2021年のインターモト2021で注目を集めたカワサキのミドルクラス“レトロスポーツ”Z650RSが国内発売されたのが2022年4月。2023年11月登場の2024年モデルは、カラー&グラフィック変更のみならず、KTRC(カワサキトラクションコントロール)が搭載された。
近年のカワサキのミドルクラススポーツのラインアップといえは、海外市場向けに2006年モデルとして開発されたER-6nとNinja 650R(ER-6f)が幅広く多くのユーザー層をカバー。その海外モデルをベースに国内向けとして排気量ダウン、2010年8月にフルカウルバージョンのNinja 400RとノンカウルのER-4nが上げられる。
発売3年目にはフルモデルチェンジが行われて2014年モデルが登場。ただ国内向けの400版では、新型となったのはカウルスポーツ版のNinja 400のみで(Ninja 250同様、このモデルチェンジで車名から“R”の文字が外された)、ノンカウルバージョンのER-4nは継続販売とされていた。
デザインはそれまでのNinja 650R/ER-6nのコンセプトを忠実に引き継いでおり、Ninja 650Rでは大型の二眼ヘッドライトを装備するフロントカウルからテールにかけての“Ninja一族”のアグレッシブなイメージも守りながら、右サイドにオフセットされたモノサスレイアウトもアクセントとして引き継ぐなど、旧モデルからの個性的なデザインDNAを継承、発展させたモデルだった。
2017年5月に国内発売が開始されたNinja 650 ABS/Z650 ABSでは、旧モデルから引き継がれたのは、ダイレクトなフィーリングと力強い加速感が特徴の総排気量649㏄の水冷4ストロークパラレルツインくらいなものといえ、完全新設計となったトレリスフレームと組み合わされていた。右サイドにオフセット配置されていたリアサスも、新型ではホリゾンタルバックリンクタイプが採用され、スイングアームもツインパイプ構成をイメージした特徴的なものから、より一般的なデザインに変更されている。
そして『本物を知るライダーのためのミドルクラス軽量スーパーネイキッド』をキーワードに開発されたのがZ650だ。ミドルクラス軽量スーパーネイキッド、Z650はまぎれもないZ一族の一員として「五感を刺激する乗り味やダイレクトなコントロール性といった『凄み』パフォーマンスと、先鋭的な車体形状やダイナミックなクラウチングフォルムによる『凄み』デザインを兼ね備えている」。この新時代の“ZAPPER”にZ900で成功した“レトロスポーツ”風味を加えて開発したのがZ650RSなのだ。
特徴としてはスリムな燃料タンクにコンパクトな水平テール、わずか13.5kgの軽量トレリスフレーム、細身なシャーシと800mmの低いシート高で足着き性を向上、丸型LEDヘッドライト、スポークスタイルのキャストホイールなど、レトロスポーツのイメージをさらに進めた“モダン&レトロスタイリング”とカワサキは呼んでいる。
2023年11月1日の2024年モデル発売にあたって、カラー&グラフィックの変更だけにとどまらず、KTRC(カワサキトラクションコントロール)の搭載も行われた。
2025年モデルはタンクマークを大文字のみのヘリテージロゴフューエルタンクマークとして、カラーとグラフィクを変更した。
★カワサキ ニュースリリースより (2024年9月2日)
Z650RS 発売のご案内
- モデル情報
- 車名(通称名) Z650RS(カワサキケアモデル)
- マーケットコード ER650RSFBN
- 型式 8BL-ER650R
- 発売予定日 2024年10月1日
- 型式指定・認定番号 20740
- メーカー希望小売価格 1,078,000円
(本体価格980,000円、消費税98,000円)※カワサキケア含む - カラー(カラーコード) エボニー(グリーン/ブラック) (GN1) エボニー(ブラック/ゴールドストライプ) (BK1)
- 販売店 カワサキ プラザ
- ※メーカー希望小売価格は消費税を含む参考価格です。価格には保険料、税金(消費税を除く)、登録などに伴う諸費用は含まれません。
- ※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
- ※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※当モデルはカワサキモータース株式会社の海外工場Kawasaki Motors Enterprise(Thailand)Co.,Ltd(KMT)において日本向けに生産された車両です。。 - ※当モデルはABS装着車です。
- ※当モデルはETC2.0標準装備車です。
- ※当モデルは「カワサキケアモデル」です。
- 【Z650RS】
コンパクトな車体にパワフルなエンジンで、かつて「ZAPPER」と呼ばれたスポーツモデルのデザインからインスピレーションを得て誕生した「Z650RS」。丸型ヘッドライトの上に並ぶ砲弾型メーターユニット、ティアドロップ型のフューエルタンクから低くスリムなシートを経てテールカウルへ至るまで、そのデザインエッセンスはかつて人気を博したスプリンターモデルを彷彿させます。軽量・コンパクトな車体は、エンジンを強度メンバーとするダイヤモンドフレームで構成。骨格はカワサキ独自のトレリス構造として、剛性としなやかさを両立させています。パワーユニットはNinja 650やZ650で定評ある水冷4ストロークパラレルツイン。低中回転域から豊かなトルクを発生させ、高回転まで滑らかに吹き上がるこのエンジンは、KTRC搭載により使いやすさを高めました。ノスタルジックなシルエットに最新のテクノロジーを搭載した「Z650RS」は、さらに多くのライダーの注目を集めることでしょう。
- ■主な特長
- ・カラー&グラフィックの変更
- ・ヘリテージロゴフューエルタンクマークの採用/dd>
- ■カワサキケアモデルとは
- 安心・安全なモーターサイクルライフをサポートするため、1ヶ月目点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換(オイルフィルター含む)を無償でお受けいただけるモデルです。
https://www.kawasaki-motors.com/after-service/kawasakicare/
主要諸元
車名型式 | 8BL-ER650R | |
---|---|---|
Z650RS | ||
発売日 | 2024年10月1日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.065×0.800×1.115 | |
軸間距離(m) | 1.405 | |
最低地上高(m) | 0.125 | |
シート高(m) | 0.800 | |
車両重量(kg) | 188 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 32.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
23.6(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 2.6 | |
エンジン型式 | – | |
水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 649 | |
内径×行程(mm) | 83.0×60.0 | |
圧縮比 | 10.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 50[68]/8,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 63[6.4]/6,700 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | エレクトリックスターター | |
点火方式 | バッテリ&コイル(トランジスタ点火) | |
潤滑油方式 | セミ・ドライサンプ | |
潤滑油容量(L) | 2.3 | |
燃料タンク容量(L) | 12 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.437 (39/16) |
2速 | 1.714 (36/21) | |
3速 | 1.333 (32/24) | |
4速 | 1.111 (30/27) | |
5速 | 0.965 (28/29) | |
6速 | 0.851 (23/27) | |
減速比1次/2次 | 2.095(88/42)/3.066(46/15) | |
キャスター(度) | 24.0° | |
トレール(mm) | 100 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 160/60ZR17M/C 69W | |
ブレーキ形式 | 前 | φ300mm油圧式ダブルディスク |
後 | φ220mm油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(インナーチューブ径41mm) |
後 | スイングアーム式(ホリゾンタルバックリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。