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名車図鑑

THE444RR・4ストローク・4気筒・400cc・レーサーレプリカの時代 Vol.5 SUZUKI GSX-R

元祖444RR誕生、新時代の幕開け

1983年はレーサーレプリカ元年であった。3月に2ストのRG250Γが発売され、10月の東京モーターショーにはGSX-R(発表時の名称はGSX400R)が参考出品された。翌年3月に市販が開始されたGSX-Rのエンジンは水冷4気筒DOHC4バルブのGSX400FW最終型がベースでパワーの変更はなかったが、400クラスとしては初採用のアルミフレームとなったMR-ALBOXや集合マフラーなど、各部の徹底した軽量化が行われた結果、乾燥重量152㎏という当時の概念を打ち破る数値を達成し、運動性能が大幅にアップした。ブレーキキャリパーも市販車としては世界初採用となる前後合計10のピストンキャリパー(DECA-PISTON)を装備、クイックな旋回性能を狙ったフロント16インチホイール、クラス初となるレーサーらしさを強調したデュアルヘッドライトなど、ハイメカニズムをレーシーなスタイルに包み込みこんだ。GSX-Rは、大きなブームとなる4ストレプリカ時代の火蓋を切って落としたのである。

1984年3月 GSX-R(GK71B)
GSX-R レッド×ブラック
GSX-R レッド×ブラック
GSX-R ホワイト×ネイビー
GSX-R ホワイト×ネイビー
●エンジン︰水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰398cc ●内径×行程︰53×45.2㎜ ●最高出力︰59PS/11000rpm ●最大トルク︰4.0㎏-m/9000rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高:2090×710×1185㎜ ●軸距離:1425㎜ ●燃料タンク容量︰18ℓ ●乾燥重量︰165㎏ ●タイヤ前・後︰100/90-16・110/90-18 ●車体色:レッド×ブラック、ホワイト×ネイビー ●発売当時価格︰629000円 
1984年 GSX-R(GK71B)

1983年の東京モーターショーに展示されたHB(ハーベー)イエローを限定発売(発売月日、限定数共に不明)。このカラーリングは1983年世界耐久選手権のチャンピオンとなったモアノー・ウバン組のGS1000Rをイメージしていた。629000円。

GSX-R HBイエロー
GSX-R HBイエロー
1985年4月 GSX-R(GK71B)

車体色を変更。メーターパネルも黒から白に変更されている。1985年8月にブラック×レッドを追加し3色のラインアップに。

GSX-R ホワイト×ブルー
GSX-R ホワイト×ブルー
GSX-R ホワイト×レッド
GSX-R ホワイト×レッド
GSX-R ブラック×レッド
GSX-R ブラック×レッド(1985年8月追加)

水油空冷の新型エンジンにスイッチ

1986年3月 GSX-R(GK71F)

長方形の角形ヘッドライトとオイルクーラー冷却のためのダクトが外観上の特徴である通称Ⅲ型は、もっとも熱を出すヘッド部を水冷、それほど高温にならないシリンダーブロックは空冷、ピストン裏側へはオイルをジェット噴射する油冷と、適材適所の冷却をおこなうSATCS(Suzuki Advanced Three-way Cooling System)と、スズキ独自のTSCC(Twin Swirl Combustion Chamber=2渦流燃焼方式)をさらにバージョンアップしたニューTSCCを採用した新型エンジンを搭載してフルモデルチェンジ。さらにSUタイプ2バレルキャブ、DC-ALBOXフレーム、E-フルフローターサスなども新たに採用されると共に、前後タイヤはワイドな17インチに変更と早くもフルモデルチェンジ。センターカウルとアンダーカウルのないハーフフェアリング仕様も639000円で新たに設定された。

GSX-R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R シレッド×ホワイトツートン
GSX-R レッド×ホワイトツートン
GSX-R ハーフフェアリング仕様
GSX-R ハーフフェアリング仕様
●エンジン︰水油空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰398cc ●内径×行程︰56×40.4mm ●最高出力︰59PS/12000rpm ●最大トルク︰3.8㎏-m/10500rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高:2055×680×1155㎜ ●軸距離:1400㎜ ●燃料タンク容量︰18ℓ ●乾燥重量︰164㎏ ●タイヤ前・後︰110/80-17・140/80-17 ●車体色:ブルー×ホワイトツートン、レッド×ホワイトツートン ●発売当時価格︰669000円 

