスズキとしてはちょっと頑張っちゃってるのかな、という印象もあった。650愛好家としては、スペイン試乗会でずらりと並んだXTと、その各種装備を事細やかに説明する大量の資料を見ながら「もっとシンプルで良いのに」という気持ちがどこかにあったのだった。
 しかしそこはスズキ、筆者のような人にはシンプルなSTDモデルを用意してくれていたのだ。ABSとトラコン、パワーモードセレクトはあるけれどその他の先進電子制御は未搭載。エンジンガードやセンタースタンドもオプション設定。カラーリングもシンプル。結果として11kg軽量!漏れ聞いたところによると、「最先端のXTだけでなく、シンプルで安価なSTDモデルを設定しろ」というハナシがあったとかなかったとか……。つまり「スズキのシンプルで間違いのない、素敵な商品をちゃんとお客様が買える値段で設定しなければいけない」という考えが上層部にあるということ。この裏話に、筆者はますますスズキファンになった。「最新の電子制御が搭載されていなくとも、新型Vストロームは本当に良いものだ」という自信も見えるし、「シンプルで良いもの」「機械として誠実なもの」を提供しようとする企業姿勢に惚れ込んでしまう。プレミアム路線だけには絞らない、これこそが「スズキらしさ」だと思うのだ。
 

 

シンプルゆえのアクセスのしやすさ

 いざSTDのVストロームと対面する。第一印象としてXTよりもだいぶ小さく感じるから不思議だ。有機的な曲線も多かった先代のデザインに比べると、そもそも1050は直線や面で構成されるルックスが多いためかスマートな印象で、これがまたコンパクトに感じさせる部分だろう。加えてSTDの方はナックルガード、アンダーガード、アクセサリーバー(エンジンガード的パイプ部品)などXTでは標準装備されている部品がみな省略されているため、見た目にスッキリスマート、どこか都会的なシンプルさがある。さらにカラーリングもXTではスズキの伝統や歴史を感じさせる黄色やオレンジに対し、STDはシックな白・黒・グレーの3色。無印良品的なプレーンな印象だ。

 跨ったポジションはXTと共通のハズなのに、しかしやはりSTDの方が小さいような印象を受ける。サイドスタンドから引き起こした時にすぐに気づく軽さと合わせて、650と1050XTの中間のようなサイズ感なのだ。これはより早い段階で自信を持って走らせられるということもあるし、日常的にアクセスしやすくて、実用的に使う人にとっても魅力だろう。アドベンチャーモデルに乗るからには大きな体躯を堂々と見せるのも一つの楽しみ方だが、同じ実力を持ったこのSTDの方はよりスマートに、気軽に楽しめる印象である。都内で走り出し、交通量の多い幹線道路を走っても都会的なシーンにマッチしやすく、またリッタークラスのバイクに乗っていると実感することなく溶け込むことができたのも嬉しい。

 そのストリートでの走りだが、これがまた軽快で楽しい。大きいバイクであることは間違いないが、幅がXTの940mmに対してこちらは870mmと狭く(ナックルガードの有無によるところだろう)、これが交通量の多い所では効いてくる。ハンドル切れ角も大きく、こんなに大きなバイクなのに渋滞路においてもストレスを感じることは少なかった。
 ただ、エンジンのピックアップはかなり鋭いと感じ、「あれ? こんなに速かったかな?」と思う場面もあった。スペインで乗ったXTはパワーの出方がマイルドで、特に速度域の高いスペインのワインディングでは「もっとパワーがあっても良いかな?」なんて思ったこともあったのに対し、このSTDはやたらと速い。11kg軽量であることももちろん効いているだろう。視覚的な小ささに対してこのパフォーマンスだから、そのギャップによるところもあるかもしれない。しかしスペインで乗ったXTでは感じなかった活発さを、STDには感じることがあった。
 

 

確信に変わる「速さ」

 速さとは曖昧なもので、実際にとんでもなく速いものはともかくとしても、公道環境における速さは、速く「感じるかどうか」という部分も大きい。よってひらけたスペインの田舎道と、日本の関東のツーリングスポットでは、そもそもステージが違うという要素も大きいのは間違いないだろう。しかしそれにしたってSTDは活発に感じる。
 ドライブセレクターと呼ばれる、パワーの出方を3段階に変更できる機能がついているのだが、スペインのXTでは常に最もパワフルでダイレクトなAモードで走っていて、さらに上のSPモード(筆者は伝説的じゃじゃ馬モデルでありVストロームの先祖でもあるTLをリスペクトして「TLモードがあればいいのに」と開発者に申し上げたのだが)があってもいいと思ったのに、このSTDではAモードでもちょっと余るようなパワー/レスポンスに感じ、郊外に出るまではBモードやCモードを使ったほどだ。特にアクセルレスポンスはちょっと過敏にすら感じ、特に一般道ではBモードを多用。ちなみにAもBも出力は同じでパワーカーブが異なるだけという違いのため、Bモードでも十二分以上に速い。
 

