Facebookページ
Twitter
Youtube

ニュース

多くの名ライダーを輩出してきた全日本の老舗・モトバムが来季体制を発表

 全日本ロードレース選手権に参戦するモトバムレーシングが都内で参戦体制発表を行った。来季もライダーの顔ぶれは変わらずに続投だ。ST1000に荒川晃大、松川泰宏、そこにST600から伊藤元治がステップアップする。ST600のライナップは鈴木光来、青田魁、櫻井賢一となる。

 2022年にST600でタイトルを獲得した荒川は、昨年はST1000クラスにスイッチ、参戦1年目ながら、オートポリスのレース1で2位初表彰台を獲得すると、レース2では初優勝を飾った。岡山国際サーキットにはスポット参戦した元Moto2ライダーで鈴鹿8時間耐久覇者の長島哲太が参戦した。その長島を相手に荒川はトップ争いを繰り広げトップに出てポテンシャルの高さを示すが2台が転倒してしまうという波乱で、ここはノーポイントとなりタイトル争いから脱落したかに見えた。だが、僅かながらのタイトルの可能性を残して最終戦鈴鹿を迎え「勝つことだけを考えていた」と勝利するもチャンピオンには届かずランキング2位となった。

「アジアロードレース選手権のSUGOラウンド、鈴鹿8時間耐久参戦と、チームを始め、多くのサポートのおかげで、たくさんの経験をさせて頂いたシーズンでした。ST1000チャンピオンには届きませんでしたが、来年はタイトルを狙います」


 来季はST1000へステップアップする伊藤は「MotoGPライダーになることを目指して頑張っていましたが、それは難しいと考えるようになり、ST1000に乗り、世界耐久選手権(EWC)参戦を目指すことが出来るのか見極めるために、来年はEWCのメカニックとしてお手伝いをしながら向き合いたいと思っています。そこで、マシンを学ぶことは全日本の戦いにも生きると思っています。しっかりと戦って行きたい」と語った。


 ST600の開幕戦もてぎで3位表彰台を獲得、優勢だったヤマハ勢とのトップ争いの中で奮闘するもランキング7位となった鈴木は「荒川選手の後を引き継いでタイトル防衛したかったのですが、まだ、力不足な部分があり叶いませんでしたが、来季は、しっかりと成長してチャンピオンになります」と宣言。チームを移籍して参戦1年目を夢中で過ごした青田は「思うようにいかなかったシーズンですが、学んだこともたくさんあり、それを生かして来季は上位を狙う」と挨拶した。


 モトバムの愛称で親しまれ、多くの名ライダーを輩出して来たチームは、8月に新たにモトバムレーシングとして、レースに特化したチームとして再出発を果たした。岡田信之監督は「母体はバイク屋として始まりましたが、レース活動を中心とすることで、飛び込みのスクーターなどの仕事がなくなり専念できる環境になりました。これまで、若手育成を掲げて多くのライダーが巣立って行きました。その姿勢は変わらず、ここで走り、チャンスを掴んで飛び出す手伝いができるようにライダーを支えて行きたい」と語った。

 荒川と鈴木は「来年の発表会には、ダブルチャンピオンになって支援してくれる方々を迎えたい」と誓った。

 過去にはロードレース世界選手権に若井伸之を送り込み、近年ではST600で榎戸育寛、荒川とチャンピオンを輩出、小排気量のイメージがあったが、今季はST1000へ参戦、新たな挑戦に挑み、初年度で荒川が勝利を掴みタイトル争いをする力量をチームとしても示した。全日本では老舗のチームとしてだけでなく存在感を示したシーズンだった。来季への期待も高まる。

(文・写真:佐藤洋美)

2024年全日本ロードレース選手権
第1戦(2&4):鈴鹿サーキット/三重 3月9~10日(JSB1000のみ)
第2戦:モビリティリゾートもてぎ/栃木 4月13~14日(JSB1000は2レース)
第3戦:スポーツランドSUGO/宮城 5月25~26日(JSB1000、ST600は2レース)
第4戦:筑波サーキット/茨城 6月16日(J-GP3のみ)
第5戦(2&4):モビリティリゾートもてぎ/栃木 8月24~25日(JSB1000のみ)
第6戦:オートポリス/大分 9月7~8日(JSB1000、ST1000は2レース)
第7戦:岡山国際サーキット/岡山 9月28~29日
第8戦(MFJ GP):鈴鹿サーキット/三重 10月26~27日(JSB1000は2レース)







 

2023/12/25掲載