よりサーキットへ、よりレプリカへ

1987年6月 GSX-R400(GK71F)

ややレーシーさに欠けたスタイリングが不評だったのか、BORN IN CIRCUITをコンセプトにモデルチェンジ。角形ヘッドライトはイエローバルブの丸形のデュアルヘッドライトへと変更され、車名もGSX-R400となった。円筒型サブチャンバー付きSPES(Suzuki Power
up Exhaust System)マフラー、ウエスト部を絞ったバルブなど吸排気系や、中空3本キャストホイール+ラジアルタイヤなど足まわりをリファインし、レッドゾーンが従来モデルより1000rpm上回る14000rpmになった。ラジエターはダブルコアに変更され、エンジンにムラなく冷却空気を送り込むSCAIなども新採用。ちなみに、角形ヘッドライトの前モデルも「GSX-Rシングルライト仕様」という名でしばらく併売されていた。

GSX-R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R レッド×ブルーツートン
GSX-R レッド×ブルーツートン
GSX-R ブラック
GSX-R ブラック
●エンジン︰水油空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰398cc ●内径×行程︰56×40.4mm ●最高出力︰59PS/12000rpm ●最大トルク︰3.8㎏-m/10500rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高:2055×680×1125㎜ ●軸距離:1405㎜ ●燃料タンク容量︰18ℓ ●乾燥重量︰153㎏ ●タイヤ前・後︰110/70-17・140/60-18 ●車体色:ブルー×ホワイトツートン、レッド×ホワイトツートン、ブラック ●発売当時価格︰699000円 
1987年6月下旬 GSX-R400 SP(GK71F)

TT F-3に新たに設定された改造範囲の狭い入門者向けのSP(スポーツプロダクション)クラスへの参戦用として、クロスミッションを標準装備したSP(スポーツプロダクション)仕様を新たに設定。現在発売されているようなレースベース車とは異なり、もちろんナンバーを取得して公道走行も可能で、500台が限定発売された。719000円。

GSX-R400 SP シルキーホワイト×ファインレッド
GSX-R400 SP シルキーホワイト×ファインレッド

再び水冷エンジンへフルモデルチェンジ

1988年3月 GSX-R400(GK73A)

ユニークな水油空冷から、スタンダードな水冷へと大きくフルモデルチェンジ。ただし、当時の広報発表資料やカタログには水冷化されたことがほぼ記載されていないのは、あれほど強調した空油水冷のメリットを否定しかねないからなのだろうか? こういうパターンは珍しい。それはさておき、新エンジンはボア径を1.5㎜拡大し、4連スリングショットキャブやストレートに外気を導入するSCAI(Suzuki Condenced Air Intake)など新採用。新DC-ALBOXフレームによって、50%の剛性アップと低重心化とマスの集中を実現している。ニューリンク式のフルフローターサス、異径4ポッドキャリパー、超扁平ラジアルタイヤなど、よりサーキットを強く意識した仕様となった。エキゾーストは社外品に変更されることを見越してという訳ではないだろうが、4in1の集合管ではなく左右2本出しとなった。

GSX-R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R レッド×ブルーツートン
GSX-R レッド×ブルーツートン
GSX-R ブラック
GSX-R ブラック
●エンジン︰水油空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰398cc ●内径×行程︰56×40.4mm ●最高出力︰59PS/12000rpm ●最大トルク︰3.9㎏-m/10500rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高:1995×695×1110㎜ ●軸距離:1375㎜㎜ ●燃料タンク容量︰15ℓ ●乾燥重量︰160㎏ ●タイヤ前・後︰110/70-17・140/60-18 ●車体色:ブルー×ホワイトツートン、レッド×ホワイトツートン、ブラック ●発売当時価格︰699000円 
1988年3月 GSX-R400 SP(GK73A)

6速クロスミッション、シングルシートカウル、伸び側10段階、圧側12段階、スプリングレート8目盛り調整機構付きインナーロッド式フロントフォーク、リアは伸び側4段階、圧側19段階調整可能なリザーバータンク付きサスを装備したSP仕様。ブルー×ホワイトツートンのみ。