 
 高速道路に上がるとAモードが楽しい。繊細なアクセルワークをする場面が少ないため、右手に直結、もしくは意図以上に湧き出てくるパワーが楽しくて、Aモードの活発さを満喫できる。そしてここでも「速いな!」と実感させられた。実はスペイン試乗会の直前に、モデルチェンジして1100ccとなったばかりのアフリカツインに試乗していたというのも印象に影響したのだろう( CRF1100L Africa Twinの試乗インプレッション記事はコチラ https://mr-bike.jp/mb/archives/11134 )。1100になったアフリカツインはかなり活発な性格が与えられていて、すぐ後にXTと比較した場合、活発さという部分で印象が薄かったのかもしれない。しかし環境変わって日本でSTDに乗ると、1100のアフリカツイン同等かそれ以上の活発さが感じられ、本格的な峠道に入る前から「かなりエキサイトできちゃうな!」と手ごたえを感じていたのだ。

 高速道路における快適性もさすがである。ウインドスクリーンはSTDではXTのようにワンタッチで高さを変更することはできないのだが、長身(185cm)の筆者でも一番低い、スタンダードの位置で防風性は「ちょうどよい」と感じ、より高い位置に変更したいとは特に思わなかった。
 ポジションはXTと同様、いわゆる殿様ポジションであり、体のどこにも無理がない。タンクはとてもニーグリップしやすくてスリムに感じるし、シートはちょっと硬めではあるものの幅が確保されているため馴染んでくれば長距離にも対応してくれるだろう。ハンドル位置も上半身がリラックスできるところにあり、かつ大きなバイクを効果的に操作できる幅が確保されているため素早いレーンチェンジ時などに「クッ!」と入力すれば車体がスパッと反応してくれる。これだけ上半身が起きているのにしっかりとフロント周りに荷重がかかっていてスポーティな走りができるのは嬉しい。先の交通状況がよく見渡せるため、ますます安全にペースアップできてしまうし、長距離を淡々とこなすのも、XT同様に全く苦にしないはずだ。
 

 

ダイナミックにワンディングを楽しむ

 かつて1050XTの記事でも書いてきたが、新型になっての大きな変更はフロント周りのしなやかさである。先代の1000はフロント周りの設定がわりとハードで、高速道路を突き進んでいる時は良いものの、細かなワインディングなどではフロント周りの接地感が希薄に思えてしまうことがあった。しかし1050ではサスセッティングの見直しとタイヤの変更によりフロント周りがしなやかになり、速度域の低いワインディングにおける接地感がかなり向上している。

 STDの1050も同様なのだが、こちらは加えて11kg軽いということが効いている。ワインディング路は速度域に関わらず大得意。特に細かな峠道、さらには路面の荒れた舗装林道といったシチュエーションでもフロントがしっかりと路面を捉え、自信をもって積極的に楽しめるのである。このしなやかさはオフ車的でもあるし、Vストローム650的な包容力も感じさせてくれ、XTも含め1050の大きな魅力だと思う。ブレーキも大変良く効き、強大なトルクで加速する時にもいざとなればSTDモデルでもトラコンは備えているのだから、無我夢中に、ダイナミックにワインディングを楽しんでしまえる。Vストロームのこの軽快さや無敵感は細いタイヤによるところもあると筆者は思っている。リアは650と共通の150幅であり、ライバル勢に比べると細めの設定。ヒラヒラとした軽快さはこのタイヤサイズ設定に助けられていると感じるのだ。
 

 
 一方でエンジンは、細かな峠道ではさすがに過ぎると感じた。XTの方ではAモードでも「もっとあっても……」と感じたのは先に書いた通りだったが、STDでは、Aモードのツキが少し過敏に感じてしまう場面が、特に細かな峠道では感じられた。いわゆる「ドンツキ」、アクセルをジワリと開けたいのに、こちらの意図以上にグッ!と駆動がかかってしまい車体の姿勢が乱れてしまうというアレである。結果、ワインディングが細かくなるにしたがってBモードに変更することになった。Bモードは最高出力はAと同じなのだが、ツキが優しくなって、途中のパワーの盛り上がりもフラット、Aが山なりに最高出力に向かうのに対してBはもっと直線的にそこに向かうのである。特に荒れた舗装といった場面では、Aモードではどこにすっ飛んでいっちゃうかわからないような感があったため、Bモードの方が現実的に楽しめるだろう。なおCモードは雨天時などを想定されたもので、明らかなパワーダウンが感じられるためドライ路面ではあまり使う機会はなさそうである。
 

