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ホンダ純正オイル 12年ぶりにリニューアル
ホンダ純正オイル「ウルトラ」シリーズは、そもそも4ストロークメーカーとして発展してきたホンダにとって大切な純正パーツ。40年ほども歴史があり、「ウルトラ」というネーミングは本田宗一郎自らが提案したという説もあるほどである。そんな純正オイルが12年ぶりにパッケージをリニューアルすると同時に、スタンダードグレードのG1が大きな進化を果たした。
■取材・文:ノア セレン ■撮影:渕本智信 ■協力:ホンダモーターサイクルジャパン https://www.honda.co.jp/motor/




ホンダ純正オイル
12年ぶりにリニューアル
スタンダードのG1が部分合成油へと進化!

 ホンダ純正オイル「ウルトラ」シリーズの一番ベーシックな「G1」。広く浸透している証拠に、ホームセンターなどでも見かける機会は多いだろう。自分でオイル交換する人ならば一度は手に取ったことがあるはずだ。
 ホンダのバイクのオイル交換をホンダ販売店でお願いした場合、特に指定がなければまず間違いなくコレが使われる。というのも、ホンダ車の開発にはスーパーカブからCBR1000RR-Rまで全てこのG1が使われているのだ。よってこのG1はウルトラシリーズの中で最もベーシックなオイルであると同時に、一番「間違いのない」選択肢。最も平均点の高いオイルとして、ホンダ製品をこれまで強力にサポートしてきた名脇役。そのG1をモデルチェンジするとなるとなかなか大変だろうが、ホンダ車エンジンの性能を最大限に引き出すべく、純正スタンダードオイルとして力の入ったモデルチェンジがなされた。
 

新商品のG1について熱っぽく語る、部品事業部の神田陽平さん。「ベースグレードなのに部分化学合成油なんですよ! 値段もちょっと上がりましたが、合成油としたことでライバルに対してもアドバンテージがあると思います。ウルトラブランドをもっともっと知ってもらって、試してもらいたいですね!」

 

粘度の見直しと、部分合成油への進化

 これまでのG1は10w-30という粘度で、鉱物油という設定。しかし今回のモデルチェンジでは、一番ベーシックなグレードであるのに部分合成油へとグレードアップすると共に粘度も5w-30へとやわらかく設定し直した。これにより従来よりも燃費と環境性能を向上させながら、幅広い温度変化にも対応しエンジンを保護。さらに低粘度化のおかげで寒い朝でもエンジンがかかりやすく、すぐに高レスポンスを感じられるという。
 部分合成油化の恩恵は大きく、低粘度化を実現できただけでなくエンジン内部の摩擦や摩擦熱への高い耐久性を確保すると共に、エンジン回転中のオイルの安定性や静粛性、洗浄性も向上させているのだ。
 今回の進化に合わせて、12年ぶりに価格も改定。ベーシックオイルとしては平均的な税別1400円に設定されたが、一般的にこのベーシックグレードは鉱物油が多い中、G1は部分合成油へと進化していることを思えばお買い得感は高いだろう。

純正オイルとしての品格を表すパッケージ

 G1のモデルチェンジに合わせて、ウルトラシリーズのパッケージもリニューアルした。これまでのパッケージは空をイメージした青、その下にはホンダのレーシングDNAを感じさせるチェッカー、そしてさらに下の方はシルバーで、以前開発者に尋ねたところ「アルミの色をイメージした……のかなぁ(笑)」などと言っていたのを思い出す。
 新パッケージは爽やかな白。正確にはマット調の「アイスグレー」という色をベースに、その中にオイルのしずくをイメージした白いアイコンを配している。缶の上部には一目で純正とわかるようにウイングマーク、その下にULTRAというシリーズ名に加えて、G1・G2・E1・S9とそれぞれの商品名を入れている。
 G1は低粘度やみずみずしさを表現した水色で、その下には「スタンダード」の文字。G2はオイルの色である黄土色で「スポーツ」の文字。クラッチを持たない車種に向けたJASO MBであるE1はエコなグリーン文字で、その下には「スクーター」。E1の上級となるS9は、E2となりそうなものではあるが「長く親しまれた名前なのでS9は残しました」という判断、その下にはしっかりと「プレミアムスクーター」と表記され、いずれのパッケージもどういった性格のオイルなのかが直感的にわかりやすいようにデザインされた。
 なおさらに上のグレードのG3及びG4は、ホンダドリーム店のイメージカラーであるブラックをバックに、やはりオイル色でG3・G4とデザイン。それぞれ「プレミアム」「レーシング」とその性格も記されている。
(取材・文:ノア セレン)
 

自分で購入するオイルは基本的に純正信者である筆者(左)。G1で開発されたバイクにはやっぱりG1を入れておくのが一番自然だろうという持論。「えっ? G1が部分化学合成油になったんですか!?!?」との喰いつきに神田さんも嬉笑い。今後この新G1が開発に使われるようになると、ホンダ車のスペックは全般的に燃費が良くなるということか!

 

ウルトラで行こうぜ!

 純正オイルとは一番スタンダードな選択肢であるはずなのに、逆にちょっと玄人的なチョイスととられてしまっている面もあるのではないだろうか。どうせベーシックグレード以上のオイルを使うなら社外品にしようか、という心理もあるかもしれない。
 しかし少なくともホンダ車においては、絶対に間違いのない純正オイルがこれだけのグレードで用意されているのであって、自分のバイクにウイングマークがついているなら試してみない手はないだろう。「そんな気持ちにさせたい!」と新たに採用されたキャッチコピーは「ウルトラで行こうぜ!」。最初はもっと渋いコピーだったそうだが、ヤングな女性社員の提案で決まったこのコピー。これを機会に「よし、そうだな、ウルトラでいってみるか!」と、リニューアルされたG1及び、さらにプレミアムなグレードも用意されているホンダ純正オイルを試してみようではないか。

■商品情報
ウルトラG1 STANDARD
「軽快な走り出しと低燃費。低温時特性を強化した高性能マルチタイプオイル」
部分合成油 SAE:5w-30 JASO MA API SL 希望小売価格(1L):1400円(税別)

ウルトラG2 SPORTS
「過酷なコンディションで多用されるエンジンに安心感をプラス」
部分合成油 SAE:10w-40 JASO MA API SL 希望小売価格(1L):1700円(税別)

ウルトラE1 SCOOTER
「摩擦低減剤を配合した4サイクルスクーター向けベーシックオイル」
鉱物油 SAE:10w-30 JASO MB API SL 希望小売価格(1L):1300円(税別)

ウルトラS9 PREMIUM SCOOTER
「摩擦低減剤を配合した4サイクルスクーター向けハイグレードオイル」
部分合成油 SAE:10w-40 JASO MB API SL 希望小売価格(1L):2100円(税別)

ウルトラG3 PREMIUM
「上質な乗り味、高性能を追求したハイグレードオイル」
100%化学合成油 SAE:10w-30 JASO MA API SL 希望小売価格(1L):2400円(税別)

ウルトラG4 RACING
「エンジン性能を最大限引き出す、スーパースポーツ向け低フリクションオイル」
100%化学合成油 SAE:0w-30 JASO MA API SL 希望小売価格(1L):3300円(税別)



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2021/01/27掲載