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試乗・解説

MotoGPから生まれた最新GSX-R1000R ABS。 誰でも操る楽しさを味わえるGSX-R125 ABS。
 今年3月15日に創立100周年を迎えたスズキが、それを記念してMotoGPに参戦している『Team SUZUKI ECSTAR』のGSX-RRのカラーグラフィックをモチーフにしたGSX-R1000R ABSを発売した。そのスズキ旗艦スーパースポーツと、残念ながら開催できなかったモーターサイクルショーに出品予定で、スズキのWEBモーターサイクルショーで公開された同じカラーグラフィックのGSX-R125 ABS(未発売)を合わせて解説する。
■解説:濱矢文夫 ■撮影:依田 麗 ■協力:スズキ https://www1.suzuki.co.jp/motor/

GSX-R1000シリーズの最初は750をベースにした。

 GSX-R1000R ABSは性能をとことん追求してスズキの最新の技術を詰め込んで作られた旗艦スーパースポーツである。サーキットでの速さ含めて軽さとパワーを極限まで追求したスポーツバイク。
 最初のGSX-R1000が世に出たのは2001年だったが、そのルーツをたどると徹底的にパワーウェイトレシオにこだり運動性能を追求したそれまでにないナナハンとして世界を驚かした最初のGSX-R、1985年のGSX-R750までさかのぼれる。GSX-R1000の初期型K1モデルは、そこから大幅に進化したGSX-R750を下敷きにして誕生したものだった。

GSX-R1000R(K1)。
GSX-R1000R(K3)。2003年にモデルチェンジしたK3。

 
 最新の技術を投入した完成度の高いGSX-R750の贅肉を落としたナナハン専用につくられたエンジンとフレームをベースにしたから、横方向のスペース的にボアを大きく広げることができず、ナナハンから1mmのみ拡大させた73mmボアになった。その分、ストロークを13mmのばして987.8ccとした。誕生したときからサーキットでの勝利を宿命としていたと思われがちだが、この頃のスーパースポーツ世界選手権での4気筒モデルの上限は750ccまでだった。だから純粋に狙いは先に出ていたファイアーブレード、R1などのライバルに負けないパワーとハンドリングで走る楽しさを追求した究極のロードゴーイングスポーツだった。

 最高出力を上げながらスーパースポーツとしては異例のロングストロークエンジンになったことから、パワフルかつ全域でトルクフルな扱いやすい特性は高い評価を受けた。その後、2003年、2005年、2007年、2009年、2012年とフルモデルチェンジをされながら発展してきて、現行モデルは逆輸入車ではなく、GSX-R1000Rとしてはじめて国内仕様モデルとして発売した2017年に登場の七代目となる。

4つの核となる技術で大パワーと乗りやすさを手に入れた直4エンジン。

 新設計された水冷DOHC4バルブ直列4気筒エンジンは、ボア×ストローク76.0×55.1mmの993ccから国内仕様でも197PSという公道を走れる量産車としてはひと昔には想像もできなかったパワーをたたきだす。MotoGPマシンを開発するうえで培われた技術を取り入れた「ブロードパワーシステム」を採用。これは4つの核となる技術によって、大パワーを発生させるだけでなく、それをどの回転数でもコントロールしやすくしたストラクチャー。どんなシチュエーションでも積極的にスロットルを開けて突き進める特性を手に入れた。
 

 
 4つの技術のまずひとつが「スズキレーシングバリアブルバルブタイミング(SR-VVT)」と名付けられた可変バルブタイミングシステムだ。通常は固定となっているバルブタイミングのインテーク側をエンジン回転数によって変化させる。強風で裏返った雨傘のようなカタチをしたバルブの傘の内側が密着して閉じているところを、カムシャフトが回転することで決められたタイミングで雨傘でいえば手で持つエンド部分を押して、その隙間から新しい混合気を入れるが、高回転ではたくさんの混合気が必要で、低回転域はそれほどいらない。いつでも大量に入ればいいというわけではないということ。低回転のときはバルブが遅めに開いて早めに閉じて、高回転のときは早めに開いて遅めに閉じるようにしたい。それを実現したのが可変バルブタイミングシステム。