 

毎日使いたい人・実をとる人

 少なくとも国内においては、このVストローム1050はSTDよりXTモデルの方がよく売れているそうだ。やはり「どうせなら心理」が働くのだと思う。XTは物理的にSTDではオプション設定の様々なパーツが純正装着され、そして何よりも後付することはできない最新の電子制御技術がふんだんに備わっているのに、価格差は約9万円しかないのだ。「だったらXT買うでしょう!」というのが自然だというのもわかる。

 しかしここまで書いてきたように、今回の試乗で「スズキらしさ」や「Vストロームらしさ」は、むしろSTDモデルに宿っていると感じた。加えて11kg軽いことによる軽快な運動性や付き合いやすさも魅力だし、筆者のように日常的に、場面を限定せず使いたい人にとってはあまり目立たないというか、都会的なシンプルでシックなたたずまいも魅力に思える。そして実感として「XTには備わっているあの電子制御がないのは……本当に困る!」と感じた部分は一つもなかったのである。電子制御はあくまでサポート的なものであり、Vストローム1050には素の良さがしっかりと備わっていると再確認できた試乗だったのだ。
 たった9万円の差、これが判断を難しくするのだが、もしVストローム1050シリーズを購入検討するなら、簡素だからこそのSTDの魅力にも、是非とも目を向けてみていただきたい。
(試乗・文:ノア セレン)
 

 

STDモデルはこの白の他、グレー、黒の3色展開で、いかにも「アドベンチャー!」というアピールはなく、とてもスマートで主張の少ないルックスとなっていると感じる。アドベンチャーモデルというよりは、優秀な実用車といったイメージすらある。ポジションもまた極ナチュラル・極ニュートラルであり疲れ知らず。先代に比べるとシートの厚みが減らされたようでいくらか硬めに感じるが、開発者曰く「ナラシが必要なシート」だそうで、乗り込んでいくうちにしなやかさが出るそうだ。足着きは車格なりではあるが、サスが沈み込むため特別厳しく感じることはなさそう。一方でちょうど足を降ろしたいところにステップがあるため、ステップの前か後ろかに足を降ろそうか悩むところだ。(※ライダーの身長は185cm。写真の上でクリックすると両足着き時の状態が見られます)

 

車名は去年のモデルチェンジで1050となったが、エンジンの排気量は変わらず1036cc。先代が非常に低い回転域で最大トルクを発揮する、かつての油冷エンジンのような味付けだったのに対し、このモデルではカムの変更やスロットルボディの大径化などにより、最大トルク発生回転数は6000RPMへと高められた。ただだからといって実用域に細さを感じるといったことはなく、全域で力があるエンジンであるし、軽量なSTDモデルにおいてはあらゆる場面で直感的に「速い」と感じさせてくれる。XTではアンダーカウルやエンジンガード(正式にはアクセサリーバーという商品)が標準装備されるが、STDではこれらに加えセンタースタンドもオプション設定だ。

 

STDの特徴はキャストホイールであることが大きいだろう。タイヤサイズやブレーキの設定はXTと全く同じ。1050シリーズになってからはフロントフォークの設定とフロントタイヤ銘柄の変更によりフロント周りにしなやかさが加わった。これはフレームの剛性を変えたかな? と感じるほどの変化で、特に路面が悪い所においては豊富な接地感を提供してくれる。なおブレーキ周りは先代から変わっていないが、これらの変更によりかつてはかなりシャープな効きだったブレーキタッチも柔らかな印象に代わっているのだから不思議だ。柔らかなタッチとはいえ、握れば強烈に効くのは変わらない。

 

 

リア周りは先代とも変わらず、またXTとSTDもキャストホイールの違いぐらいで共通だ。1050というVストロームシリーズ最大排気量でも非常に軽快な運動性を見せるのは、150幅という、650と同じサイズのタイヤが装着されているということもあるだろう。排気音はとても静かで好印象だ。

 

今や電子制御サス等も一般化してきたが、VストロームはXTでも未搭載。代わりに昔から変わらず採用してきた、工具不要の手で回せるリアのプリロード調整機能を備える。ライダーの体重やタンデム・重積載などにあわせてクルクルと気軽に調整できるのはありがたいし、そのアナログ感がわかりやすくて良い。
タンク容量は20L。ガソリンはハイオク指定。試乗日のメーター上に表示された燃費は、かなり飛ばし気味で走ってリッター16kmほどだった。タンクはスリムに感じ、また膝が当たる面が平らになっているということもあり、ライダーの体格に関わらずホールド感は高いだろう。