GSX-R400 SP ブルー×ホワイトツートン
GSX-R400 SP ブルー×ホワイトツートン
1988年5月 GSX-R400(GK73A)

金文字の黒と青の2色を追加し全5色のラインアップに。金文字の黒バージョンは兄弟車の750と250にも設定され「憧憬の"R"BLACKS」というキャッチコピーも付けられた。

GSX-R400 SP ブルー×ホワイトツートン
GSX-R400 SP ブルー×ホワイトツートン
1988年5月 GSX-R400(GK73A)

金文字の黒と青の2色を追加し全5色のラインアップに。金文字の黒バージョンは兄弟車の750と250にも設定され「憧憬の"R"BLACKS」というキャッチコピーも付けられた。

GSX-R400 ブルー×シルバーツートン
GSX-R400 ブルー×シルバーツートン
GSX-R400 ブラック
GSX-R400 ブラック

車名にもうひとつRをプラスしてモデルチェンジ

1989年1月 GSX-R400R(GK73A)

1988年の世界耐久選手権でチャンピオンとなったGSX-R750レーサーの技術をフィードバックし、サブフレーム付きスイングアーム、リア17インチ化とラジアルワイドタイヤで足まわりをメインにモディファイ。車名もさらにRを追加しGSX-R400Rとなった。

GSX-R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R ブラック×グレーツートン
GSX-R ブラック×グレーツートン
GSX-R レッド×シルバーツートン
GSX-R レッド×シルバーツートン
●エンジン︰水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰398cc ●内径×行程︰56×40.0mm ●最高出力︰59PS/12000rpm ●最大トルク︰3.9㎏-m/10500rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高:1990×695×1105㎜ ●軸距離:1375㎜ ●燃料タンク容量︰15ℓ ●乾燥重量︰165㎏ ●タイヤ前・後︰120/60-17・150/60-17 ●車体色:ブルー×ホワイトツートン、ブラック×グレーツートン、レッド×シルバーツートン ●発売当時価格︰729000円 
1989年1月 GSX-R400R SP(GK73A)

SP仕様は、従来からの装備である6速クロスミッション、減衰力調整機能付きサス、シングルシートに加え、エンジンに圧入式バルブスプリング、4into1マフラーや大容量エアクリーナー、ゴールドチェーン、アルミ鍛造チェンジペダル、アルミマフラーブラケット、小型化されたテールランプとウインカーも新たに採用。

GSX-R400 SP ブルー×ホワイトツートン
GSX-R400 SP ブルー×ホワイトツートン
1989年月6月 GSX-R400R SPⅡ(GK73A)

SP仕様をベースにしながら、クロスミッションではなくノーマルミッションのSPⅡを1,000台限定で販売。車体色はブラック×ゴールドのみ。

GSX-R400SPⅡ ブラック×ゴールド
GSX-R400SPⅡ ブラック×ゴールド

レーサー直系にフルモデルチェンジジ

1990年2月 GSX-R400R(GK76A)

1989年F-3チャンピオンマシンGSX-R400Rと、TTF-1チャンピオンマシンGSX-R750の直系マシンとしてフルモデルチェンジ。1989モデルより8度増しの前傾24度にセットされたエンジンは完全新設計の新型。特に動弁系は徹底した見直しがおこなわれ、軽量化や1バルブ1ロッカーアームの採用などにより4.0㎏-m/10,000rpmを発揮。高性能化で増加した熱対策は水冷オイルクーラーやラジアルフローラジエターで対応。フレームはTTF-1マシンや耐久レーサーと同じレイアウトを持つアルミダブルクレードルとなり、フロントフォークには倒立式が採用された。

GSX-R400R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R400R ブルー×ホワイトツートン
GSX-R400R ブラック×シルバーツートン
GSX-R400R ブラック×シルバーツートン
GSX-R400R ブラック×グレーツートン
GSX-R400R ブラック×グレーツートン
●エンジン︰水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰398cc ●内径×行程︰56×40.4mm ●最高出力︰59PS/12500rpm ●最大トルク︰4.0㎏-m/10000rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高:1995×710×1060㎜ ●軸距離:1375㎜ ●燃料タンク容量︰16ℓ ●乾燥重量︰167㎏ ●タイヤ前・後︰120/60-17・160/60-17 ●車体色:ブルー×ホワイトツートン、ブラック×シルバーツートン、ブラック×グレーツートン ●発売当時価格︰739000円 
1990年2月 GSX-R400R SP(GK76A)

