全日本ロードレース選手権に参戦するTeam TATARA apriliaが都内で2025年の体制発表を行った。Team TATARAは、国内唯一のピアッジオジャパン公式サポートチームとしてRS V4 1100 FACTORYを駆り、2022年にスタート。注目を集めている。
2024年はJSB1000に新庄雅浩、ST1000に和田留佳で参戦。新庄は開幕戦からのケガもあり思うようなレースとはならずに最終戦で4ポイントを得てランキング25位。和田は最高位4位でランキング10位となった。2023年は初参戦ながら鈴鹿8時間耐久のNSTクラスで3位となり表彰台に登ったが、2024年はSSTクラスとなり、転倒後にマシン修復して走り切るも規定周回数に届かず、レギュレーションの解釈の誤りから違反と判定されてしまう苦いレースとなった。
発表会はチーム代表の中野誠司氏の挨拶で始まり、今季はJSB1000を休止し、ST1000に和田に加え芳賀瑛大を加え2台体制で参戦することが発表された。鈴鹿8耐にも参戦する。新庄は他チームから参戦することになった。
井上哲悟チームマネージャーは「新庄は開幕や鈴鹿8耐のケガもありながら最終戦でポイントを取る走りをしてくれました。昨年は良い環境を整えた勝負の年でしたが力を発揮できなかった。本来はもっと上位を狙えるライダーなのでチームとしての反省もあります。新庄のお陰で成長出来たチームでもあり、本当はタタラで引退してほしかった。今季別チームですがシートを確保できたのも新庄の力があってのことです」と感謝を伝えた。
新庄は「2年間所属させてもらい思うような結果を残すことは出来ませんでしたが、ひとりではレースは出来ない、みなさんに支えてもらい走ることが出来たのだということを改めて教えてもらえたように思います。素晴らしいチームに在籍出来たことを感謝します」と応えた。
芳賀起用について井上マネージャーは「昨年JSB1000に参戦する芳賀選手の取り組みや熱意を感じて見ていました。今季のシートを探しているという話を聞き、一緒にやりませんか? と声をかけて実現しました。和田選手にとっても、同世代のチームメイトと同じクラスを走ることは、とてもいい刺激になると思います。ふたりが切磋琢磨して成長してくれることを願っています」と語った。
和田は「頼れる先輩がいなくなり不安もありますが、後輩が出来たのは初めての経験になり、引っ張っていけるように頑張りたい。優勝を目指します」と決意する。
芳賀は「このような機会をもらえたのは親(芳賀紀行)の存在と、支援してくれるスポンサーのお陰だと思います。今年はアドベンチャーなシーズンになり不安もありますが楽しみの方が大きいのでよろしくお願いします」と挨拶した。
中野氏は「25歳で辞めましたが、私もレース経験があり、ライダーの先輩として、ふたりには後悔のない納得できるライダー人生を歩んでほしい」と語った。
マシンは両クラスともにアプリリアRS V4 1100 Factoryだ。小山儀正氏がメカニック長としてまとめ、宇井陽一氏が昨年から継続してECU・テレメトリー担当となる。小倉憲二ビアッジオジャパンエンジニアも引き続きのサポートを誓った。
チームにはオーナーが二人おり、加藤昇次氏は欠席で、もうひとりのオーナーである野竹誠一郎氏は「野球もテストなしには始まらない。レースも同じだと思います。シーズン前にはアジアに練習に出かけ、しっかりと準備をして挑みたいと思います。また、アジアロードレース選手権、イタリア選手権への参戦計画もあります。ライダーだけでなくメカニックも同じように海外参戦してスキルを磨いて行きます」と挨拶した。
タタラはレース事業だけでなく、オロチ・パーソナルコーチングサービスも実施している。井上氏が始め、全日本ライダーなどが指導に当たり、一般のライダーのサーキット走行をサポートしている。そこに渡辺一樹が本格的に加わることも発表された。また、アプリリアRS660のレンタルサービスや、ワークショップでのメンテナンスサービスなども行う。
渡辺は「ライダーとしての活動の他、一般のライダーが楽しくバイクに乗るための助けになりたい」と意気込みを語った。
タタラが参戦するST1000は5月25日開催の全日本ロードレース選手権・第2戦スポーツランドSUGOから始まる。
(文・写真:佐藤洋美)
タタラHP
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