Facebookページ
Twitter
Youtube

レース・イベント

『久しぶりです! チキチキVMX』 全国から150名、230台のヴィンテージ運動会
ヴィンテージモトクロスイベントの国内最大級イベント『チキチキV
MX猛レース』が11月1日、埼玉県モトクロスヴィレッジで開催された。自粛期間中はひたすらレストアやリビルドに励んでいた皆さんが1年ぶりの再会とお披露目、ウェアや小物で気分も昭和レトロになりきり、スプリントとミニ耐久で往年の走りとサウンドを披露した。
■主催:ホーリーエクイップ https://www.hollyequip.com ■撮影・文:高橋絵里 ■協力:ホーリーエクイップ






 チキチキVMXは全国規模。今回も北は青森県、西は香川県から、そしてキッズ9歳から御大74歳までの老若男女が、昭和の旧車を「どこから見ても美しくきれいに」「最後までちゃんと走るように」「何でもいいから好きなように」など各々の趣向で仕上げ、秋の一日を思いきり走らせた。50ccもナナハンも、国産も外車もいて、それはそれはバラエティ豊か。車種や年代別のクラス分けでのレースは、2ヒート制のスプリントに加え90分ミニ耐久もあって大賑わいだ。ユニークなクラス名もチキチキならではの『日本GP神鍋’70』『WGP’69以前』、ちょっと本気な競り合いが見られるのは『セニアスポーツ』と、とにかく次から次へと希少マシンがわんさか走る。
 ウェアもみんなお洒落だ。当時の本物を押し入れから引っ張り出してきた人もいれば、今どきのクラシックデザインを着こなす人もいる。聞いたことのない音やオイルの匂いも非日常を煽ってくれる。かつてモトクロス黄金時代と言われた’60~’90年代に青春を送った人は懐かしさ一杯で走り、そのずっとあとに生まれた若者たちはヴィンテージバイクのカッコ良さにインスパイアされて走る。しかし走ればやはり、あちこち経年劣化した部分が壊れるのだそうだ。で、壊れたら直す。直す作業がまたもうひとつの愉しみなのだ。
 

絵になるお二人。ヨシトモさん(左)の革パンツは42年前、16歳当時に履いていたもの。「お腹を凹ませて走りました」とはおみごと。前掛けプロテクターとチンガードが渋いキクヤさん(右)は秋田県からの参加だ。
富山県在住のタカモリさんは、自身が20歳の頃に乗っていたで実車でバイクリターン、今は15歳の息子さんと一緒にVMXを楽しむ。ホンダCR250R・CR125R(’87)で親子ワンツー対決!を見せてくれた。

 

常連のスズキGS750(‘79)、タンク上の直筆サインはボクシングの井上尚弥選手だそう。
バリバリ実動であることを証明して『売りたし10万円』、これはお買い得かも。
レーシングオイルMoty’sをアピールするのはミニ耐久でクラス優勝のナカムラさん。

 

タマオさんはヤマハYZ125(‘78)と、200ccにアップしたホンダCR125改(‘77)の2台でダブルエントリー、そのつど衣装変えも忙しい。

 

#467アサカさんのカワサキW1(’68)、#94ハラグチさんのヤマハTX650(’78)など、VMXで遊べる仕様に仕上げて走るのも静かなブームの予感。たいした作り込みです。

 

外車勢も元気一杯。常連ライダーの一人#44カソノさんはCZ968ツインパイプ(’65)で、#339ワタナベさんはトライアンフTR5MX(’74)で、雰囲気あふれる人車一体。

 

VMXレースデビューを果たしたモリモトさんとホンダCL125(’68)。ストリートでは大型車に乗り、さらにトライアルもモタードもアクティブにこなすバイクウーマンです。
「ジオン軍のマーク、モビルスーツMS-06」ということでこのカラーに、ヤマハDT125(’78)を自作オールペイントでガンダム仕様のニシムラさん、スプリントと耐久で走りまくり。

 

キタハラさんは愛車ホンダCR250Mエルシノア(’73)とカワサキKX250A2(’73)を愛車ダッジ100(’68)に積んでしまうこだわり。さり気なくクールなスタイルが注目を浴びた。

 

「自分が高校生のときに雑誌で見て憧れていたバイク」を、2年ほど前、九州は湯布院の岩下コレクション(ミュージアム)に展示されいたヴィンテージファクトリーマシン、スズキTM250(’69)が売りに出ていたのをすかさず入手。「本当に希少、国内ではこれ1台なんじゃないかな?」とヤブキさん、伝説の’60~’70年代ワークスライダー矢島金次郎選手になりきるコスプレを楽しんだ。丸金マークヘルメットに注目。

 

香川県からいつも渾身の力作を持ってくるマナベさん、今回は『空飛ぶサスペンション』と話題になったヤマハYZ250M(‘74)、それもフレームナンバー00003番という夢の1台を完全再生、46年ぶりに息を吹き返した。「外注に出すのは内燃機加工とパウダーコーティングだけ。それ以外はすべて自分で、自宅に持つ50畳の倉庫と50畳の工房でレストアに没頭!」というワケで達成感一杯「どーだ!」の笑顔。

 

シマダさんいわく「ある日のことスクラップ屋にあって、ボロボロだけどこれってファクトリーマシンじゃないか!? とよく見たら本物だった」という超希少車ホンダCR250(’80)。レストアはすべて自分で、最初は「とりあえず走ればいいか~」からそのうち「もっとキレイにしなくちゃ!」とエスカレート、究極の1台に仕上がった。観戦に来ていた無限OBの方もあまりの完成度の高さに目を白黒させていたとか。

 

1960年代のホンダCS90をモトクロッサーに変身させた1台が会場の一角で参考出展、『何ですかコレは!凄すぎるー!』とみんな目を奪われた。CS90のエンジンとフレームにCL50のタンク、スイングアーム及びホイールまわりその他細部にはXR100のパーツを流用して、サイレンサーとリアショックは400のものを移植。モトクロスに欠かせないストロークはフロント190mm、リア230mmほどにアップ。製作者は知る人ぞ知るヒラマツ博士、自宅工房ですべて手掛けた。次回はぜひとも走る姿を見せてほしい。


| 『姿カタチに惚れ込んで 第16回 チキチキVMX猛レース』のページへ(旧PCサイトへ移動します) |


| 『お宝は飾らず、しまわず、甦らせて走らせる! 250台が激走、チキチキVMX猛レース 第14回チキチキVMX猛レース』のページへ(旧PCサイトへ移動します) |


| 『ホーリーエクイップ』のWEBサイトへ |





2020/11/18掲載