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会場の外には出待ちファンも! “小椋愛”に溢れた会

 2024年ロードレース世界選手権(WGP)のMoto2クラスチャンピオンを獲得した小椋藍の「世界チャンピオン獲得 報告&祝賀会」が行われた。日本人選手としては15年ぶり、7人目の世界王者獲得をファンに報告した。抽選で選ばれた200人と関係者など約300人が訪れた。会場の外には抽選に外れてしまった小椋を待つ出待ちファンもおり小椋人気を印象付けた。
 


 会場受付などのサポートは小椋が練習に通う桶川スポーツランドのスタッフや後輩ライダーが務めた。来季からアプリリアを駆るため、アプリリアの市販マシンが展示され、小椋藍が表紙を飾るレース専門誌のブース、ツナギやヘルメット、WGPで獲得したトロフィーなどが置かれた。また、アジアタレントカップから現在までの写真も展示され、ファンはそれらを見ながら小椋の登場を待った。

 タイトル獲得までの映像が流された後に小椋の登場に盛大な拍手が沸き上がった。埼玉県知事・大野元裕氏、新座市長・並木傑氏からのメッセージが読み上げられ、お祝いのビデオコメントが流された。桶川スポーツランドの松崎彩子代表取締役が檀上に上がり「実は藍選手の大ファンです」と伝えられると小椋は「いやぁ~、いつも会っている人から言われると……」と照れた。

 1994年、1998年のWGPチャンピオンの坂田和人氏が登場しトークを行った。タイトル獲得となった2024年シーズンを振り返り、小椋はケガもあり「厳しいかな」と思った瞬間もあったと語った。そのハンデを跳ね返し「これまでよりスピードがあったかな」とタイトル獲得の勝因を教えてくれた。今季から乗るMotoGPマシンの印象を坂田氏が訊ねた。

坂田氏「MotoGPテストで誰が印象に残った?

小椋「やっぱり、マルク・マルケスです」

坂田氏「それはツナギもマシンも真っ赤かだからじゃないの?」

小椋「いやぁ~、色もありますけど、存在感というか、雰囲気が違いました」

 初テストで小椋はトップから約2秒遅いタイムだったが坂田氏は「コーナー数を考えたら、ひとつのコーナーでコンマ1とか2の瞬きにも満たない差であり、そこを詰めて行かなければならない難しさがあると語った。これまでのマシンと違い最新技術が搭載されたMotoGPは、スタートするまでに10個近いスイッチやパーツの役割を理解しないと走り出すことさえできない。小椋は坂田氏のリクエストで、MotoGPマシンのスタートを再現した。

 この日は小椋の誕生日であり、小椋のゼッケン79にちなみ、その番号札を持つファンが代表で大きな花束を渡した。小椋は「実は父と同じ誕生日なんです」と語り、大きな拍手と「おめでとう」の声援が飛んだ。

 抽選で選ばれた番号でプレゼントが渡された。小椋Tシャツやレプリカヘルメット、スクラップブッグを用意して来場、手作りの団扇を持参するファンなど、小椋愛に溢れた報告会の最後には大きな達磨の片目に墨を入れた。最初はつぶらな瞳で「もっと、大きく書いて」と声が飛び、少し上目使いの瞳が入っ
た。


 また、嬉しい報告が出来た時に両目が完成する。この達磨は桶川スポーツランドに置かれる。

 小椋は会場に来てくれたファンに感謝し「精一杯に頑張ります。ありがとうございました」と挨拶し、参加者すべてにサインを終えて報告会は終了した。

 前日もイベントに駆り出されて、500人以上のサインをしたようで、報告会でも300近くサインして「右手が痛くならないのか」と心配したが父・正治さんは「平気みたいですよ」と答えた。オートレースで活躍する姉の華恋さんも駆けつけ受付を手伝うなどサポート。母・香織さんも集まってくれた人々に頭を下げ感謝を伝えていた。報告会は小椋家にとってもたくさんの応援を感じることが出来た1日となった。


 小椋はマレーシアのセパンサーキットで行われるテストに向かった。

(文・写真:佐藤洋美)

2025/02/03掲載