1983年の東京モーターショーに展示されたHB(ハーベー)イエローを限定発売(発売月日、限定数共に不明)。このカラーリングは1983年世界耐久選手権のチャンピオンとなったモアノー・ウバン組のGS1000Rをイメージしていた。629000円。
車体色を変更。メーターパネルも黒から白に変更されている。1985年8月にブラック×レッドを追加し3色のラインアップに。
水油空冷の新型エンジンにスイッチ
長方形の角形ヘッドライトとオイルクーラー冷却のためのダクトが外観上の特徴である通称Ⅲ型は、もっとも熱を出すヘッド部を水冷、それほど高温にならないシリンダーブロックは空冷、ピストン裏側へはオイルをジェット噴射する油冷と、適材適所の冷却をおこなうSATCS(Suzuki Advanced Three-way Cooling System)と、スズキ独自のTSCC(Twin Swirl Combustion Chamber=2渦流燃焼方式)をさらにバージョンアップしたニューTSCCを採用した新型エンジンを搭載してフルモデルチェンジ。さらにSUタイプ2バレルキャブ、DC-ALBOXフレーム、E-フルフローターサスなども新たに採用されると共に、前後タイヤはワイドな17インチに変更と早くもフルモデルチェンジ。センターカウルとアンダーカウルのないハーフフェアリング仕様も639000円で新たに設定された。
よりサーキットへ、よりレプリカへ
ややレーシーさに欠けたスタイリングが不評だったのか、BORN IN CIRCUITをコンセプトにモデルチェンジ。角形ヘッドライトはイエローバルブの丸形のデュアルヘッドライトへと変更され、車名もGSX-R400となった。円筒型サブチャンバー付きSPES(Suzuki Power
up Exhaust System)マフラー、ウエスト部を絞ったバルブなど吸排気系や、中空3本キャストホイール+ラジアルタイヤなど足まわりをリファインし、レッドゾーンが従来モデルより1000rpm上回る14000rpmになった。ラジエターはダブルコアに変更され、エンジンにムラなく冷却空気を送り込むSCAIなども新採用。ちなみに、角形ヘッドライトの前モデルも「GSX-Rシングルライト仕様」という名でしばらく併売されていた。
TT F-3に新たに設定された改造範囲の狭い入門者向けのSP(スポーツプロダクション)クラスへの参戦用として、クロスミッションを標準装備したSP(スポーツプロダクション)仕様を新たに設定。現在発売されているようなレースベース車とは異なり、もちろんナンバーを取得して公道走行も可能で、500台が限定発売された。719000円。
再び水冷エンジンへフルモデルチェンジ
ユニークな水油空冷から、スタンダードな水冷へと大きくフルモデルチェンジ。ただし、当時の広報発表資料やカタログには水冷化されたことがほぼ記載されていないのは、あれほど強調した空油水冷のメリットを否定しかねないからなのだろうか? こういうパターンは珍しい。それはさておき、新エンジンはボア径を1.5㎜拡大し、4連スリングショットキャブやストレートに外気を導入するSCAI(Suzuki Condenced Air Intake)など新採用。新DC-ALBOXフレームによって、50%の剛性アップと低重心化とマスの集中を実現している。ニューリンク式のフルフローターサス、異径4ポッドキャリパー、超扁平ラジアルタイヤなど、よりサーキットを強く意識した仕様となった。エキゾーストは社外品に変更されることを見越してという訳ではないだろうが、4in1の集合管ではなく左右2本出しとなった。
6速クロスミッション、シングルシートカウル、伸び側10段階、圧側12段階、スプリングレート8目盛り調整機構付きインナーロッド式フロントフォーク、リアは伸び側4段階、圧側19段階調整可能なリザーバータンク付きサスを装備したSP仕様。ブルー×ホワイトツートンのみ。
金文字の黒と青の2色を追加し全5色のラインアップに。金文字の黒バージョンは兄弟車の750と250にも設定され「憧憬の"R"BLACKS」というキャッチコピーも付けられた。
金文字の黒と青の2色を追加し全5色のラインアップに。金文字の黒バージョンは兄弟車の750と250にも設定され「憧憬の"R"BLACKS」というキャッチコピーも付けられた。
車名にもうひとつRをプラスしてモデルチェンジ
1988年の世界耐久選手権でチャンピオンとなったGSX-R750レーサーの技術をフィードバックし、サブフレーム付きスイングアーム、リア17インチ化とラジアルワイドタイヤで足まわりをメインにモディファイ。車名もさらにRを追加しGSX-R400Rとなった。
SP仕様は、従来からの装備である6速クロスミッション、減衰力調整機能付きサス、シングルシートに加え、エンジンに圧入式バルブスプリング、4into1マフラーや大容量エアクリーナー、ゴールドチェーン、アルミ鍛造チェンジペダル、アルミマフラーブラケット、小型化されたテールランプとウインカーも新たに採用。
SP仕様をベースにしながら、クロスミッションではなくノーマルミッションのSPⅡを1,000台限定で販売。車体色はブラック×ゴールドのみ。
レーサー直系にフルモデルチェンジジ
1989年F-3チャンピオンマシンGSX-R400Rと、TTF-1チャンピオンマシンGSX-R750の直系マシンとしてフルモデルチェンジ。1989モデルより8度増しの前傾24度にセットされたエンジンは完全新設計の新型。特に動弁系は徹底した見直しがおこなわれ、軽量化や1バルブ1ロッカーアームの採用などにより4.0㎏-m/10,000rpmを発揮。高性能化で増加した熱対策は水冷オイルクーラーやラジアルフローラジエターで対応。フレームはTTF-1マシンや耐久レーサーと同じレイアウトを持つアルミダブルクレードルとなり、フロントフォークには倒立式が採用された。
SP仕様は、6速クロスミッション、シングルシートなどSP仕様ではおなじみの装備の他、新たに強化クラッチ、専用設計の電子制御システムSECS(Suzuki Electric Control System)、クイックリリース等を追加して同時発売。ブルー×ホワイトツートンのみ。
カラーを変更し、フロントフォークアウターチューブとフロントディスクハウジングをゴールドアルマイト化。スタンダードモデルのリアショックにもリザーバータンクが装備された。
SP、SPⅡ共にカラーチェンジ。ちなみにSPとSPⅡの外観は同じ。ブルーホワイトツートンのみの車体色と価格もSP、SPⅡ共に同じ。
車体色を変更。
SP仕様の車体色を変更。それまで黒ゼッケンがSP仕様の外観上見分るポイントであったが、この年からスタンダードと同色になったため、SPのみの装備であるクイックファスナー、ゴールドチェーンが外観上の識別ポイントとなった。ホワイト×レッドツートンのみ。なおSPⅡ仕様は1992年モデルからは設定されなくなった。
動弁系等の軽量化やバルブタイミングの変更によって中低速域を向上させたが、最高出力は自主規制値の変更により最高出力が53ps、最大トルクは3.8kg-mとスペック上はパワーダウン。ヘッドライトは常時点灯式になった。
SP仕様も1993年モデル同様の変更を受けるがバルブタイミングの変更は受けず、最大トルクは3.7㎏-m/10000rpmに。最高出力はスタンダードと同じ。パールスズキミディアムブルーのみ。
車体色を変更。このカラーが400系GSX-Rの最終型となった。SP仕様は設定されていない。
[THE444RR大全その4 FZ-R/FZR|その5 GSX-R|その6 ZXR]