 回転領域に見合ったバルブタイミングを得るために4輪も含めていろいろなエンジンが可変バルブタイミングシステムを採用しているけれど、GSX-R1000RのSR-VVTはとてもシンプルなアイデアでそれを実現している。吸気側のカムシャフトを駆動するためのスプロケットに放射状に溝が切られており、そこにおさまった鉄のボールが高回転になると遠心力で外側(カムスプロケットの外周側)に移動。その動きを利用してバルブタイミングを変化させている。同じではないけれど、一般的なスクーターに使われているCVT変速に必要なプーリーを狭めたり広げたりする動きを遠心力で外側へ動くウェイトローラーが担っているのと似た原理。システムが複雑ではなく、大きくスペースを取らず、コストをおさえることができるというわけだ。

 これと合わせてエンジンパワーに貢献しているのが、スズキフィンガーフォロワーバルブトレイン。ダブルカム、DOHCエンジンのカムシャフト2本が回転してバルブを押し下げるのには、ロッカーアーム式と直打式というのがあり、高回転に有利と言われる直打式はロッカーアームを介さずその名の通りダイレクトにバルブの頭を押し下げている。押し下げる動きをつかさどるカム山とバルブの頭の間には帽子のようなリフターと、その間を適切なクリアランスに調整するためのシムが入る。

 ロッカーアーム式より部品点数が少なく、それらはバルブと一緒に動き剛性が高く、高回転化にむいている。そこからさらに高回転でのバルブ追従性を追求したのがフィンガーフォロワーだ。カムシャフトの隣にあるシャフトに取り付けられたスイングアーム式のロッカーアームがリフターの役割をしている。直押し式ながら、バルブの上にリフターをかぶせる必要がなく、重りを取り付けたシャフトが受け持つから軽くでき、上下に動く慣性重量を小さくできて追従性が上がる。

 4つの技術の2つ目は「スズキエキゾーストチューニング-アルファ(SET-A)」。バイクにまたがって一番左の1番シリンダーと右の4番シリンダーのエキゾーストパイプをシリンダーの前で連結。そして真ん中2つ2番シリンダーと3番シリンダーを連結。エキゾーストを連結するのはオートバイにフェアリングが装着される前からあった。このSET-Aは各連結管にサーボモーター制御のバタフライバルブを設けて、低回転のときは閉じたままでトルクを得て、高回転のときに開く。燃焼室から出てきて温度変化などで急激に体積がふえた排気ガスが出にくくなる排気圧力を低減させ、エキゾースト内の負圧を利用した排気脈動効果によって排気を促進させる。

 単純に太いパイプにすればいいという話ではなく、問題は燃焼室からいかに効率よく排気して新しい混合気を入れるかで、太すぎると低回転で排気ガスが出ていくスピードが遅くなって燃焼室から排気が出にくい。その結果フレッシュな混合気が入りにくくなる。高回転では排気の量が増えるから容量が大きいほうがいい。それを変化させるこれはエンジンの回転数によって最適な排気にするためのシステム。これによってロスが少ないしっかりした燃焼になり幅広い回転数で出てくるトルクの足を引っ張らない。いわゆる集合マフラーなどは、ポジティブにこういう効果を狙って生まれたもので、こうやってアクティブに排気を制御するのは、日本メーカーの市販車ではすでに80年代に採用されていた。SET-Aは集合部や集合部の後ろではなく、排気された直後でやっている。

 GSX-R1000R ABSは、排気だけでなく、吸気にも工夫がある。それが3つ目、「スズキデュアルステージインテーク (S-DSI)」になる。一般的に吸気ファンネルは長いほうが低回転で効果的で、短いほうが高回転で効果的と言われている。2番、3番シリンダーの吸気ファンネルは通常のもので、1番、4番シリンダーの吸気ファンネルが2段重ねになっていて、低回転域では1段、2段の間のギャップから入る空気は少なく、高回転域ではギャップから入る空気が増えるように機能する。これによって複雑な駆動システムを使わずに可変ファンネルと同じように働く。

 よりパワフルながらスムーズで乗りやすい特性にするために投入された4つめ目の技術がリニアなスロットルレスポンスを実現した「スズキトップフィードインジェクター(S-TFI)」となる。1つのバタフライバルブを持ったライドバイワイヤーで制御するスロットルボディには2つのインジェクターを装備。燃焼室に近いインジェクターは常に燃料を噴射して、高回転では、吸気ファンネルの上に取り付けたインジェクターも作動して燃焼効率やスロットルレスポンス、最高出力を向上させるために、その時々に合わせた最適な燃料を噴射する。スズキはデュアルインジェクターを早くから採用してきたメーカーで、それを得意としてきた。GSX-R1000シリーズでは初代からそうだ。それをさらに進化させたものだ。