SP仕様は、6速クロスミッション、シングルシートなどSP仕様ではおなじみの装備の他、新たに強化クラッチ、専用設計の電子制御システムSECS(Suzuki Electric Control System)、クイックリリース等を追加して同時発売。ブルー×ホワイトツートンのみ。

GSX-R400SPⅡ ブラック×ゴールド
GSX-R400R SP ブルー×ホワイトツートン
1991年2月 GSX-R400R(GK76A)

カラーを変更し、フロントフォークアウターチューブとフロントディスクハウジングをゴールドアルマイト化。スタンダードモデルのリアショックにもリザーバータンクが装備された。

GSX-R400R ブラック×ピンクツートン
GSX-R400R ブラック×ピンクツートン

 GSX-R400R ブラック×レッドツートン ブルー×ホワイトツートン
GSX-R400R ブラック×レッドツートン ブルー×ホワイトツートン
1991年2月 GSX-R400R SP/SPⅡ(GK76A)

SP、SPⅡ共にカラーチェンジ。ちなみにSPとSPⅡの外観は同じ。ブルーホワイトツートンのみの車体色と価格もSP、SPⅡ共に同じ。

GSX-R400R SP/SPⅡ ブラック×ゴールド
GSX-R400R SP/SPⅡ ブルー×ホワイトツートン
1992年1月 GSX-R400R(GK76A)

車体色を変更。

GSX-R400R ブレードシルバーメタリック
GSX-R400R ブレードシルバーメタリック
GSX-R400R ホワイト×レッドツートン
GSX-R400R ホワイト×レッドツートン
GSX-R400R ブラック×レッドツートン
GSX-R400R ブラック×レッドツートン
1992年2月 GSX-R400R SP(GK76A)

SP仕様の車体色を変更。それまで黒ゼッケンがSP仕様の外観上見分るポイントであったが、この年からスタンダードと同色になったため、SPのみの装備であるクイックファスナー、ゴールドチェーンが外観上の識別ポイントとなった。ホワイト×レッドツートンのみ。なおSPⅡ仕様は1992年モデルからは設定されなくなった。

GSX-R400R ホワイト×レッドツートン
GSX-R400R SP ホワイト×レッドツートン
1993年1月 GSX-R400R(GK76A)

動弁系等の軽量化やバルブタイミングの変更によって中低速域を向上させたが、最高出力は自主規制値の変更により最高出力が53ps、最大トルクは3.8kg-mとスペック上はパワーダウン。ヘッドライトは常時点灯式になった。

GSX-R400R ライトパープルメタリック
GSX-R400R ライトパープルメタリック
 GSX-R400R パールスズキミディアムブルー
GSX-R400R パールスズキミディアムブルー
●エンジン︰水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰398cc ●内径×行程︰56×40.4mm ●最高出力︰53PS/12000rpm ●最大トルク︰3.8㎏-m/9500rpm ●変速機︰6段リターン ●全長×全幅×全高:1995×710×1060㎜ ●軸距離:1375㎜ ●燃料タンク容量︰16ℓ ●乾燥重量︰167㎏ ●タイヤ前・後︰120/60-17・160/60-17 ●車体色:ライトパープルメタリック、パールスズキミディアムブルー ●発売当時価格︰739000円 
1993年1月 GSX-R400R SP(GK76A)

SP仕様も1993年モデル同様の変更を受けるがバルブタイミングの変更は受けず、最大トルクは3.7㎏-m/10000rpmに。最高出力はスタンダードと同じ。パールスズキミディアムブルーのみ。

GSX-R400R SPAN ブラック×ゴールド
GSX-R400R SP パールスズキミディアムブルー
1995年3月 GSX-R400 (GK76A)

車体色を変更。このカラーが400系GSX-Rの最終型となった。SP仕様は設定されていない。

GSX-R400R パールスティルホワイト×パールスズキミディアムブルー
GSX-R400R パールスティルホワイト×パールスズキミディアムブルー

[THE444RR大全その4 FZ-R/FZR|その5 GSX-R|その6 ZXR]

2016/01/19掲載