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ルリカミドリ バイク好いとっちゃん 第79回 「恐い、恐~い、冬のキャンプ」の巻

 コロナの野郎もだんだん落ち着いてきて小康状態になってきたし、気分転換も兼ねてそろそろツーリングに行こうかと、仕事のシフトをやり繰りして9月に3連休、10月に4連休と、休みを作ったのですが、なんとすべての日が雨。結局旅に出ることができませんでした。関東北部をじっくりと巡る計画を立てていたんですけどね。

 これが若い頃なら、雨だろうとなんだろうと強行突破したのでしょうが、なんかもう最近ではそんなパワーがなかなか涌いてこなくなっちゃいましたね。雨が降ると、とたんに走る気がなくなってくるのです。情けない限りなのであります。

 いちおう11月も3連休を取ることに成功してはいるのですが、さすがにもう寒いだろうし、テント泊の泊りがけのツーリングは無理でしょうね。

 ま、来年温かくなってきたら、今回考えたコースを走ってきましょうか。 

 あ、そういえば、大昔、12月の中ごろに、伊豆半島は松崎の山の中のキャンプ場で一泊したことを思い出しました。

 夏になると野外フェスが行われるらしいだだっ広いところだったのですが、さすがに客はワタシ一人。管理人さんも手続きが終わったらさっさと山を降りていきました。

 そんなに寒さは感じなかったのですが、ラジオは入らないし、酒を飲んでもちっとも酔いが回ってこないし、で、とっとと寝ることにしたのです。

 ところが、夜が更けてくるにしたがってどんどん気温が下がってきまして、シュラフとそのカバーを掛けて、さらに毛布にも包まったのですが、下から寒気が襲ってきて、とても寝られたものじゃありません。

 それでゴミ置き場を探し回り、ダンボール箱を2個見つけたので広げて下に敷いて、少しはマシになったのですが、それでも体の震えが止まらないのです。

 しょうがないので、100円で3分出るシャワーを浴びて体温を上げ、それでまたシュラフに入ったのですが、しばらくするとすぐに冷えてきてまた寒くなります。

 何回かシャワーを浴びてシュラフに入ることを繰り返しているうちに夜がだんだん明けてきて、ほとんど寝られずに、大変な思いをしたのでした。

 とにかく温かい物を食べて、早めに出発することにし、飯ごうでご飯を炊き、味噌汁を作りはじめたのですが、寝不足のために頭がハイになってるし、どうせワタシ以外に誰もいないし、でっかい声で花歌を歌っていたのです。

 するとそのときでした、すぐ近くから「へたくそ!!」と言う男の声がハッキリと聞こえたのです。

 ワタシ以外誰もいないハズなんですよ。管理人さんが帰ったあとは、管理人室には明かりは点いていませんし、キャンプ場の周りにも民家なんてまったくないのです。それであわててその辺を見て回ったのですが、人影は全然ないのです。ゾッとしました。

 あの声はいったい何だったのでしょうか? 寒くて体中が冷え切っていたのですが、ますます冷めていったのでした。

 でも聞こえたのが朝でよかったです。もしもこれが真夜中だったとしたら……しかも何か得体の知れないものが見えたとしたら……

 ひぇぇぇぇっ!! 恐ぁ~!!

ルリカミドリ バイク好いとっちゃん 第79回


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2020/11/02掲載