 車体が上下に動くピッチ、タイヤの接地面を軸に左右に動くロール、車体が水平に回転する動きのヨーの角度と、その3つの動きの加速度も検出する6軸の慣性計測ユニット(IMU)で、トラクション、減速、コーナーリングの制御をサポートする。3つの走行モードを持つ「スズキドライブモードセレクター(S-DMS)」と、10モードの介入レベルを選べるトラクションコントロールシステム「モーショントラックTCS」をあわせて実質30通りのセッティングが可能。レースのスタートで効率的なフル加速が可能なローンチコントロール、クラッチレバー操作をしなくてもギアチェンジができる「双方向クイックシフトシステム(2モード+OFF)」は、その名のとおり、シフトアップだけでなく、自動的にブリッピングしてギア比に見合う回転数にしてギクシャクさせないシフトダウンも可能だ。

 ロードレース世界選手権が4ストローク化され、スズキはV4エンジンのGSV-Rで参戦してきたけれど、2011年シーズンで一時撤退。2015年シーズンにグランプリの舞台に再登場するときには新開発した直列4気筒エンジンを搭載したGSX-RRをたずさえてやってきた。それはMotoGP参戦におけるノウハウやイメージを量産モデルの技術開発と販売促進に活用するためであった。同じエンジンレイアウトのフラッグシップスーパースポーツ、GSX-R1000Rはまさにそこから生まれた。だからこのカラーグラフィックはよく似合う。

 

ライダーの身長170cm、体重67kg。シート高は825mm。ありきたりな表現だが、ひと昔前の400cc並みのコンパクトさ。ライディングポジション=フットレスト、シート、ハンドルバーの位置関係は前モデルから変更はない。個人差があるけれど、ハンドルが遠くないので前傾はそれほどキツイと感じない。フィット感が良くシート上で動きやすい。

 

フロントフォークはSHOWAのBFF(Balance Free Frontfork)。オイルで満たされた筒の中を減衰力を発生させるピストンが往復する従来のダンパー機構とは違い、シリンダー内のピストンは減衰力を発生させず、減衰力を生む機構をシリンダーの外に設けて、安定した動きとタイムラグの少ない減衰力の立ち上がり、安定した接地感を得られるシステム。ブレーキにはBrembo製直径320mmステンレスフロントディスクを使う。
インナーローターに5個のフローティングピンと5個のT-Driveマウントを使ってアウターローターが取り付けられている。MotoGPやSBKでの経験から開発されたもの。それと組み合わされるのはBrembo製モノブロックラジアルマウントフロントブレーキキャリパー。17インチの6スポークアルミキャストホイールに装着されている標準タイヤはブリヂストンのBATTLAX RACING STREET RS11。フロントフェンダーの形状でダウンフォースを向上。これはラジエターへの冷気導入やフロントブレーキキャリパーの冷却にもひと役買っている。伸びと縮みのダンピング調整はこの赤いところにあるマイナスネジ。

 

トップブリッジ下にクランプされたセパレートハンドル。プリロードアジャスターはフォークトップ左右にある。スズキドライブモードセレクター(S-DMS)は左側ハンドルのスイッチでA、B、Cの3つの走行モードを選び、エンジン制御マップを切り替える。S-DMSは、10モードのトラクションコントロールシステムと合わせて30通りのセッティングが可能だ。エンジンスターターボタンをワンプッシュすれば、かかるまでセルモーターが回るスズキイージースタートシステムを装備。
剛性バランスを見直して新設計されたアルミツインスパーフレームは先代モデルより幅が狭いコンパクトな作り。メインパイプは鋳造された内側と、プレス成形した外側を組み合わせたもの。計算された剛性バランスだと分かっていても、スイングアームピボット部分などひと昔前より華奢に見えてしまう。以前より10%も軽量化したというのもうなずける。ステアリングヘッド部分は一体鋳造。先代よりボアを1.5mm広げて、ストロークを2.2mm短くしたボア×ストローク76.0×55.1mm、総排気量999cm3の水冷直列4気筒エンジン。新設計のライドバイワイヤーを採用。