 

タンデムシートからキャリアまではフラットとなっているため、大きな荷物を積みやすいというのが魅力。またタンデムライダーのグリップとして、さらには取り回し時に掴みやすい場所としての、キャリアと一体となっているタンデムグリップは大変重宝する。シート下にはETCを収納できる十分なスペースが。なおXTではシート下にDCソケットが備わるがSTDでは省かれている(メーター横のUSBソケットはXT/STD共通装備)。なおXTもSTDもETC及びグリップヒーターが出荷時から備わっておらずオプション設定なのは残念だ。

 

ハンドルはけっこう幅広なイメージで入力がしやすいうえ、とてもナチュラルなポジションを提供してくれる。STDはナックルガードが無いぶん幅が抑えられており、視覚的にも軽快感がある。ミラーはXTがシャープでカッコイイものにアップグレードされたのに対し、STDは昔からの大福型。機能的には優秀なのだが、650との差別化という意味でもXTと同じのにして欲しかったというのが本音。なお各種の設定などは左のスイッチボックスから操作できるのだが、これが直感的にできる設定であり、またボタンも押しやすく印象が良い。
XTの黒バックに対してSTDは白バックのメーター。ヒサシがついていることでいつでも良く見えて印象が良かった。なお、電子制御でXTに備わりSTDに備わっていないのは:ヒルホールドコントロール、スロープディペンデントコントロール、ロードディペンデントコントロール、モーショントラックブレーキシステム、クルーズコントロール。ABSモードはXTが2段階で調整できるのに対して、STDはシンプルな1設定だ。なお電子制御スロットル、ドライブモードシステム、トラクションコントロールといった基本的な機能は備わっている。メーターの上にはナビやスマホホルダーを装着できるバーも。

 

顔つきはXTと同様。1050から導入された四角いヘッドライトはLEDだ。なおウインカーはXTではLEDだがSTDはバルブ式となる。スクリーンは防風性能が高いが、工具で3段階に調整するタイプで、XTのようにワンタッチでの高さ調整はできない。なおスクリーンを留めるボルトの頭が非常に浅いため、調整はなかなか難しいと感じた。

 

テールランプはLEDでとても被視認性の高いもの。XTではクリアレンズだがSTDは赤レンズだ。
650含めてVストロームシリーズはヘルメットホルダーがこれまでずっとなかったのだが、1050になって装着された。これは毎年Vストロームミーティングにおいて筆者が「つけるべき!」と訴え続け、ついにはスズキ二輪の社長が「つけた方が良いんじゃないか」と発言するに至ったという背景があるため、筆者の功績が大きいと勝手に思っている。みなさん、ご活用ください!

 

「スズキもお化粧を覚えました(笑)」と開発者が言っていたのだが、1050からフィニッシュのクオリティにもかなり気を遣うようになったという。これまでのスズキ車はちょっと配線が見えていたりだとか、どこか仕上げがシンプルすぎるような所があったようだが、1050からはこういったエンジン横のボルトも高品質なものを使うなどして、トータルで高い完成度や上質感、高級感を追求している。

 

V-STROM 1050〈V-STROM 1050XT〉 主要諸元
■車名型式:8BL-EF11M ■エンジン種類:水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ ■総排気量:1,036 cm3 ■内径×行程:100.0×66.0 mm ■圧縮比:11.5 ■最高出力:78 kW (106 PS)/8,500 rpm ■最大トルク: 99 N・m (10.1 kgf・m)/6,000rpm ■全長×全幅×全高:2,265×870〈940〉×1,515〈1,465〉mm ■軸距:1,555mm ■最低地上高:165mm ■シート高: 855〈850〉mm ■装備重量:236〈247〉kg ■燃料タンク容量:20L ■変速機: 6段リターン ■キャスター:25°4′〈25°30’〉 ■トレール:110〈109〉mm ■タイヤサイズ前・後: 110/80R19M/C 59V・150/70R17M/C 69V ■ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク(ABS)/油圧式シングルディスク(ABS) ■車体色:グラススパークルブラック×ソリッドアイアングレー/グラススパークルブラック×ブリリアントホワイト/グラススパークルブラック〈チャンピオンイエローNo.2/ブリリアントホワイト×グラスブレイズオレンジ/グラススパークルブラック〉■メーカー希望小売価格(消費税10%込み): 1,430,000円 〈1,518,000円〉 ※〈 〉内はV-STROM 1050XT

 



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2021/03/05掲載