交通事故や暴走族など否定的イメージにより①バイクの免許を取らせない②買わせない③運転させない、という高校生に対する“三ない運動”が最も激しかったのは空前のバイクブームでもあった1980年代だが、それから20年以上の時を経て反対運動は廃止に向かっていく。
その中でも最近まで三ない運動を推進していた埼玉県では「自動二輪車等の運転免許を所持し運転している高校生に対し、交通安全意識を啓発し、交通社会の一員となる自覚や資質向上を図り、必要な知識及び技能を習得させる」ことを目的に、埼玉県教育委員会の主催で交通安全講習が行われている。
10月20日、秩父自動車学校で行われた会には、免許を保有する118名の男女高校生が実際に普段乗っている車両で参加。内容は実技講習1時間30分(準備運動、日常点検、乗車姿勢、ブレーキング、コーナリング、バランス等)、交通安全講和(座学)45分、救命救急法45分、というもの。
参加生徒の車両の中には改造車も見られたというが、そんな車両に乗る受講者も「指導員のアドバイスを素直に、真剣に聴き入れ、ライディングスキルと安全運動の意識を向上させていた」といい、「学校に隠れ免許を取得し、このような講習にまず参加しないであろう生徒が参加している当講習の意義は大きい」との報告が。
また、この安全運転講習は通学で原付を使っている生徒の「通学許可」のための講習となり、埼玉県内の三ない運動廃止の受け皿としての機能も果たすという。