 

軽量化したスクエアアルミパイプを使ったシートレールはボルトオン式。重量と剛性バランスを最適化したアルミ製スイングアームを採用。耐久レース用大容量燃料タンクのスペース確保のためにリアショックのアッパーマウントを48mm後方、20mm下方にした。ピボットシャフトからリアアクスルまでの距離は先代より25mm長くなっている。逆に、エンジンを搭載している角度を32°から26°へと6°起こし、フロントアクスルからスイングアームピボットまでの距離を短くしている。

 

先代からライディングポジションに変更はなくても、ライダーが伏せてフェアリング内に収まりやすように、燃料タンクの上部を21mm低くして、ニーグリップをする後部を滑らかな形状にした。
国内仕様はETC2.0車載器を標準装備している。フロントシートとリアシートの間くらいの中に車載器がある。燃料タンクから流れるように繋がった独特なスタイリング。

 

リアショックユニットは前と同じSHOWA製のBFRC lite(Balance Free Rear Cushion lite)。ピストンが上下するときの油圧を均等化して応答性を良くしている。フルアジャスタブル。
フル液晶ディスプレイを使った多機能インストルメントパネル。黒がベースの反転液晶。見やすいように6段階の輝度調整が可能だ。スピード、タコ、オド、トリップ、S-DMSモード、トラクションコントロールの状態、ローンチコントロールモード、ギヤポジション、ラップタイム、燃料計、瞬間燃費計、平均燃費計、航続可能距離計、水温、外気温、時計、ETCを表示。その外側にLEDのターンシグナル、ABS、ニュートラル、エンジン警告、イモビライザー、TC、水温/油圧警告、フリーズ、ハイビームの各インジケーターランプを設けている。中央の上部にあるのは、任意の回転数で点灯するように変更できるエンジンRPMインジケーターランプ。

 

中央にあるコンパクトなヘッドランプには高輝度LEDを採用。2段式でロービームが上でハイビームが下。その横には大きく口を開けたSRAD吸気ダクト。エアクリーナーボックスへのラムエア流量を増加させて、吸気効率が向上している。そのSRAD上にはライン状のLEDのポジションランプがある。
テールランプ、ストップランプ、ライセンスランプにもLEDを採用。

 

■GSX-R1000R ABS 主要諸元
車名型式:2BL-DM11G
全長×全幅×全高:2,075×705×1,145mm
軸距:1,420mm
最低地上高:130mm
シート高:825mm
装備重量:203㎏
燃費消費率:22.1km/L(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)
16.6km/L(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)
最小回転半径:3.5m
エンジン型式(DTA1):水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
総排気量:999cm3
内径×行程:76.0×55.1mm
圧縮比:13.2
最高出力:145kW(197ps)/13,200rpm
最大トルク:117N・m(11.9kgf・m)/10,800rpm
燃料供給装置形式:フューエルインジェクション
始動方式:セルフ式
点火方式:フルトランジスタ式
潤滑油方式:ウェットサンプ式
潤滑油容量:4.1L
燃料タンク容量:16L
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング
変速機形式:常時噛合式6段リターン
減速比1次/2次:1.652/2.647
タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C 58W/後190/55ZR17M/C 75W
ブレーキ形式:前油圧式ダブルディスク ABS/後油圧式シングルディスク ABS
懸架方式:前テレスコピック式/後スイングアーム式
フレーム形式:ダイヤモンド
メーカー希望小売価格:2,156,000円(消費税込)

 

最小のGSX-Rは他のGSX-Rにも負けない魅力を持っている。

発売未定のGSX-R125 ABS MotoGPマシンレプリカカラー。

 

 
 軽くてシンプルなスチールダイヤモンドフレームは最適なねじり剛性。ミニサイズではなく、前後に本格的とも言える17インチのフルサイズアルミキャストホイールを履いて、ホイールベース1300mmというコンパクトな車体。785mmのシート高に腰をかけるとスポーティーな前傾姿勢になり気分が盛り上がる。全路面が近く感じる低さである。そして装備重量は134kgしかない。

 動き始めは柔らかく、深く沈み込むにつれてコシが出る路面追従性の良いリンク式リア・サスペンションの採用。水冷DOHC4バルブ単気筒エンジンはフリクションロスを小さくしながら、放熱性が良いSCEM(Suzuki Composite Electrochemical Material)メッキシリンダーだ。絶対的な速さではなく、「走る」、「曲がる」、「止まる」といったスポーツライディングの楽しさを上手くバランスさせた軽快なフットワークに旗艦スーパースポーツに負けない操る楽しさがある。

