2024年世界耐久選手権(EWC)SSTクラスにフル参戦する新たなチームが誕生した。「チームエトワール」は、BMW M1000RRを駆り、大久保光、亀井雄大と参戦を開始すると発表した。3人目のライダーは交渉中。
大久保は、ヨーロッパでのレース活動を9シーズン行っており、ここ3年はMotoEシリーズに参戦。ル・マン24時間、ボルドール24時間への参戦経験もある。2023年MotoEクラスでは参戦ランキング13位となり、2024年はスーパースポーツ世界選手権にフル参戦を発表したばかりだ。更にEWCにも参戦することを決めた。
亀井はJSB1000クラスでトップライダーとして活躍しており、鈴鹿8耐への参戦経験も豊富だ。2023年は全日本ロードレース選手権にYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINからJSB1000クラスに参戦し、最終戦鈴鹿で3位表彰台に上がりランキング5位している。
Team Etoile/チームエトワールの市川貴志代表は「2024年シーズンよりFIM 世界耐久選手権(EWC)にフルエントリー。10年間の活動を前提とし、長期的な成長計画を立てて参戦いたします。2024年は、BMW M1000RRでSSTクラスにエントリー。SSTクラスをステップとして将来的にはEWCクラスで優勝を狙う」と語る。
チーム代表 市川貴志
「チームロゴは日本とフランスの国旗を重ね、両国をつなぐ活動をすることをイメージしています。世界で活躍できる若い人材を送り出し、日本からEWCに参戦する仲間を増やしたい。我々の活動を通じてモータースポーツに興味を持ってもらうきっかけを作り、24時間耐久ロードレースの魅力を発信していきます」
ライダー 大久保光
「日本のチームが新たにできてFIM 世界耐久選手権(EWC)に参戦すること自体、すごいことですし、お声がけいただいたことを光栄に思います。10年という長いスパーンを見据えてスタートするチームに関わらせていただけるので、これまでの経験をチームエトワールの活動全体で生かすことができればいいなと思っています」
ライダー 亀井雄大
「10年計画という、しっかりとしたビジョンを持っているチームにスタートアップから携われることを大変うれしく思うと同時に世界耐久という新しい挑戦にワクワクしています。初めてのマシン、初めてのタイヤとなりますが、これまでの経験を活かしチームに貢献できればと思っています」
Team Etoile/チームエトワールは、新規チームとして2023年1月に発足。ル・マン近郊のテロシェにヨーロッパでの拠点として、東京江戸川区に日本の拠点を置いた。チーム代表の市川を中心に、曽根健太郎、佐藤太紀をコアメンバーに、経験のあるベテランメカニックと若手が組み、人材の育成もチームの目的の一つとして取り組む。また、BMW MOTORRAD Official Partnerであるalpha Racing(アルファ レーシング)と契約しEWC全戦でエンジニアを派遣してもらう体制を整えた。
「全力で取り組み、耐久レースの達成感や感動をみんなで味わいたい。予期せぬことが多々あると思いますが、真剣に取り組めばおのずと結果はついてくるはずです。Team Etoile/チームエトワールの活動にぜひご期待ください」
「チームエトワール」のネーミングの由来は、市川代表が19歳から20歳のころに料理人を志し、フランスのミシュラン星付きレストランで修業した経験を持っており、そのころから星(エトワール)の名をつけてフランスに戻って来たいという想いがあって付けられている。市川代表は、自身も地方選手権を走るレーシングライダーでもある。
EWCには、TSRホンダフランス、YOSHIMURAモチュール、カワサキフランスと日本人監督が誕生している。チームエトワールは、4人目の日本人監督となり、その活動に注目が集まる。
※EWCの開幕戦は、4月20日(土)~21日(日)のル・マン24時間となる。
(文・佐藤洋美)