 伝説の80年代バイクブームを支えたのは上向きだった経済だけでなく、若者が手に入れやすく、本格的な走りの原付スポーツの存在が大きかった。ここからライダーとなってステップアップした人がたくさんいた。このGSX-R125 ABSは、現代の原付スポーツといえるだろう。税込み40万円を切るお手頃な価格でエントリーモデルとしてもってこいだ。安かろう悪かろうではなく、厳しいコストの中で、手を抜かずがっかりさせない面白さを入れ込んだところを評価したい。この小さいボディの中にオートバイに乗って走る魅力がぎっしり詰まっている。大型モデルを持っている人のセカンドバイクとして1台追加してもバイクライフの幅が広がるだろう。

 その昔、カスタマイズして当時のGPマシンのカラーグラフィックにした80年代のボーイズライダーは多かった。だから、まだ発売が決まっていないけれど、ぜひこのMotoGPカラーも売って欲しいと思う。良かった昔を思い出すのではなく、新しいライダーのためにも。
 

身長170cm、体重67kgのライダー。80年代の50ccスポーツのような細い車体にシート高785mmだから足着きは余裕。トップブリッジとほぼ高さが同じセパレートハンドルだから最近の機種の中ではハンドル位置が低く前傾姿勢が強い方だが、乗り出すとすぐにフィットして馴染む感じ。そして、それがスポーツライドする気分を盛り上げる。この身長では膝の曲がりもきつくなく窮屈な感じはない。

 
 フロントタイヤは90/80-17M/C 46S 、リアタイヤが 130/70-17M/C 62Sというサイズ。標準はダンロップのD102を履いている。ハンドル切れ各は左右35°と大きくはないけれど、軽く低い車体はささえやすく、ホイールベースが短いことから小回りに有利でビギナーでもUターンを臆することなくできると思う。スタイリイングはGSX-RR、GSX-R1000R ABSの血統を感じさせるもの。ヘッドライトは縦2灯のLED。290mmと187mmローターを使ったディスクブレーキには車名にある通りABSが標準されている。フレームはエンジンの剛性も使うスチールのダイヤモンドタイプ。

 DOHC4バルブ単気筒エンジンは、空冷のGIXXER150、油冷のGIXXER250/SF250と違い水冷式。ボア・ストロークは62mm×41.2mmmのショートストローク。スズキ独自のSCEM(Suzuki Composite Electrochemical Material)メッキシリンダーを採用。トランスミッションは6段。排気口が2つあるデュアルエンドマフラーは音にもこだわったという。

>■GSX-R125 ABS 主要諸元(※参考・GSX-R125ノーマルカラー)
型式:2BJ-DL33B
全長×全幅×全高:2,000mm×700mm×1,070mm
軸間距離/最低地上高:1,300mm/160mm
シート高:785mm
装備重量:134kg
燃料消費率 国土交通省届出定地燃費値:48.2km/L(60km/h)2名乗車時
WMTCモード値:45.1km/L(クラス2、サブクラス2-1)1名乗車時
最小回転半径:2.6m
エンジン型式:(CFA1)水冷4サイクル単気筒DOHC4バルブ
総排気量:124cm3
内径×行程/圧縮比:62.0mm×41.2mm/11.0
最高出力:11kW(15PS)/10,000rpm
最大トルク:11N・m(1.1kgf・m)/8,000rpm
燃料供給装置:フューエルインジェクションシステム
始動方式:セルフ式
点火方式:フルトランジスタ式
潤滑方式:ウェットサンプ式
潤滑油容量:1.5L
燃料タンク容量:11L
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング
変速機形式:常時噛合式6段リターン
減速比(1次/2次):3.285/3.214
フレーム形式:ダイヤモンド
ブレーキ形式(前/後)油圧式シングルディスク(ABS)/油圧式シングルディスク(ABS)
タイヤサイズ(前/後)90/80-17M/C 46S/130/70-17M/C 62S
排出ガス基準:平成28年二輪車排出ガス規制対応
メーカー希望小売価格:393,800円(消費税抜き358,000円)

 



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2020/06/08掲載